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第5章 村編
第122話 深層部到達
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とりあえずドロップアイテムを回収する。スモールデススパイダーのドロップアイテムは足や目。甲羅などだったが……マザーデススパイダーだけは違った。
「またか……」
フォレストモンキーを倒したときにもあった、何かの種。なにか特殊なものなのだろうか……ひとまず回収しておくか。
そして全てのドロップアイテムを回収した後、周りに結界石を置き、軽く睡眠をとることにした。
『ふふふっ』
『面白い人』
『これなら……ふふっ』
んー……ん?なにか聞こえた気がしたが……まぁいいか。とりあえず起きて……
「……なんでだ?」
目を覚ますと目の前にあるのは……なんと階段。いやなんでだ??俺寝たの確か森の中だったよな?
「……まぁ、罠ということもなくはないが、ひとまず行ってみるか」
とりあえず結界石を回収し、階段を降りていく。
…………長ぇ。もともとここまで階段は長くないはずなんだがな……階段の長ささえも変異したか?
「お。終わりか?」
階段が終わり、平坦な道に変わる。だが、トンネルのようになっていて、まだ次の階層という訳では無いようだ。ほんといつ着くんだ……
「……って思ったそばからか」
トンネルのような通路が終わり、大きな部屋のような場所へと出る。
「ここは……ゲートキーパーの部屋、か?」
森林エリアのゲートキーパーがいるのは確か35階層だったよな……ってことは、俺は34階層にいたってことか?
「まぁ、いいか。手っ取り早く倒しちまおう」
そう思って剣を構えたんだが……魔物がでてこねぇ。いや、よく見たらそもそも真ん中にあるはずの魔法陣すらない。
「どういうことだ……?」
ここは確かにゲートキーパーの部屋だ。だが、本来あるはずのゲートキーパーが現れる為の魔法陣がない。
俺はひとまず剣を出したまま、部屋を回ってみることにした。
「……なんだこれ」
すると壁に小さな3つの穴を見つけた。横に並んでおり、真ん中の穴が1番深そうだ。両隣りの穴は、そこまで深くない。
「まさか…」
俺はマジックバックから、リーナから借りた小さな鍵を取り出し、真ん中の穴へと差し込んだ。……ピッタリだ。だが、ここからどうすればいい?鍵を回そうにも、なにかが邪魔して動かない。なにか、条件があるのか?
「……ちょっと待て。この穴の形。どっかで……あっ!」
そうだ。ドロップアイテムであった、種の形にそっくりだ。だが、そんなことは偶然じゃ……いや。まずは試してみよう。
マジックバックから2個の種を取り出し、それぞれ形が合う方の穴へと入れる。いや、凄く浅いから、はめ込むと言ったほうがいいかもしれない。そして結果は………はまった。これ以上ないほどピッタリと。
「ふぅ…」
俺はもう一度、鍵を回す。すると、先程の回らなかったのが嘘のように滑らかに回った。そして、ガチャリと外れる音がする。
「開いたのか……?」
俺は鍵から手を離す。すると、地面に光り輝く魔法陣が描かれ始めた。
「なっ!?」
俺は思わずその場から逃げようとするが、上手く体が動かない。そして魔法陣が完成し、これまでに無いほど強く光り輝いた瞬間。俺は、意識を失った。
「うぅ…………こ、こは?」
次に目を覚ました時、俺はあの寝る前の森にいた。
「やっぱり…夢か…」
一瞬そう思ったが、周りにあるはずの結界石が見当たらない。かなり頑丈なやつだから、破られて砕けたなんてことはないだろう。それに寝る時に使っていたブランケットも無くなっていた。
「……いや、違うな。ここは、あの森じゃない」
頬をつねるが、夢ではない。マジックバックを確認したが、無くなったと思っていた全ての物がしまわれていた。そして……2つの種と鍵が無くなっていた。つまり、あれは夢などでない。現実だったのだろう。
『あら、起きた?』
「っ!」
いきなり声が聞こえ、思わずバッと戦闘態勢をとる。
『ふふふっ。ごめんごめん』
「誰だ!どこにいる!」
耳を澄ますが、どこから聞こえているのか分からない。……いや、違うな。全ての方向から聞こえている。だから場所が分からない。
『そろそろ見せようかな』
そんな言葉が聞こえると同時に、木漏れ日がある形をなしていく。そして一段と光が強く輝いた次の瞬間。その場には、可愛らしい小さな女の子が立っていた。
『ふぅ。現れるのも疲れるな』
そんなことを呟きながら、目線を俺の方へと向ける。
「お前は……誰だ?」
『知らないの?あぁ、面白がって言ってないのね、絶対。全く……』
「おい」
『あ、ごめんなさい。私はね、ドライアドよ』
ドライアド……確か、木の妖精?だったか。しかし俺がこの目で見るのは初めてだ。そもそもなかなかお目にかかれない存在のばすだ。
「本当、なのか?」
『嘘ついてどうするのよ』
「いやまぁそれはそうだが……なんでだ?」
そう。そこだ。なんで俺の前にでてきた?
『え?それも知らないの?』
なんで知らないんだみたいな目で見られるが、知らん!
