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第二十章 再び戦場へ
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「その様子だと、起こしてあげてよかったようね」
スマホのスピーカーからセリカの声が聞こえた。
僕はスマホを取り、セリカに無愛想に言った。
「どうも、感謝してます」
「フフ、あんまり気持ちが伝わってこないか言い方ね、まあいいけど」
「じゃあ、もう行かなきゃいけないから電話切るよ」
「あら、もう話すことはないの?」
本当はセリカに是非問い正したいことがあった。
それは、魔女ヒルダ≒日向《ひなた》先生をこの異世界に送り込んだのは実はセリカではないのかという疑念だ。
しかし、今はその時間すら惜しい。
「いろいろあるけど、また今度――」
と、僕が電話を切ろうとすると――
「あ、ちょっと待って! 出かける前に一つ確認してほしいことがあるの」
「なんだよ」
「スマホのバッテリー! 覚えてるよね? バッテリーが切れスマホが使えなくなると現実世界に戻れなくなるってこと」
……うっかりしていた。
異世界に来て以来、次から次へと起こるイベントに追われ、そこまで気が回らなかった。
僕はスマホのディスプレイを見た。
時間は午前7時5分。そしてバッテリーの残量はちょうど80%。
思ったよりは減っていない。
「まだ余裕だよ。それに予備のバッテリーも貰ってるよね」
「ならいいけど、とにかくこまめにチェックして。通信できないといろいろ不具合も出てくるし」
「わかった。じゃあ行くね」
セリカを軽くあしらい、僕は通話を切りスマホを腰の皮袋に入れ、部屋のドアのノブに手をかけた。
が、マティアスは僕やアリスをどうしても城の外に出したくないはず。
もしかしたらこのドアにも外から鍵がかかっているかもしれない。
――と、思ったのだが、ノブはすんなり回った。
監禁されたわけではなかったのか。
これ幸いと、僕はパッとドアを開けた。
すると目の前に――
「うわっ」
まるでその場で待ち構えていたかのように、昨日僕を部屋に案内してくれたメイドのロゼットが立っていたのだった。
スマホのスピーカーからセリカの声が聞こえた。
僕はスマホを取り、セリカに無愛想に言った。
「どうも、感謝してます」
「フフ、あんまり気持ちが伝わってこないか言い方ね、まあいいけど」
「じゃあ、もう行かなきゃいけないから電話切るよ」
「あら、もう話すことはないの?」
本当はセリカに是非問い正したいことがあった。
それは、魔女ヒルダ≒日向《ひなた》先生をこの異世界に送り込んだのは実はセリカではないのかという疑念だ。
しかし、今はその時間すら惜しい。
「いろいろあるけど、また今度――」
と、僕が電話を切ろうとすると――
「あ、ちょっと待って! 出かける前に一つ確認してほしいことがあるの」
「なんだよ」
「スマホのバッテリー! 覚えてるよね? バッテリーが切れスマホが使えなくなると現実世界に戻れなくなるってこと」
……うっかりしていた。
異世界に来て以来、次から次へと起こるイベントに追われ、そこまで気が回らなかった。
僕はスマホのディスプレイを見た。
時間は午前7時5分。そしてバッテリーの残量はちょうど80%。
思ったよりは減っていない。
「まだ余裕だよ。それに予備のバッテリーも貰ってるよね」
「ならいいけど、とにかくこまめにチェックして。通信できないといろいろ不具合も出てくるし」
「わかった。じゃあ行くね」
セリカを軽くあしらい、僕は通話を切りスマホを腰の皮袋に入れ、部屋のドアのノブに手をかけた。
が、マティアスは僕やアリスをどうしても城の外に出したくないはず。
もしかしたらこのドアにも外から鍵がかかっているかもしれない。
――と、思ったのだが、ノブはすんなり回った。
監禁されたわけではなかったのか。
これ幸いと、僕はパッとドアを開けた。
すると目の前に――
「うわっ」
まるでその場で待ち構えていたかのように、昨日僕を部屋に案内してくれたメイドのロゼットが立っていたのだった。
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