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26閑話 他者視点
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卒業パーティーでのひと時
―――オリバー視点
アンがあんな事になって、それから必死で卒業パーティーのパートナーを探したんだ。
まだ決まっていない冴えない子にも声をかけたんだけど断りやがる。
「お前なんか声掛ける奴いないだろ?俺で手を打っておけよ」
と言ったらすげー文句を言う奴とか張り倒す奴とかでてくるしさ。だから相手いないんだろうなぁ。
卒業パーティーは結局母親がパートナーだよ、最悪。
まぁカリンも大会なんて大袈裟なことをしても相手がいなくて、弟がパートナーだけどさ。
―――ポール視点
今日はカリン姉様の卒業パーティーでパートナーを務めているんだ。
幾ら婚約破棄後の申し込みが殺到しても決められなかったからって、僕を指名しなくてもいいじゃない。
それにすぐ学園入学するからって、顔繋ぎが必要って言っても、そんなに一度に紹介されても覚えられないよぉ。
誰かカリン姉様を止められる人いないかな。控えてるエンサーさんも何か言ってよ。
―――エンサー視点
卒業パーティーではカリン嬢は弟のポール坊ちゃんを連れ回している。どうぞ弟をよろしくお願いしますってね。
俺としてもカリン嬢の実家はしっかりして貰わないと困るからな。坊ちゃんが不安そうに俺を見ても華麗にスルーだ。
しかしどうしたものか。カリン嬢の婚約破棄後の縁談申し込みの束がやばい事になってる。
ただどれも決め手にかけるんだよな。どうしたものか。
これなら俺の方が良くないか?なんてモニカに言ったら呆れられた。いや、冗談だからな、今のところは……
―――モニカ視点
パーティーでカリンお嬢様が学園の在学生を中心に声を掛けておられます。ポール様しっかりして下さいませ。
ターナー家がしっかりして頂かないとカリンお嬢様に負担がかかってしまいます。
カリンお嬢様はこれからはご自分の領地経営に集中して励まれる予定なのです。
私はカリンお嬢様のお相手はどなたでも構いません。私達の領地にプラスになる方で、カリンお嬢様の邪魔をしない方ならそれでいいのです。貴族でも平民でも関係ありません。
商会の方はリコリス様のところと懇意にして頂いております。確かに伝手は多い方がいいですが、力が強い相手ですとカリンお嬢様が自由に動けなかったりしますから。
私はカリンお嬢様が選ばれた方なら全力で応援するつもりです。
但しエンサーは除かせていただきます。
―――リコリス視点
モニカからさりげなく新商品の話を聞きました。
私もお母様も楽しみにしていますのよ。
私は婚約者の辺境伯子息と一緒に卒業パーティーを楽しんでいるわ。
カリンを見ていた私に婚約者は話を振ってこられたの。そこでカリンの領地にある森について聞きました。
残念ながらカリンの領地とは道が繋がっていないのですって。森が邪魔をして馬車道はないそうよ。地図で見るとお隣なのに残念だわ。
ふふ、では結婚の際のお祝いに道を作って貰いましょう。お願いすれば叶えてもらえるわ、きっとね。
――後年、この道が隣国まで通じこの国の貿易に無くてはならなくなったのは余談である。
そういえば何時だったか、カリンに何故エンサーを補助に頼んだのか聞いた事があるの。なんて答えたと思う?カリンったらこんな事を言ったのよ。
「お爺様の様に大きな手が目に入ったのよね。それによく見れば瞳の色も同じだったの」って、聞いて笑ってしまったわ。どれだけお爺様の想い出に引きずられているのよ。
でもエンサーには教えてあげないの。だってその方がカリンと楽しい会話が出来そうだもの。
―――オリバー視点
アンがあんな事になって、それから必死で卒業パーティーのパートナーを探したんだ。
まだ決まっていない冴えない子にも声をかけたんだけど断りやがる。
「お前なんか声掛ける奴いないだろ?俺で手を打っておけよ」
と言ったらすげー文句を言う奴とか張り倒す奴とかでてくるしさ。だから相手いないんだろうなぁ。
卒業パーティーは結局母親がパートナーだよ、最悪。
まぁカリンも大会なんて大袈裟なことをしても相手がいなくて、弟がパートナーだけどさ。
―――ポール視点
今日はカリン姉様の卒業パーティーでパートナーを務めているんだ。
幾ら婚約破棄後の申し込みが殺到しても決められなかったからって、僕を指名しなくてもいいじゃない。
それにすぐ学園入学するからって、顔繋ぎが必要って言っても、そんなに一度に紹介されても覚えられないよぉ。
誰かカリン姉様を止められる人いないかな。控えてるエンサーさんも何か言ってよ。
―――エンサー視点
卒業パーティーではカリン嬢は弟のポール坊ちゃんを連れ回している。どうぞ弟をよろしくお願いしますってね。
俺としてもカリン嬢の実家はしっかりして貰わないと困るからな。坊ちゃんが不安そうに俺を見ても華麗にスルーだ。
しかしどうしたものか。カリン嬢の婚約破棄後の縁談申し込みの束がやばい事になってる。
ただどれも決め手にかけるんだよな。どうしたものか。
これなら俺の方が良くないか?なんてモニカに言ったら呆れられた。いや、冗談だからな、今のところは……
―――モニカ視点
パーティーでカリンお嬢様が学園の在学生を中心に声を掛けておられます。ポール様しっかりして下さいませ。
ターナー家がしっかりして頂かないとカリンお嬢様に負担がかかってしまいます。
カリンお嬢様はこれからはご自分の領地経営に集中して励まれる予定なのです。
私はカリンお嬢様のお相手はどなたでも構いません。私達の領地にプラスになる方で、カリンお嬢様の邪魔をしない方ならそれでいいのです。貴族でも平民でも関係ありません。
商会の方はリコリス様のところと懇意にして頂いております。確かに伝手は多い方がいいですが、力が強い相手ですとカリンお嬢様が自由に動けなかったりしますから。
私はカリンお嬢様が選ばれた方なら全力で応援するつもりです。
但しエンサーは除かせていただきます。
―――リコリス視点
モニカからさりげなく新商品の話を聞きました。
私もお母様も楽しみにしていますのよ。
私は婚約者の辺境伯子息と一緒に卒業パーティーを楽しんでいるわ。
カリンを見ていた私に婚約者は話を振ってこられたの。そこでカリンの領地にある森について聞きました。
残念ながらカリンの領地とは道が繋がっていないのですって。森が邪魔をして馬車道はないそうよ。地図で見るとお隣なのに残念だわ。
ふふ、では結婚の際のお祝いに道を作って貰いましょう。お願いすれば叶えてもらえるわ、きっとね。
――後年、この道が隣国まで通じこの国の貿易に無くてはならなくなったのは余談である。
そういえば何時だったか、カリンに何故エンサーを補助に頼んだのか聞いた事があるの。なんて答えたと思う?カリンったらこんな事を言ったのよ。
「お爺様の様に大きな手が目に入ったのよね。それによく見れば瞳の色も同じだったの」って、聞いて笑ってしまったわ。どれだけお爺様の想い出に引きずられているのよ。
でもエンサーには教えてあげないの。だってその方がカリンと楽しい会話が出来そうだもの。
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