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ある時、お屋敷に領地から手紙が送られて来ました。
お父様はその手紙を読みため息をつきました。

「今年もどうやら作物の育ちが良くないらしい。一度見に帰って欲しいと願われた」
「年々悪くなる一方ですもの。何とか領地に戻れれば良いのですが、陛下がお許し下さいませんもの」

お母様も困っています。
女の子はお屋敷から出た事がないので、領地と言われてもわかりません。

「ごめんなさい、私のせいですね」

お姉様が謝りました。
お姉様が王子様の婚約者として、家族で都に来た際にお父様とお母様がお城のお手伝いをしました。とても優秀だったので王様が手放してくれなくなったそうです。

色々家族で話し合いますが、女の子にはみんなのお話は難しくて理解出来ません。

でも、その手紙にくっついていた妖精たちはとてもとても小さくて弱々しかったので気になりました。

女の子が手招きすると弱々しい妖精たちは小さな女の子の手のひらに収まり、コロコロと転げまわり、追いかけ合いが始まりました。

『ころころだね』
『やさしいね』
『あたたかいね』
『『『元気な味がするね』』』


家族の話し合いが終わる頃には弱々しかった妖精たちも少し大きくなって、お屋敷を飛び回れるようになっていました。



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