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第二十一章 最強の竜騎士 その名は……
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すると――
「あ! あそこ!! あそこを見てください!!」
僕は平原の一角を指差し叫んだ。
岩山からかなり離れた場所、おそらく2キロ以上先に、いまだ戦い続ける兵士の集団を認めたからだ。
兵士たちはコボルト兵とイーザ騎兵の連合軍にぐるりと取り囲まれ、執拗《しつよう》な攻撃を受けていた。
距離がありすぎて一人一人は豆粒大の大きさにしか見えない。
が、あれは間違いなく戦場に取り残されたロードラントの仲間たちだ。
「敵はほぼ勝利を手中に収め、戦いはすでに掃討戦の段階に入っているようだ」
マティアスはあくまで冷静に分析する。
「しかし敵の数は昨日よりだいぶ少ない。おそらくこの場に必要なだけの兵を残し、あとは体制を立て直すために撤退したのだろう」
“撤退”ということは僕の「ルミナス」の魔法が敵に相当効いたということか。
しかしパッと見、ロードラント兵の数も大幅に減っている。
ああ、なんてことだ!
僕たちが逃げたのち、やはり相当数の仲間がやられてしまったのだ。
つまりあの時、なんとか戦場にとどまって一緒に戦っていれば……。
押し寄せる後悔の波。
その中でもがき、苦しんでいると――
遠くの方から誰かの叫び声が、風に乗って聞こえてきた。
「みんな頑張れ! もう少しすれば、きっとユウトたちが助けにきてくれるに違ぇねえ!」
あれはエリックの声!
やっぱり生きていたのだ!
背筋にビリッと稲妻が走った。
こうなると、もう居ても立ってもいられなかった。
「助けに行きましょう、今すぐ!」
僕はそう叫び、マティアスたちの同意を得ることなく、振り向いて岩山を全速で駆け降り始めた。
エリックほどの力があれば、昨日のあの混乱の中、一人で逃げることもできたはず。
彼はそれをしなかったのは、おそらく仲間の兵士や負傷者を戦場に置いていくことができなかったからだ。
そしてほぼ一昼夜、エリックはみんなをかばいながら、僕が戻ってくることを信じて戦い続けたのだ。
早く、早く、早く!
何としてでも彼らを助けなければならない。
「あ! あそこ!! あそこを見てください!!」
僕は平原の一角を指差し叫んだ。
岩山からかなり離れた場所、おそらく2キロ以上先に、いまだ戦い続ける兵士の集団を認めたからだ。
兵士たちはコボルト兵とイーザ騎兵の連合軍にぐるりと取り囲まれ、執拗《しつよう》な攻撃を受けていた。
距離がありすぎて一人一人は豆粒大の大きさにしか見えない。
が、あれは間違いなく戦場に取り残されたロードラントの仲間たちだ。
「敵はほぼ勝利を手中に収め、戦いはすでに掃討戦の段階に入っているようだ」
マティアスはあくまで冷静に分析する。
「しかし敵の数は昨日よりだいぶ少ない。おそらくこの場に必要なだけの兵を残し、あとは体制を立て直すために撤退したのだろう」
“撤退”ということは僕の「ルミナス」の魔法が敵に相当効いたということか。
しかしパッと見、ロードラント兵の数も大幅に減っている。
ああ、なんてことだ!
僕たちが逃げたのち、やはり相当数の仲間がやられてしまったのだ。
つまりあの時、なんとか戦場にとどまって一緒に戦っていれば……。
押し寄せる後悔の波。
その中でもがき、苦しんでいると――
遠くの方から誰かの叫び声が、風に乗って聞こえてきた。
「みんな頑張れ! もう少しすれば、きっとユウトたちが助けにきてくれるに違ぇねえ!」
あれはエリックの声!
やっぱり生きていたのだ!
背筋にビリッと稲妻が走った。
こうなると、もう居ても立ってもいられなかった。
「助けに行きましょう、今すぐ!」
僕はそう叫び、マティアスたちの同意を得ることなく、振り向いて岩山を全速で駆け降り始めた。
エリックほどの力があれば、昨日のあの混乱の中、一人で逃げることもできたはず。
彼はそれをしなかったのは、おそらく仲間の兵士や負傷者を戦場に置いていくことができなかったからだ。
そしてほぼ一昼夜、エリックはみんなをかばいながら、僕が戻ってくることを信じて戦い続けたのだ。
早く、早く、早く!
何としてでも彼らを助けなければならない。
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