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第十三章 恐怖の森
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避けるどころか、わずかに身動きする暇さえなかった。
光弾は、竜騎士に当たった瞬間パッと広がりその体全体を包み込んだ。
するとたちまち竜騎士の足が灰色に変化し始め、その範囲はすぐに上半身から頭部へと広がっていき――
光が消えた時には、竜騎士は完全な一体の石像と化してしまっていた。
「どうだ? なかなか面白い魔法だろう」
魔女の笑い声が森の中に響く。
なんてことだ!
僕がモタモタしているうちにまた犠牲者が増えてしまった。
もう迷ってはいられない。
『ソウルスティール』や『ストーン』は「効くか効かないか」という、いわば“確率の魔法”。
そして、この異世界がゲームと似た世界ならば、その手の魔法に対する耐性は自分にそれなりに備わっているはず。
少なくとも、一発でやられる可能性は竜騎士たちよりずっと低いに違いない。
いける、きっといける!
そう自分を奮い立たせ、馬を飛び降りようとしたその時――
「おや?」
魔女が驚いたような声を上げた。
目深にかぶったローブフードの奥に隠れた瞳が、きらりと光ったような気がする。
「まさか! ――いや間違いない。その目その髪その美貌。まさしくロードラントのアリス王女!! この度の戦に出陣しているとは聞いていたが……」
まずい。
前衛の竜騎士がまとめて倒されたため、アリスに扮したリナの姿が、いつの間にか魔女に丸見えになってしまっていただ。
「嗚呼、なんたる僥倖! 罠にネズミがかかったと思ったら獅子だった――いやいや可憐なバラのつぼみと言うべきか」
空耳ではない。
「ゴクリ」と魔女が唾を飲み込む音を僕は確かに聞いた。
狙い通り、リナのことを完全にアリスだと思い込んでいるようだ。
「や、やだ……」
しかしリナは、気色悪い魔女の言葉にビクッと震えた。
光弾は、竜騎士に当たった瞬間パッと広がりその体全体を包み込んだ。
するとたちまち竜騎士の足が灰色に変化し始め、その範囲はすぐに上半身から頭部へと広がっていき――
光が消えた時には、竜騎士は完全な一体の石像と化してしまっていた。
「どうだ? なかなか面白い魔法だろう」
魔女の笑い声が森の中に響く。
なんてことだ!
僕がモタモタしているうちにまた犠牲者が増えてしまった。
もう迷ってはいられない。
『ソウルスティール』や『ストーン』は「効くか効かないか」という、いわば“確率の魔法”。
そして、この異世界がゲームと似た世界ならば、その手の魔法に対する耐性は自分にそれなりに備わっているはず。
少なくとも、一発でやられる可能性は竜騎士たちよりずっと低いに違いない。
いける、きっといける!
そう自分を奮い立たせ、馬を飛び降りようとしたその時――
「おや?」
魔女が驚いたような声を上げた。
目深にかぶったローブフードの奥に隠れた瞳が、きらりと光ったような気がする。
「まさか! ――いや間違いない。その目その髪その美貌。まさしくロードラントのアリス王女!! この度の戦に出陣しているとは聞いていたが……」
まずい。
前衛の竜騎士がまとめて倒されたため、アリスに扮したリナの姿が、いつの間にか魔女に丸見えになってしまっていただ。
「嗚呼、なんたる僥倖! 罠にネズミがかかったと思ったら獅子だった――いやいや可憐なバラのつぼみと言うべきか」
空耳ではない。
「ゴクリ」と魔女が唾を飲み込む音を僕は確かに聞いた。
狙い通り、リナのことを完全にアリスだと思い込んでいるようだ。
「や、やだ……」
しかしリナは、気色悪い魔女の言葉にビクッと震えた。
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