「あぁ、なんでだ?」
『あなたが求めてるものを渡すためだけど…』
俺が求めているもの……?あれか。フィリアとアッシュの俺に対する愛か。
『盛大に勘違いしてるみたいだわ……』
「ん?違うのか?」
『……何のためにここにきたの?』
「そりゃもちろん聖結晶を手に入れるため……」
……まて。ということは?
『やっと分かった?その聖結晶を渡すためよ』
「いやなんで持ってるんだ?」
『それも知らないの?聖結晶は私の涙よ?』
………知らなかった。ドライアドの涙だったなんて。
『まぁとりあえず、はい、手出して』
言われた通り手を出すと、ドライアドが手を重ねる。すると手にコロリと石が転がる感触が伝わってきた。
『はい。これが目的のものでしょ?』
ドライアドが手をどけると、俺の掌に透明な石が転がっているのが目に入る。確かに聖結晶だ……
「……ありがとう。だが、そんなに簡単に渡していいものなのか?」
『いいえ?そうでもないわよ?』
「だったらなんで……」
『えっと、まずそのマジックバック』
ドライアドが、俺が肩にかけているマジックバックを指さす。
「これ?」
『そう。それは私が渡したものだから』
「渡した…?リーナに?」
『うん。それでそれを持っているってことは、まず悪い人じゃないから』
「いや、盗られたりとか」
『無理だよ。私か、私が直接渡した人が許可しない限り、他人は使えないんだから』
そ、そんな代物だったのか……。
『あと、試験ね』
「試験?」
『そう、試験。あなたがさっきまでいた場所。あれは、裏なんだ。で…』
「そうだったのか!?」
思わずドライアドの説明を遮るように声を上げてしまった…だが、当然だろう。裏だったなんて思ってもみなかったのだから。
『だから構造が違ってたでしょ?』
なるほど……だから前より広く感じたりした訳だ。
「だが、試験ってなんだ?」
『だーかーらー、森を大切にしてくれるか、だよ』
「森?大切?」
『そう。あそこで1本も無駄に木を傷付けていないでしょう?もし傷付けてたら、試験は不合格。強制的に外にだす』
こ、怖ぇぇ……ていうかあの感じていた視線はドライアドのものだったのか。
『という訳で、あなたは合格したから、渡したの』
「だが、俺がリーナから聞くとか…」
『それは盟約があるから無理。試験については話せないんだよ』
「そうなのか……」
『はい、これでおしまい!じゃあね!あっ、リーナと、それからあなたの子供、女の子のほうね。今度来れるなら来るように言っといて!バイバイ!』
「えっ!あ、お、おいっ!」
思わずドライアドの肩を掴もうとするが、その手は空をきり、俺はそのまま光に飲まれて意識を失った。
「またか……」
フォレストモンキーを倒したときにもあった、何かの種。なにか特殊なものなのだろうか……ひとまず回収しておくか。
そして全てのドロップアイテムを回収した後、周りに結界石を置き、軽く睡眠をとることにした。
『ふふふっ』
『面白い人』
『これなら……ふふっ』
んー……ん?なにか聞こえた気がしたが……まぁいいか。とりあえず起きて……
「……なんでだ?」
目を覚ますと目の前にあるのは……なんと階段。いやなんでだ??俺寝たの確か森の中だったよな?
「……まぁ、罠ということもなくはないが、ひとまず行ってみるか」
とりあえず結界石を回収し、階段を降りていく。
…………長ぇ。もともとここまで階段は長くないはずなんだがな……階段の長ささえも変異したか?
「お。終わりか?」
階段が終わり、平坦な道に変わる。だが、トンネルのようになっていて、まだ次の階層という訳では無いようだ。ほんといつ着くんだ……
「……って思ったそばからか」
トンネルのような通路が終わり、大きな部屋のような場所へと出る。
「ここは……ゲートキーパーの部屋、か?」
森林エリアのゲートキーパーがいるのは確か35階層だったよな……ってことは、俺は34階層にいたってことか?
「まぁ、いいか。手っ取り早く倒しちまおう」
そう思って剣を構えたんだが……魔物がでてこねぇ。いや、よく見たらそもそも真ん中にあるはずの魔法陣すらない。
「どういうことだ……?」
ここは確かにゲートキーパーの部屋だ。だが、本来あるはずのゲートキーパーが現れる為の魔法陣がない。
俺はひとまず剣を出したまま、部屋を回ってみることにした。
「……なんだこれ」
すると壁に小さな3つの穴を見つけた。横に並んでおり、真ん中の穴が1番深そうだ。両隣りの穴は、そこまで深くない。
「まさか…」
俺はマジックバックから、リーナから借りた小さな鍵を取り出し、真ん中の穴へと差し込んだ。……ピッタリだ。だが、ここからどうすればいい?鍵を回そうにも、なにかが邪魔して動かない。なにか、条件があるのか?
