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第三章
教会入りですわ
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そして私は教会に入りました。初日は聖騎士団長のお父様とお兄様とミカエル様の3人が護衛も兼ねて付き添ってくれましたわ。ルカさんが教会に入る時もこの3人で付き添ってくれましたの。
お屋敷を出る時、お母様も泣いていましたがマリルも号泣でした。
マリルは私が3歳の時からずっと一緒でしたものね。あ、2年間は離れていましたけれど。あの2年を差し引いても8年ですわ。
「お嬢様がお帰りになるのをお待ちしております」
そう言いながら号泣です。
「マリル?私が居ない7年の間に良い人がいれば結婚などしてもよろしいのですよ?」
「わ、わ、私はお嬢様以外の人間には興味がありませんので!」
今まで号泣していたマリルは私のその言葉にピタッと涙が止まり強い口調で言いました。
あ、そうなのですか?有り難いようななんとも言えないような複雑な心境ですわ。そんな事もありましたが私は今、教会の扉の前に立っていますわ。
中に入ると神官様が満面の笑みで出迎えてくれました。隣にはルカさんもいますわ。ルカさんは私に目配せして『何もないよ』と教えてくれました。
良かったですわ。
「ようこそ!教会へ。アイラ聖女は大聖女様候補だけど暫くは聖女達と同じ生活をしてもらうね?ここから先はこちらの聖女指導のユーリン殿に引き継ぐ。聖騎士達もアイラ聖女が部屋に戻るまでは接触しないように」
そう神官様が言ってユーリン様を見ました。するとユーリン様が頷いて私の前に歩いてきましたわ。
「初めましてアイラ聖女。これからアイラ聖女の指導者となりますユーリンと申します。よろしくお願いします」
深々と頭を下げたその人はとても綺麗で同じ人間なのかと疑うほどでしたわ。
お肌もツルツルでシミ一つ無いですもの。髪の毛も絹の様に綺麗な銀髪ですわ。女性として憧れてしまいます。
「よろしくお願いします」
私は少し見惚れてしまってご挨拶が遅れてしまいました。
私はお父様達と離れてユーリン様とあるお部屋に向かいました。
そうです。教会に入って最初にする身体検査ですわ。
そのお部屋には1人の女性医師が居ました。どうやら医務室のようです。
「初めまして。私はこの教会の医師でキャシーといいます。早速ですがこちらに着替えていただきます。今着ている物を全て脱いで下さい。下着もです」
無表情な医師は私に薄い生地の寝間着の様なワンピースを差し出しました。
大聖女様のアザがどこにあるか分かりませんものね。私はささっと脱いでワンピースを着ましたわ。
それを見て医師は驚いていました。
何故ですの?言われた通りにしただけですのに。
「あ、いえ。失礼致しました。大抵の方は全て脱ぐのを嫌がりますので......」
あ、そういう事ですか。私は脱ぎっぷりが良かったわけですわね。逆にすいませんですわ。
そして身体検査が始まりました。
医師が聖力で色々と検査をしていきます。病気になっていないか、感染症にかかっていないか、虐待はされていないか、そんな事まで調べられましたわ。そして最後にアザですわ。
私のアザは右太ももの内側にあります。
「本当にあった......。私が生きているうちに見られるなんて......」
そう呟いた医師は今まで無表情でしたのに不気味な笑いを浮かべていましたわ。
その表情のキャシー医師にちょっと引いてしまいました。気持ちが悪いです。
ユーリン様もそのアザを確認してから私は下着を付けて聖女服を着ました。
これから7年間はこの聖女服なのですわ。
クリーム色のくるぶしまであるワンピースはゆとりあるデザインです。
襟辺りから胸にかけて楕円形を横にした白いレースがあしらわれています。そのレースと同じ物で作られたベールを頭から被ります。お顔は隠していません。頭の丁度真ん中辺りから被る感じになっています。長さは背中半分ぐらいまであるレースベールですわ。
髪型は自由ですの。私は腰まで長さがあるので後ろでお団子にくるくるとしてまとめ髪をしましたわ。うん。スッキリです。
ユーリン様と医務室を出て違うお部屋で少しお話をする事になりました。
私とユーリン様はテーブルを挟んで向かい合いソファーに座りました。
「先程から呼ばせていただいていますが今日からはアイラ聖女と呼ばせていただきます。少し余談なのですが実は私、アイラ聖女のお母様の同期なの。リリーはお元気かしら?」
綺麗なお顔で微笑まれるとドキドキしますわね。しかもお母様と同期⁉︎そのような年齢には絶対に見えませんわ!
