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領地が見えてきました。
大きな大きな木が二本そびえ立っています。
「ほれ、あの大きな二本の木が見えるか。あれが見えると我が領地はもうすぐだ」
「素敵なところなのよ」
領地に入る前の最後の休憩でお父様とお母様は言いました。
「あぁ、やっと帰ってこられたのね」
お姉様は瞳に大きな涙を溜めています。
女の子は「またお姉様が泣いちゃう」と大急ぎでぎゅうっと抱きつきました。
お姉様の両方の瞳から一粒ずつ大きな涙が落ちました。
するとどうでしょう。
いつもは柔らかな膜が掛かるだけなのが、光輝いています。
それも見えているのが女の子だけではありません。
その場にいる全員に見えたのです。
大きな涙の珠がころころと大地に転がります。
「これは凄い」
一粒を拾い上げてお父様が感激しています。
「まぁ」
もう一粒を拾い上げたお母様が感動のあまりため息混じりに言いました。
「ふふ涙はね、嬉しくても流れるのよ」
お姉様は女の子を安心させるように微笑みながら言いました。
領地に入ると妖精たちが一斉にお姉様に話しかけています
『おかえり』
『まってたよ』
『おかえり』
『『『おかえりなさーい』』』
女の子はお姉様に伝えるとお姉様はまたぽろりと一粒涙をこぼしました。
大きな大きな木が二本そびえ立っています。
「ほれ、あの大きな二本の木が見えるか。あれが見えると我が領地はもうすぐだ」
「素敵なところなのよ」
領地に入る前の最後の休憩でお父様とお母様は言いました。
「あぁ、やっと帰ってこられたのね」
お姉様は瞳に大きな涙を溜めています。
女の子は「またお姉様が泣いちゃう」と大急ぎでぎゅうっと抱きつきました。
お姉様の両方の瞳から一粒ずつ大きな涙が落ちました。
するとどうでしょう。
いつもは柔らかな膜が掛かるだけなのが、光輝いています。
それも見えているのが女の子だけではありません。
その場にいる全員に見えたのです。
大きな涙の珠がころころと大地に転がります。
「これは凄い」
一粒を拾い上げてお父様が感激しています。
「まぁ」
もう一粒を拾い上げたお母様が感動のあまりため息混じりに言いました。
「ふふ涙はね、嬉しくても流れるのよ」
お姉様は女の子を安心させるように微笑みながら言いました。
領地に入ると妖精たちが一斉にお姉様に話しかけています
『おかえり』
『まってたよ』
『おかえり』
『『『おかえりなさーい』』』
女の子はお姉様に伝えるとお姉様はまたぽろりと一粒涙をこぼしました。
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