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第二十三章 ロードラントの笛吹き娘
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丘の上の中央辺りにある草むらの上にレーモンは横たわっていた。
見張り役なのか、その周りには二十名ほどの竜騎士が立っている。
彼らは昨日僕たちとは一緒に行かず、レーモンと共に戦場に残って戦闘を続行した竜騎士たちだ。
「叔父様!」
竜騎士をかき分け、レーモンを一目見たリナが悲鳴を上げた。
ぐったりと寝ているレーモンの足が――右足の大腿部《だいたいぶ》から下が、スッパリと切断されていたからだ。
患部は布できつく縛って応急処置はしてあるものの、多量の出血があったことは誰にでも分かった。
そのためか、レーモンの顔は灰色で意識もない。
呼吸も不規則。
ほとんど瀕死状態だ。
「そんな……どうして」
レーモンのそばにしゃがみ、冷たい手を取ったリナの目から涙があふれる。
「あの風の魔法の少女――セフィーゼにやられたのさ」
エリックが言った。
「昨日アリス王女とお前たちがここから離脱した後、ロードラント軍は大混乱に陥ってもう戦うどころじゃなくなっちまった。それで多くの兵士が戦場から逃げ出したんだ」
……思った通りの、残念な結果になってしまったか。
レーモンと竜騎士は兵士たちを巻き込み、全員が玉砕《ぎょくさい》するまで戦って敵を食い止めるつもりだったのだろう。
が、騎士でもない一般の兵士がそんな無茶苦茶な命令に従うわけない。
「ところがな」
と、エリックが続ける。
「ユウト、お前の魔法で目がくらんでいたイーザ騎兵の連中――奴ら、いち早く視力を取り戻してな、そこでまた戦闘が起こっちまったんだ。あとはもう大乱戦、ぐっちゃぐちゃな血の雨と嵐よ」
「それで、セフィーゼが……」
「ああ、その通りだ。戦いが始まって血を見てから突然暴れ出しやがった。しかも折が悪いことにちょうどお前の『封印魔法』が解けちまったらしく、あのコワーい『風の魔法』を滅茶苦茶に連発し始めたんだ。早く何とかしないとヤバいぜ、あの子は。血に溺れて完全にいかれちまっている」
セフィーゼにまだそんな魔力が残っていたとは思わなかった。
甘かったか――
と、僕は唇を噛んだ。
見張り役なのか、その周りには二十名ほどの竜騎士が立っている。
彼らは昨日僕たちとは一緒に行かず、レーモンと共に戦場に残って戦闘を続行した竜騎士たちだ。
「叔父様!」
竜騎士をかき分け、レーモンを一目見たリナが悲鳴を上げた。
ぐったりと寝ているレーモンの足が――右足の大腿部《だいたいぶ》から下が、スッパリと切断されていたからだ。
患部は布できつく縛って応急処置はしてあるものの、多量の出血があったことは誰にでも分かった。
そのためか、レーモンの顔は灰色で意識もない。
呼吸も不規則。
ほとんど瀕死状態だ。
「そんな……どうして」
レーモンのそばにしゃがみ、冷たい手を取ったリナの目から涙があふれる。
「あの風の魔法の少女――セフィーゼにやられたのさ」
エリックが言った。
「昨日アリス王女とお前たちがここから離脱した後、ロードラント軍は大混乱に陥ってもう戦うどころじゃなくなっちまった。それで多くの兵士が戦場から逃げ出したんだ」
……思った通りの、残念な結果になってしまったか。
レーモンと竜騎士は兵士たちを巻き込み、全員が玉砕《ぎょくさい》するまで戦って敵を食い止めるつもりだったのだろう。
が、騎士でもない一般の兵士がそんな無茶苦茶な命令に従うわけない。
「ところがな」
と、エリックが続ける。
「ユウト、お前の魔法で目がくらんでいたイーザ騎兵の連中――奴ら、いち早く視力を取り戻してな、そこでまた戦闘が起こっちまったんだ。あとはもう大乱戦、ぐっちゃぐちゃな血の雨と嵐よ」
「それで、セフィーゼが……」
「ああ、その通りだ。戦いが始まって血を見てから突然暴れ出しやがった。しかも折が悪いことにちょうどお前の『封印魔法』が解けちまったらしく、あのコワーい『風の魔法』を滅茶苦茶に連発し始めたんだ。早く何とかしないとヤバいぜ、あの子は。血に溺れて完全にいかれちまっている」
セフィーゼにまだそんな魔力が残っていたとは思わなかった。
甘かったか――
と、僕は唇を噛んだ。
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