【完結】華麗に婚約破棄されましょう。～卒業式典の出来事が小さな国の価値観を変えました～

11 男爵令嬢の役員一年目の卒業式典

今日も朝から忙しい。
ここ数日準備に追われた生徒会役員達が慌ただしく駆け回っている。

私に有無を言わさず役員にした副会長も卒業する。

「一番警戒しなければならない卒業式典が一番役員の数が少ないのですもの。気を引き締めなければなりませんわよ」

辺境伯令嬢が激を飛ばす。
この人、上級生がいるのに生徒会長になっているのよね。

「わかっています」
「婚約破棄を実行するのは一組」
「婚約破棄の可能性があるのは二組あります」

「婚約破棄が行われた際に、周りに迷惑をかけないよう統制します、場所と時間はわかりますか？」
「卒業生紹介が終わり、パーティが始まる合間です」

「普通のパターンですね。捻りはありませんか」
「上位貴族の従者が花びらを振りまく予定だとか」
「……それは危ないですね。ドレスに慣れていない方もいます。転倒しては大変です。従者は阻止しましょう」

一体どこから情報を仕入れてくるのかと呆れながら見ていた。
私？私は指示待ちですよ、勿論。

「男爵令嬢、従者は控え室にいます。花びらの荷物を没収するか、従者の参加を阻止して下さい」

あっ役目来たー。
私は騎士科の協力者を連れ、言われた通り控え室へ向かった。

従者の特徴は聞いており、見つけるのは簡単だった。
従者を生徒会役員として呼び、荷物確認をする。

おかしい、荷物に入っていない。
従者に注視していると目が一瞬誰かに留まった。
共犯者がいるのか、とそいつも尋問……いや質問して荷物確認後花びら没収っと。

二人連行……いや違う、丁寧に控え室から連れ出した。