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お姉様の涙はぽろぽろ零れて止まりません。それでもお姉様は少しずつお話をしてくれました。
女の子には難しいところはわからないけれど、どうやら女の子が原因だということだけはわかりました。女の子も一緒に泣きそうです。
「私は妖精たちが見れなくなってしまったでしょう。だからこの子を使って気を引きたかっただけだろうって、嘘がばれたからこの子を連れて帰ったんだろうって」
そんなことないのにね、と言いながらお姉様は女の子をやさしく引き寄せ抱きしめてくれました。
「王族の婚約者になる際の条件が妖精たちが見えることだからな」
「お断りしたけれど、当時妖精たちが見える者がいなかったのよね」
お父様とお母様が言いました。
「今ね、お城では妖精たちが見える方がいるの。私と同じ歳なのに妖精が見えるのよ。王子はその方に夢中なの。
私はお仕えする為にがんばって来たけれど今日『婚約破棄』されてしまったの。不甲斐ない娘でごめんなさい」
「そんなことを気にしていたのか、領地に帰れば済むだけの話だ」
「そうよ、丁度いい機会だわ。貴女ががんばっていたことは私達が知っていますよ」
お父様とお母様はお姉様と女の子を抱きしめました。
お姉様のぽろぽろ零れて落ちる涙は止まりません。しかしお姉様の表情は少しずつ変わっていきました。
『いっぱいだね』
『あたたかい味がするね』
『すーすーするね』
『『『あふれてしまうよね』』』
あれだけたくさんいた妖精たちは膨れ上がり、それでもお姉様に寄りそっていました。
女の子には難しいところはわからないけれど、どうやら女の子が原因だということだけはわかりました。女の子も一緒に泣きそうです。
「私は妖精たちが見れなくなってしまったでしょう。だからこの子を使って気を引きたかっただけだろうって、嘘がばれたからこの子を連れて帰ったんだろうって」
そんなことないのにね、と言いながらお姉様は女の子をやさしく引き寄せ抱きしめてくれました。
「王族の婚約者になる際の条件が妖精たちが見えることだからな」
「お断りしたけれど、当時妖精たちが見える者がいなかったのよね」
お父様とお母様が言いました。
「今ね、お城では妖精たちが見える方がいるの。私と同じ歳なのに妖精が見えるのよ。王子はその方に夢中なの。
私はお仕えする為にがんばって来たけれど今日『婚約破棄』されてしまったの。不甲斐ない娘でごめんなさい」
「そんなことを気にしていたのか、領地に帰れば済むだけの話だ」
「そうよ、丁度いい機会だわ。貴女ががんばっていたことは私達が知っていますよ」
お父様とお母様はお姉様と女の子を抱きしめました。
お姉様のぽろぽろ零れて落ちる涙は止まりません。しかしお姉様の表情は少しずつ変わっていきました。
『いっぱいだね』
『あたたかい味がするね』
『すーすーするね』
『『『あふれてしまうよね』』』
あれだけたくさんいた妖精たちは膨れ上がり、それでもお姉様に寄りそっていました。
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