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プロローグ
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「ねぇねぇ、おとうたま~、つにゃいってすごいのぉ~?」
「つにゃい?……あぁ番か。番が凄いかって?どうして聞くんだい?」
「あのね、マーサがね、つにゃい、まってるの。あうのすごいのよって」
「ははは、そうだね。女の子は皆、番が自分を見つけてくれる事を待っているんだよ」
「そうなの?なんで?」
「男の子が探し回っているのに、女の子まで探し回っていたら、すれ違うだろう」
「?」
「好きな人が欲しいなって思う頃に、獣人は番だけにわかる匂いを出すんだよ。その匂いを目指して相手が探すんだよ」
「におい……くんくん……ニーシャ葉っぱのにおいする」
「ニーシャはまだまだ先だよ。もっともっと先」
「あら、あなた。そんな事いってもすぐですわよ」
「いや、ずっと先だ。いつまでもここにいていいんだよ、ニーシャ」
「うん!おとうたま。葉っぱのにおい、ニーシャ好きな人まつ」
「ははは、お父さまはどうだい?」
「ニーシャ、おとうたま大好き」
「あら、わたしは?ニーシャ」
「おかあたま、大好き」
「ニーシャ、ニーシャ、じーちゃんは?」
「ジージも大好き、バーバも大好き。マーサもみんなもみんなみんな大好きなのー」
幼い頃の夢を見ました。
番の事など何も知らずに、無邪気だった頃の夢です。
私は16歳になり、獣王国の王太子に嫁ぎます。
運命の番を待つ事も許されず、探される事すら難しくなっています。
お相手の王太子は現在28歳。
獣王の一人息子である彼は、1年前に番を諦めたそうです。
「つにゃい?……あぁ番か。番が凄いかって?どうして聞くんだい?」
「あのね、マーサがね、つにゃい、まってるの。あうのすごいのよって」
「ははは、そうだね。女の子は皆、番が自分を見つけてくれる事を待っているんだよ」
「そうなの?なんで?」
「男の子が探し回っているのに、女の子まで探し回っていたら、すれ違うだろう」
「?」
「好きな人が欲しいなって思う頃に、獣人は番だけにわかる匂いを出すんだよ。その匂いを目指して相手が探すんだよ」
「におい……くんくん……ニーシャ葉っぱのにおいする」
「ニーシャはまだまだ先だよ。もっともっと先」
「あら、あなた。そんな事いってもすぐですわよ」
「いや、ずっと先だ。いつまでもここにいていいんだよ、ニーシャ」
「うん!おとうたま。葉っぱのにおい、ニーシャ好きな人まつ」
「ははは、お父さまはどうだい?」
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「あら、わたしは?ニーシャ」
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