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「少しでも早く都を出よう」

お父様とお母様が相談して明日の予定のお引越しは今日になりました。お屋敷は大わらわです。

女の子はお屋敷やお庭の妖精たちにお別れを言うこともできず、馬車に乗せられてしまいました。

とても残念だと思いましたが、皆が忙しそうにしている中で邪魔をしてもいけません。

馬車の中には妖精たちが一緒に入って来ていました。

「お引越し今日になっちゃった。あなたたちもいっしょにくる?」

それは女の子がふともらした言葉でした。

女の子にとって妖精たちがそばにいることは普通のことです。
お城へ行く途中のようにまた違う妖精たちに会える予感がします。
そしてお城が特別なことも知っています。お父様やお姉様に今までいろいろなお話を聞いてきたのですから。

ただ今まで一緒だった「お屋敷が大好きな」妖精たちも一緒ならもっと楽しいのに、と思っただけでした。

女の子の周りの妖精たちがいなくなってしまいました。

女の子は少し残念に思いましたが仕方がないことです。

次に出会う妖精たちはどんな妖精たちだろう。どんな遊びをしようかと思いをせていました。



『いっしょ』
『いく』
『冒険だね』
『『『わくわくの味がするね』』』


気がつくと馬車にいた妖精たちが仲間を連れて戻ってきていました。

そして荷物を載せた何台にも連なる馬車にはびっしりと妖精たちが詰まっていました。



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