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第三章

早速の攻撃ですわ

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神官様とルカさんは1番大きなテーブルに座りました。そのテーブルにはユーリン様や神官様見習いの方々など教会関係者も座りましたわ。

座っているルカさんを聖女様達が見惚れています。確かにルカさんはカッコ良いのに優しい雰囲気も持っているのでモテモテですわね。

神官様が何やら呪文を唱え始めました。私が「?」と思っているとエミリー聖女が耳元で説明してくれましたわ。

「これは食事に毒や異物が混入されていないかを確認しているのです」

なるほどですわ。皆様で食べる時は神官様が調べるのですね。でもこんな厳重な聖騎士達の監視、教会の周りには結界が張られていたり勿論毒味係もいるのに混入なんて......。

「きゃー!」

「いやぁー!」

突然に聖女様達から叫び声が聞こえてきましたわ。何事かと周りを見るとランダムに聖女様達の朝食から紫色の煙が上がっていますわ!
私のテーブルでは大丈夫ですけれど。

聖女様達から叫び声が聞こえ始めた時、何処からなのか銀色の光の矢が食堂内に降ってしました!
攻撃⁉︎真上から横からバンバン矢が飛んできます!
私はお2人の聖女様を引き寄せシールドを張りました。

聖騎士達もシールドを張りながら聖女様達を非難させています。お父様は勿論神官様とルカさん達を。私の所へはアレイ様が走って来てくれました、が、何故かお兄様も走ってきましたわ。お兄様が来てしまったので自動的にお付きのミカエル様も来てしまいました。

「お、お兄様の担当の聖女様は?その方をお一人にしてはいけませんわ!」

「そうですよ!アイラ聖女様はアレイが守りますのでルネ様は早くベルナデット聖女様の所へ行って下さい!」

ミカエル様がお兄様に向かって叫びました。

「馬鹿を言うな!アイラを守らなくてどうするのだ!」

私を強く引き寄せながらお兄様が叫びました。

「お兄様!早く担当の聖女様を!どのお方がベルナデット聖女様ですの⁉︎」

私はお兄様にガッシリ抱き締められながらミカエル様に問いかけました。

「あちらに!テーブルの下に隠れている金色の髪の方です!」

私は素早く周りを見渡してベルナデット聖女様を探しました。
見つけましたわ!テーブルの下で体を丸くしお一人でシールドを張り頑張っています!

エミリー聖女様とサフィー聖女様の担当聖騎士が来たのでお2人をお任せして私はお兄様を軽く突き飛ばしてベルナデット聖女様の方に走り出しました。お兄様が私の側から離れないので私がベルナデット聖女様の所に行けば自動的にお兄様も来る事になるでしょう?っとミカエル様に目配せしました。

ミカエル様が分かってくれた様で頷きました。アレイ様も私と一緒に走ります。アレイ様、ホントごめんなさい!お兄様が邪魔で仕方ないですよね......。

「ベルナデット聖女様!怪我は無いですか?」

私は素早くテーブルの下からベルナデット聖女様を引っ張り出してギュッと抱きしめました。怖かったのかベルナデット聖女様は声を上げて泣き出しました。

そうですわよね!頼りにしている聖騎士様が全然来てくれないのですもの!聖女様の中にはシールドを張れない方もいると思いますわ!幸いベルナデット聖女様は張れましたが後からお兄様には説教です!

「お兄様!早くベルナデット聖女様を安全な場所へ連れて行って下さいませ!」

私は殆ど人が居なくなった食堂を見渡してベルナデット聖女様をお兄様の方へ誘導しました。でも号泣しながらも彼女は私の手を握って離しません。
いけませんわ。このままではベルナデット聖女様を巻き込んでしまいます!この矢の狙いは私です。その証拠に今まで四方八方に飛んでいた矢が私に集中し始めていますもの。

お兄様が全然動こうとしないので私がキレました。

「ゴラぁぁぁ!いい加減にしろ!ここで犠牲者が出たらお前の所為だぞ!聖女様を安全な場所へ連れて行け!この阿保がぁぁぁ!!」

ベルナデット聖女様の手を優しく私から離しお兄様の手に繋がせました。

「ベルナデット聖女様、大丈夫ですわ。この阿保聖騎士、変態ですけれど腕は確かですので」

そう微笑んでお兄様の背中を足で蹴り走れ!と私は叫びました。

「さ、さ、最高だ!アイラ!アイラの罵倒に蹴り!神に感謝します!」

顔を真っ赤にしながらお兄様はベルナデット聖女様を連れて走り出しました。
良かった......。これで全員非難しましたわね?

はっと気がつくとミカエル様がその場に残っていますわ。もちろんアレイ様も。

「私はこの矢を止めます!お2人も食堂から出て下さいませ!」

「これはあの男の仕業ですね?」

ミカエル様が私に訊ねてきましたわ。

「あの男?」

アレイ様の眉間にシワが寄りましたわ。

王室にもキメラ事件の報告が上がっているのであの男の存在もエリアス王太子付きの聖騎士だったであろうアレイ様なら知っている可能性がありますね。

「はい。多分ですけれど......」

「多分じゃないぞ~?お前が聖女になった祝いだ。銀の矢はお気に召したか?」

この声はアイツですわ。


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