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14 結婚式を―サリーニア
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私はお父様に愛されている。
私は王都で育ったの。その頃にも礼儀作法の教師が教えに来たけど、嫌いだったから殆ど受けた事がないわ。
今も受けない、来ても遠慮なく追い返すわよ。お父様もお母様もそれでいいと言ってくれるわ。
だって私は立派な淑女ですもの。口うるさい女の回し者なんて必要ないわ。
王都に住んでいた時、大雨が続いた時があったの。
その後お父様とお母様はやっと結婚したのよね。邪魔をする人がいなくなったんですって。
王都の家に教会の人を呼んで誓いを立てたけど、凄く地味だったわ。
私は絶対華やかにするんだと幼いながらに思ったものよ。
私は侯爵令嬢になったんだから。
お母様と新しい家に行くと私より一つ上の女がいたわ。兎に角、口うるさかった。
お茶を飲むだけでも、注意するのよ。
はっ?って思ったわ。何故あんたに言われなきゃいけないの。
敬意を払え?じゃあ呼び方だけは異母姉様と呼んであげる。
同じ思いをしている人は屋敷の使用人にも沢山いた。細かい指摘をしないと気が済まないなんて嫌な女。
そして一番の被害にあっていたのが婚約者の王子ロンドリオ殿下だった。
可哀想、自由にさせてあげるべきなのよ。
ロンドリオ殿下とお父様はとても気があったわ。
私達もびっくりする程気があった。こういうのを運命の人って言うのかもしれない。
だから澄ました異母姉様から婚約者を取ってやりました。
異母姉様には勿体ないものね。
この地が欲しい、と言ったら渋っていたけど貰えたわ。
私がお父様に一番大切にされているんだから、私が貰うのが当たり前よね。
私がこの計画を思い付いたのは異母姉様が結婚式用のドレスを注文していた時だったわ。
ロンドリオ殿下と合わせた衣装はとても綺麗で豪華で淡い色合いで、二人の結婚が近い事がわかったの。
殿下にも確認してみたら結婚式に着ていくと言っていたもの。
やっぱり奪うなら結婚に近い時期よね。
何時も段取りやら、手順やらうるさいんだから、結婚準備も完璧にしていそうだもの。私がそのまま使ってあげる。
日にちもわかっているわ。建国の祝日でしょう。
この日な特別な日だもの。王子が結婚するならこの日しか有り得ないって、王太子が結婚する時聞いたんだから。
だから、婚約して結婚出来る様に余裕を見て計算したんだから。
招待状?そんなの後ろにいる貴方、書いてよ。字が綺麗なんだから働いてよ。
私はドレスを作るので忙しいのよ。ロンド様のはそのままでもいいけれど、私は好きなデザインにしたいもの。
場所?異母姉様に聞いてきてよ。パーティ用の食事?知らないわよ。ロンド様にお願いしてよ。主催?そんなのわからないわ。誰かがするでしょう。お父様に聞いて。もううるさーーーーーい。
私はお母様と結婚式の準備で忙しいのよ。わかるでしょう?綺麗に着飾らなければいけないの。
若いメイドが四人辞めていったって?私の美しさに悲観したのね。可哀想だけど、現実を見ないといけないわ。
そうしてあっという間に三か月が過ぎて王都で結婚式を挙げようとしたの。
私は王都の家で綺麗に着飾って待っているわ。
育った家からロンドの元へ旅立つのよ。素敵でしょう。
それなのに、それなのに……
一向に異母姉様は現れない。
こういうのを仕切るのが異母姉様の仕事でしょう?
屋敷の侍従も言っていたわ。異母姉様が知っているって。
周りは賑わい、華やかな声だけが聞こえてくる。
いつも小難しいことばかり言ってたんだから、出てきて何とかしなさいよ。
―※―※―※―
無茶振りされたメイドが辞める際、上手く伝達出来ておりません。
私は王都で育ったの。その頃にも礼儀作法の教師が教えに来たけど、嫌いだったから殆ど受けた事がないわ。
今も受けない、来ても遠慮なく追い返すわよ。お父様もお母様もそれでいいと言ってくれるわ。
だって私は立派な淑女ですもの。口うるさい女の回し者なんて必要ないわ。
王都に住んでいた時、大雨が続いた時があったの。
その後お父様とお母様はやっと結婚したのよね。邪魔をする人がいなくなったんですって。
王都の家に教会の人を呼んで誓いを立てたけど、凄く地味だったわ。
私は絶対華やかにするんだと幼いながらに思ったものよ。
私は侯爵令嬢になったんだから。
お母様と新しい家に行くと私より一つ上の女がいたわ。兎に角、口うるさかった。
お茶を飲むだけでも、注意するのよ。
はっ?って思ったわ。何故あんたに言われなきゃいけないの。
敬意を払え?じゃあ呼び方だけは異母姉様と呼んであげる。
同じ思いをしている人は屋敷の使用人にも沢山いた。細かい指摘をしないと気が済まないなんて嫌な女。
そして一番の被害にあっていたのが婚約者の王子ロンドリオ殿下だった。
可哀想、自由にさせてあげるべきなのよ。
ロンドリオ殿下とお父様はとても気があったわ。
私達もびっくりする程気があった。こういうのを運命の人って言うのかもしれない。
だから澄ました異母姉様から婚約者を取ってやりました。
異母姉様には勿体ないものね。
この地が欲しい、と言ったら渋っていたけど貰えたわ。
私がお父様に一番大切にされているんだから、私が貰うのが当たり前よね。
私がこの計画を思い付いたのは異母姉様が結婚式用のドレスを注文していた時だったわ。
ロンドリオ殿下と合わせた衣装はとても綺麗で豪華で淡い色合いで、二人の結婚が近い事がわかったの。
殿下にも確認してみたら結婚式に着ていくと言っていたもの。
やっぱり奪うなら結婚に近い時期よね。
何時も段取りやら、手順やらうるさいんだから、結婚準備も完璧にしていそうだもの。私がそのまま使ってあげる。
日にちもわかっているわ。建国の祝日でしょう。
この日な特別な日だもの。王子が結婚するならこの日しか有り得ないって、王太子が結婚する時聞いたんだから。
だから、婚約して結婚出来る様に余裕を見て計算したんだから。
招待状?そんなの後ろにいる貴方、書いてよ。字が綺麗なんだから働いてよ。
私はドレスを作るので忙しいのよ。ロンド様のはそのままでもいいけれど、私は好きなデザインにしたいもの。
場所?異母姉様に聞いてきてよ。パーティ用の食事?知らないわよ。ロンド様にお願いしてよ。主催?そんなのわからないわ。誰かがするでしょう。お父様に聞いて。もううるさーーーーーい。
私はお母様と結婚式の準備で忙しいのよ。わかるでしょう?綺麗に着飾らなければいけないの。
若いメイドが四人辞めていったって?私の美しさに悲観したのね。可哀想だけど、現実を見ないといけないわ。
そうしてあっという間に三か月が過ぎて王都で結婚式を挙げようとしたの。
私は王都の家で綺麗に着飾って待っているわ。
育った家からロンドの元へ旅立つのよ。素敵でしょう。
それなのに、それなのに……
一向に異母姉様は現れない。
こういうのを仕切るのが異母姉様の仕事でしょう?
屋敷の侍従も言っていたわ。異母姉様が知っているって。
周りは賑わい、華やかな声だけが聞こえてくる。
いつも小難しいことばかり言ってたんだから、出てきて何とかしなさいよ。
―※―※―※―
無茶振りされたメイドが辞める際、上手く伝達出来ておりません。
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