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第七章 死闘

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 アリスたちを残し、円陣を出た途端――

 うわっ!
 すごい数……。

 戦場は見渡す限りコボルト兵で埋め尽くされていた。
 あまりの数の多さに、ただただ圧倒されてしまう。

「進め進め!! 雑魚にはかまうな!!」
 マティアスが声高に叫ぶと――  

「はッ!」
 と、竜騎士たちが力強く呼応した。

 そこからが圧巻あっかんだった。
 竜騎士たちは行く手を阻むコボルト兵を馬で踏みつぶしたり、長槍でぎ払ったり、まるで電動芝刈り機で雑草を一気に刈り取るような感じで、どんどん前へ進んでいく。

 不意を突かれたコボルト兵は、慌てて弓や手投げ斧などの飛び道具で反撃する。
 しかし竜騎士たちはそんな攻撃ものともしない。
 槍や盾ですべて跳ね返してしまう。

 すごい!
 この人たち強すぎる!

 僕は敵の真っただ中にいるのも忘れて感心してしまった。

「ほらな、これが竜騎士の真の強さだ。連中、やっぱり守るより攻める方が得意なんだな」

 エリックはそう言いながら「おっと」と、手に持った長槍を素早く横へくり出す。
 すると――

「ギャッ」

 という叫び声がして、コボルト兵が地面を転がっていくのが見えた。  
 馬に飛びつこうとしたコボルト兵を、エリックが槍で一突きしたのだ。

 軽々やってのけたように見えるが、そんなことない。
 猛スピードで走る馬を乗りこなしながら、敵の急所を狙うのはかなり難しいはず。
 エリックの戦闘力も、竜騎士に決して引けを取っていないということだ。


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