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5 生徒会役員に選ばれてしまった男爵令嬢

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男爵令嬢な私は、有名な学園卒業式典での婚約破棄を見た。
これは私達の世代では極めて少数。
そして最後の年代。
当時私達の下は公の場のパーティには出られなかった。

そして生徒会では、いつしかあの婚約破棄を見た者が役員に選ばれる様になった。
ほぼ強制の伝統らしい。
理由が『婚約破棄騒動』に慣れているから、だそうだ。

いや待て、まだ遭遇一回だよ、慣れてなどいないよ。
今までお茶会で散々尋ねられ言わされてきて、辟易していたところに最後はこれか?!

確かに印象に残った、残ったけどあれと生徒会役員になるのは別物だと思う。
大体生徒会役員は上位貴族がなるものだろう。
私は男爵令嬢、下位貴族だ。

私はそう言ったのだが「諦めろ」と一言で終わった。
酷いと思う。
ずりずりと副会長に教室から引きずられ、連行された私は生徒会室に連れ込まれた。

どんと目の前のテーブルを前にして生徒会長が座っていた。
入口の所には椅子が二つ並んで既に女性が座っていた。

「あら素敵。貴方も当時いらっしゃったのね」

にこにこと綺麗に笑う女性は、同級生で上位貴族の辺境伯令嬢との事。

「これからよろしくね。長い付き合いになりそうだわ」

あまりにも綺麗に微笑む顔に、思わず返事をしたのが敗因か。
生徒会長がニヤニヤと笑った。

そして私の大変な学園生活が始まった。


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