「……ちょっと待て。この穴の形。どっかで……あっ!」
そうだ。ドロップアイテムであった、種の形にそっくりだ。だが、そんなことは偶然じゃ……いや。まずは試してみよう。
マジックバックから2個の種を取り出し、それぞれ形が合う方の穴へと入れる。いや、凄く浅いから、はめ込むと言ったほうがいいかもしれない。そして結果は………はまった。これ以上ないほどピッタリと。
「ふぅ…」
俺はもう一度、鍵を回す。すると、先程の回らなかったのが嘘のように滑らかに回った。そして、ガチャリと外れる音がする。
「開いたのか……?」
俺は鍵から手を離す。すると、地面に光り輝く魔法陣が描かれ始めた。
「なっ!?」
俺は思わずその場から逃げようとするが、上手く体が動かない。そして魔法陣が完成し、これまでに無いほど強く光り輝いた瞬間。俺は、意識を失った。
「うぅ…………こ、こは?」
次に目を覚ました時、俺はあの寝る前の森にいた。
「やっぱり…夢か…」
一瞬そう思ったが、周りにあるはずの結界石が見当たらない。かなり頑丈なやつだから、破られて砕けたなんてことはないだろう。それに寝る時に使っていたブランケットも無くなっていた。
「……いや、違うな。ここは、あの森じゃない」
頬をつねるが、夢ではない。マジックバックを確認したが、無くなったと思っていた全ての物がしまわれていた。そして……2つの種と鍵が無くなっていた。つまり、あれは夢などでない。現実だったのだろう。
『あら、起きた?』
「っ!」
いきなり声が聞こえ、思わずバッと戦闘態勢をとる。
『ふふふっ。ごめんごめん』
「誰だ!どこにいる!」
耳を澄ますが、どこから聞こえているのか分からない。……いや、違うな。全ての方向から聞こえている。だから場所が分からない。
『そろそろ見せようかな』
そんな言葉が聞こえると同時に、木漏れ日がある形をなしていく。そして一段と光が強く輝いた次の瞬間。その場には、可愛らしい小さな女の子が立っていた。
『ふぅ。現れるのも疲れるな』
そんなことを呟きながら、目線を俺の方へと向ける。
「お前は……誰だ?」
『知らないの?あぁ、面白がって言ってないのね、絶対。全く……』
「おい」
『あ、ごめんなさい。私はね、ドライアドよ』
ドライアド……確か、木の妖精?だったか。しかし俺がこの目で見るのは初めてだ。そもそもなかなかお目にかかれない存在のばすだ。
「本当、なのか?」
『嘘ついてどうするのよ』
「いやまぁそれはそうだが……なんでだ?」
そう。そこだ。なんで俺の前にでてきた?
『え?それも知らないの?』
なんで知らないんだみたいな目で見られるが、知らん!
「あぁ、なんでだ?」
『あなたが求めてるものを渡すためだけど…』
俺が求めているもの……?あれか。フィリアとアッシュの俺に対する愛か。
『盛大に勘違いしてるみたいだわ……』
「ん?違うのか?」
『……何のためにここにきたの?』
「そりゃもちろん聖結晶を手に入れるため……」
……まて。ということは?
『やっと分かった?その聖結晶を渡すためよ』
「いやなんで持ってるんだ?」
『それも知らないの?聖結晶は私の涙よ?』
………知らなかった。ドライアドの涙だったなんて。
『まぁとりあえず、はい、手出して』
言われた通り手を出すと、ドライアドが手を重ねる。すると手にコロリと石が転がる感触が伝わってきた。
『はい。これが目的のものでしょ?』
ドライアドが手をどけると、俺の掌に透明な石が転がっているのが目に入る。確かに聖結晶だ……
「……ありがとう。だが、そんなに簡単に渡していいものなのか?」
『いいえ?そうでもないわよ?』
「だったらなんで……」
『えっと、まずそのマジックバック』
ドライアドが、俺が肩にかけているマジックバックを指さす。
「これ?」
『そう。それは私が渡したものだから』
「渡した…?リーナに?」
『うん。それでそれを持っているってことは、まず悪い人じゃないから』
「いや、盗られたりとか」
『無理だよ。私か、私が直接渡した人が許可しない限り、他人は使えないんだから』
そ、そんな代物だったのか……。
『あと、試験ね』
「試験?」
『そう、試験。あなたがさっきまでいた場所。あれは、裏なんだ。で…』
「そうだったのか!?」
思わずドライアドの説明を遮るように声を上げてしまった…だが、当然だろう。裏だったなんて思ってもみなかったのだから。
『だから構造が違ってたでしょ?』
なるほど……だから前より広く感じたりした訳だ。
「だが、試験ってなんだ?」
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「森?大切?」
『そう。あそこで1本も無駄に木を傷付けていないでしょう?もし傷付けてたら、試験は不合格。強制的に外にだす』
こ、怖ぇぇ……ていうかあの感じていた視線はドライアドのものだったのか。
『という訳で、あなたは合格したから、渡したの』
「だが、俺がリーナから聞くとか…」
『それは盟約があるから無理。試験については話せないんだよ』
「そうなのか……」
『はい、これでおしまい!じゃあね!あっ、リーナと、それからあなたの子供、女の子のほうね。今度来れるなら来るように言っといて!バイバイ!』
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