2 / 3
巡り会い
人生そんなに甘くない。
しおりを挟む
「え?いやだよ」
え?、と唖然とするかぐや。
「それじゃあ。俺帰るから」
じゃあ、とかぐやに背を向けて帰ろうとする俺の袖を掴むかぐや。
「まてまて、え?冗談だよね?全裸の美少女をこのまま置いて帰るなんて、そんなことしないよね?」
俺が本気で帰ろうとしているのを悟ったのか、焦りながら俺の袖をまた強く引っ張る。
「いや、お前なあ、なんでもその通りに行くと思うなよ?人生そんなに甘くないないんだよ。あと、そのあたかも助けられて当然みたいな態度が腹立つ」
じゃっ、と再び帰ろうとする。
「ごめん、ごめんなさい!だから置いてかないで!わかったなんでも手伝うから!」
涙目で俺を引き止めるかぐや。
はぁ、と仕方なく連れて帰ることにした。
「しかしなあ、お前その格好じゃあ俺が爺さんと婆さんにどんな顔されるかわからん」
全裸のかぐやを指差し言うと、ああ、それなら、と竹の時と同じような光がかぐやを包んだ。
かぐやの体を覆う光が徐々に収まり気づくと美しい着物になっていた。
「おまえほんと何者だよ...」
☆☆☆☆☆
山を降りる途中かぐやから色々聞いた。
どうやらかぐやは月の都の人間らしい。
何かの罪を犯し、この世界に落とされたのは自覚しているのだが、その肝心な罪を思い出すことができないという。
簡単に言うとかぐやは天女だ。
そして一番驚いたのは、天女はおろか天人はこの下界と卑下されているこの世界に他にもおり、多くは記憶がないらしいのだが、かぐやのように何らかの理由で記憶が残っているものがいると言うことだ。
「それで、そいつらとは会わないのか?」
ううん、と首を横に振りかぐやは言った。
「見た目は私たちと変わらないからそもそも誰が天人かわからないの。それに...」
うつむきながら最後になにか言いかけたかぐやだったが、すぐに笑顔でごまかした。
「何でもないの!会わないし、会いたくもない!それにツキと約束したもの、養ってくれるって」
おい、そんなこと言った覚えはない。
そんなことを言おうとしたが、かぐやがうつむき、何か言いかけたことを思い出した俺は、言葉を飲み込んだ。
え?、と唖然とするかぐや。
「それじゃあ。俺帰るから」
じゃあ、とかぐやに背を向けて帰ろうとする俺の袖を掴むかぐや。
「まてまて、え?冗談だよね?全裸の美少女をこのまま置いて帰るなんて、そんなことしないよね?」
俺が本気で帰ろうとしているのを悟ったのか、焦りながら俺の袖をまた強く引っ張る。
「いや、お前なあ、なんでもその通りに行くと思うなよ?人生そんなに甘くないないんだよ。あと、そのあたかも助けられて当然みたいな態度が腹立つ」
じゃっ、と再び帰ろうとする。
「ごめん、ごめんなさい!だから置いてかないで!わかったなんでも手伝うから!」
涙目で俺を引き止めるかぐや。
はぁ、と仕方なく連れて帰ることにした。
「しかしなあ、お前その格好じゃあ俺が爺さんと婆さんにどんな顔されるかわからん」
全裸のかぐやを指差し言うと、ああ、それなら、と竹の時と同じような光がかぐやを包んだ。
かぐやの体を覆う光が徐々に収まり気づくと美しい着物になっていた。
「おまえほんと何者だよ...」
☆☆☆☆☆
山を降りる途中かぐやから色々聞いた。
どうやらかぐやは月の都の人間らしい。
何かの罪を犯し、この世界に落とされたのは自覚しているのだが、その肝心な罪を思い出すことができないという。
簡単に言うとかぐやは天女だ。
そして一番驚いたのは、天女はおろか天人はこの下界と卑下されているこの世界に他にもおり、多くは記憶がないらしいのだが、かぐやのように何らかの理由で記憶が残っているものがいると言うことだ。
「それで、そいつらとは会わないのか?」
ううん、と首を横に振りかぐやは言った。
「見た目は私たちと変わらないからそもそも誰が天人かわからないの。それに...」
うつむきながら最後になにか言いかけたかぐやだったが、すぐに笑顔でごまかした。
「何でもないの!会わないし、会いたくもない!それにツキと約束したもの、養ってくれるって」
おい、そんなこと言った覚えはない。
そんなことを言おうとしたが、かぐやがうつむき、何か言いかけたことを思い出した俺は、言葉を飲み込んだ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
トリップ先は少し変わった戦国時代…!?
つばき
ファンタジー
高校生活という名の青春を謳歌していた、日本史(主に戦国時代)が好きな主人公は、ある日突然戦国時代へとトリップしてしまう。
だが、その世界は魔法が使える世界。
主人公は困惑しながらもその世界を楽しみ生きていく物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる