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お父様とお母様、お姉様がお城から帰ってきました。

「ひっ」

女の子は思わず息をつめ怯えてしまいました。

お父様はすごく怒っています。
お姉様はぼろぼろと泣いています。
お母様はそんなお姉様に寄り添っています。

女の子はそんな家族の様子は気になりましたがそれよりも家族のお洋服が大変なことになっていたのです。


今まで女の子には妖精たちの色の違いが分かりませんでした。

全部白い感じの妖精たちだと思っていました。
たまにお庭などではお空の色や草木や花々の色をほんのりうつしたように感じる妖精たちもいましたが、特に意識をしていませんでした。

それがどうでしょう。

お父様、お母様、お姉様のお洋服が赤黒く変色し変形した妖精たちで染まっていました。
特にお父様の服は王様に会う特別の服で真っ白だったはずなのに、白いところが見当たりません。


怯えている女の子の側をふらふらと弱々しく妖精たちが通り過ぎました。

それはこれまでお父様のお洋服に付いてきていて、残ることができた妖精たちでした。


『……なかまだ……』
『……いかないと……』
『…………』
『『『……ありがとう……』』』



妖精たちが消えていったところだけは赤黒く変色した妖精たちもいなくなっていました。



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