転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに

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第6章 王都編

第138話 え、出れないの?

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 とりあえず今はこの禍々しい、気持ち悪いを消さないとね。

「えっと…」

 ここをこーして…あーしたら。

「…できた」

 私の目の前にいきなり現れた、蒼い炎。見慣れた、翡翠刀が生み出す聖火。

「…消えないんだ」

 ここは樹液の中、つまり水の中ということなのに、聖火は消えるどころか何もない場所で燃え続けている。
 ……確か魔法で創り出した火は魔力を糧に燃えるんだっけ。それと似た感じかな。

「とりあえず…」

 聖火を気持ち悪いタールみたいなのに近付けて燃やす。おぉ、よく燃える。
 燃えるにつれて、吐きそうだった気持ち悪い感じも消滅していった。

「終わっ…た?」

 気持ち悪い感じは完全に消滅した……けれど、本当にこれで終わりなのだろうか?

「…ていうか、そもそもこっからどうやって出るの?」

 えっと、えっとぉ……あっ!入ってきた知識にあった!なになに…

 世界樹は世界の一部であり、地中に伸びた根は世界の監視、又は安定化を担う。内部は■%ゝにより満たされている。根の外部から内部に入ることは比較的容易だが、内側から外側に出ることは不可能である。

 ………ちょっと待て。

「出れないじゃないの!?」

 不可能であるって…あ、続きがある。

 そのため根の内部に侵入した場合、本体である世界樹へ向かい、そこから脱出する他ない。

「…はぁ」

 世界樹に向かうしかないのかぁ…ん?

「…これ、狙ってやってるよね」

 世界樹の根を治すことではなく、世界樹に向かわせること自体が目的なら?
 ……でも、その目的が分からない。そもそも世界樹に向かわせるのなら、転移させた方が楽なはずだ。それをわざわざ世界樹の根を伝って向かわせる理由が分からない。

「…まぁ、せいぜい踊らされてみましょうかね」

 どうせ教えてはくれないのだ。なら、せいぜいそのに動いてやろうじゃないか。



 ーーーーーーー

 リーナの屋敷にある地下室へと男を連れていく。念の為起きて暴れないよう、睡眠魔法を掛けておくのを忘れない。

「とりあえずこいつが起きるまで、色々と説明してくれないかしら?」
「ええ、もちろん」

 時間は有効活用しないとね。
 男を椅子に縛り付けて、リーナと共に別の椅子に座る。

「まず起こそうとした騒ぎなんだけど……ロックゴーレムのスタンピードよ」
「ロックゴーレムの!?」

 リーナが驚きから目を見開く。まぁ、それも無理はない。ロックゴーレムのスタンピードはとてつもなく危険な現象だ。一体ずつなら問題は無いのだけれど、硬いから数が多いと倒すのが大変になる。だから危険度はとても高い。
 ……フィリアはあんなに簡単に倒してたけれど、それは本来ならありえないのよ?ほんとあの子は…

「ふふっ。その様子だと、フィリアちゃんが大体やっつけたのかしら?」
「……ええ。思ってた斜め上の方法でね」
「何したの?」
「…巨大なパチンコで岩を飛ばして、ロックゴーレムをなぎ倒したのよ」
「………え?」

 リーナが、何を言っているのか分からないと言いたげな表情を浮かべる。
 …分かるわよ、わたしも。自分で何言ってるか分からないんだもの。

「岩を、当てただけ?」
「ええ。周りに被害が出ないよう考えた結果だそうよ」

 でもあれは無いわよね…しかも魔法を使わなかったのは、そちらのほうが被害が出るかららしいし。
 ……使ってたらどうなってたか。想像するだけでも恐ろしいわね。

「…フィリアちゃんは、大丈夫なの?」

 リーナが心配しているのは、その力についてだろう。その力に呑まれはしないか、と。

「大丈夫じゃない?」
「……軽すぎでしょ」

 いや、ねぇ?だってあの子物凄く図太いしポジティブだし…

「…まぁ、それは同感だけど」
「でしょう?」

 そもそもダンジョンのゲートキーパーの目の前で食事を始めるような子だもの。
 それに……とても優しいということも知っている。性格は、まぁ大雑把ではあるけれど、善意には善意を、なんの戸惑いもなく返すことができる子だもの。絶大な力を持っていたとしても、その力に呑まれることはまず無いだろう。

「うぅ……こ、ここは…」

 おっと。男が目を覚ましたみたいね。

「目が覚めたかしら?」
「え…おおお前は…」

 リーナのことも知っているようね。

「さて、話せるところまで話してもらうわよ」

 以前家に襲撃に来たやつらから、組織に関して公言した場合死ぬ呪いがかかってるみたいだし、話せるところまで話してもらいましょうかね。

「だ、誰がっ!」
「そう。じゃあまずは…」

 真っ赤に熱されたコテを男の目の前にチラつかせる。

「これが何か、分かる?」
「コ、コテだろう」
「ええ。じゃあこれをあなたの顔に付けたらどうなるかしら?」

 そう言いながらゆっくりと男の顔へと近づけて行く。

「やっ、やめっ」
「話したらやめるわよ?ほらほら」

 じわじわと近づけて行く。すると、ジュワッと肉が焼ける音が聞こえた。

「ギャァァァァ!!!話す!話すから離してくれぇぇぇ!!」

 案外あっさりと堕ちたわね。

「じゃあ質問に答えてもらうわよ。まず起こそうとしたのはスタンピードで合ってるわね?」
「は、はい…」
「起こそうとした目的は?」
「…六大英雄がいる王都を襲撃すれば、殺せると…」

 なるほど。確かにこの王都には常時2人の英雄がいるものね。

「他には?」
「…聞いてません」
「じゃあ次の質問。黒幕は誰?」
「…言えません」

 …やはりね。こちらにも同じものが掛けられているか。

「情報はそう得られそうにないわね」

 リーナの言葉に同意する。とりあえず男は重要参考人として牢へ投獄されることとなった。
 ……そういえば、フィリア遅いわね?
















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