【完結】真実の愛はおいしいですか?

ゆうぎり

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湖はとても大きく光を受けかがやいています。

お父様やお母様、お姉様は「すてきね」と感激しています。

そんな家族を女の子は不思議そうに見ていました。


大きなお屋敷が見えてきました。

女の子にとっては初めての他のお屋敷への訪問です。
女の子はお姉様のドレスを握りしめうつむいてしまいました。

「どうしたんだい?」
「緊張したのかしら?」

お父様とお母様が女の子にたずねました。

「何かあるの?」

お姉様も不安そうにたずねました。

「……あのね」

女の子は言いました。お城ほどではないが、ここも妖精たちがとても少ないこと、先ほどの川の方がきれいだったことを。


お父様が出迎えてくれたこの地の領主に挨拶もそこそこにこのことを伝え、お姉様はお友達に伝えました。

そして女の子は大急ぎでお友達の弟のところへ連れて行かれました。


部屋の中はまるで汚れてしまった様にべったりと妖精たちが所構ところかまわず貼りついています。

お友達の弟はベッドに横たわっていました。たまに目を覚ますそうですが、もう起きる力もないそうです。

女の子にはお友達の弟の体が黒く変色した妖精たちでおおわれ、染みついているように見えました。

それだけではありません。何かが体から湧き上がっているように見えたのです。

その何かに誘われるように妖精たちがふらふらと吸い寄せられ、お友達の弟に触れた妖精たちが変化していきました。


『たすけてたすけて』
『さからえないの』
『あまくまどわすの』
『『『くるしいくるしいの』』』


あまりのことに女の子は立ちつくしてしまいました。


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