「そうでしたのですね!はい。お母様は元気ですわ」
「そう。良かった。リリーの結婚式に参列して以来会っていないの。アイラ聖女はお顔もリリー似で美人な上に体も綺麗ね。流石、大聖女様候補です」
あ、そんな。こんなに綺麗な人に言われたら本当かしら?って思ってしまいますわ。
「そんな、お恥ずかしいです」
「本当に大聖女様にしかないと言われているアザがありましたね。感動しました。アイラ聖女は大聖女様候補でもありますが最初の2年間は今年入った聖女様2名の子と一緒に基本を勉強していただきます。そして15歳になったら大聖女様としての教育に入ります。よろしいですね?」
「はい。分かりました。今年は2名もいらっしゃったのですね。聖女様が」
「ええ。ここ数年1人もいなかったのですが嬉しい事ですわ。それに先日、20歳になった聖女様が3人教会を出て行きましたのであと在籍しているのが16歳組が2人と18歳組が3人そして10歳組2人です」
そうなんですね。私を入れて7人ですか。聖女様達にお会いするのが楽しみですわ。
お屋敷を出る時、お母様も泣いていましたがマリルも号泣でした。
マリルは私が3歳の時からずっと一緒でしたものね。あ、2年間は離れていましたけれど。あの2年を差し引いても8年ですわ。
「お嬢様がお帰りになるのをお待ちしております」
そう言いながら号泣です。
「マリル?私が居ない7年の間に良い人がいれば結婚などしてもよろしいのですよ?」
「わ、わ、私はお嬢様以外の人間には興味がありませんので!」
今まで号泣していたマリルは私のその言葉にピタッと涙が止まり強い口調で言いました。
あ、そうなのですか?有り難いようななんとも言えないような複雑な心境ですわ。そんな事もありましたが私は今、教会の扉の前に立っていますわ。
中に入ると神官様が満面の笑みで出迎えてくれました。隣にはルカさんもいますわ。ルカさんは私に目配せして『何もないよ』と教えてくれました。
良かったですわ。
「ようこそ!教会へ。アイラ聖女は大聖女様候補だけど暫くは聖女達と同じ生活をしてもらうね?ここから先はこちらの聖女指導のユーリン殿に引き継ぐ。聖騎士達もアイラ聖女が部屋に戻るまでは接触しないように」
そう神官様が言ってユーリン様を見ました。するとユーリン様が頷いて私の前に歩いてきましたわ。
「初めましてアイラ聖女。これからアイラ聖女の指導者となりますユーリンと申します。よろしくお願いします」
深々と頭を下げたその人はとても綺麗で同じ人間なのかと疑うほどでしたわ。
お肌もツルツルでシミ一つ無いですもの。髪の毛も絹の様に綺麗な銀髪ですわ。女性として憧れてしまいます。
「よろしくお願いします」
私は少し見惚れてしまってご挨拶が遅れてしまいました。
私はお父様達と離れてユーリン様とあるお部屋に向かいました。
そうです。教会に入って最初にする身体検査ですわ。
そのお部屋には1人の女性医師が居ました。どうやら医務室のようです。
「初めまして。私はこの教会の医師でキャシーといいます。早速ですがこちらに着替えていただきます。今着ている物を全て脱いで下さい。下着もです」
無表情な医師は私に薄い生地の寝間着の様なワンピースを差し出しました。
大聖女様のアザがどこにあるか分かりませんものね。私はささっと脱いでワンピースを着ましたわ。
それを見て医師は驚いていました。
何故ですの?言われた通りにしただけですのに。
「あ、いえ。失礼致しました。大抵の方は全て脱ぐのを嫌がりますので......」
あ、そういう事ですか。私は脱ぎっぷりが良かったわけですわね。逆にすいませんですわ。
そして身体検査が始まりました。
医師が聖力で色々と検査をしていきます。病気になっていないか、感染症にかかっていないか、虐待はされていないか、そんな事まで調べられましたわ。そして最後にアザですわ。
私のアザは右太ももの内側にあります。
「本当にあった......。私が生きているうちに見られるなんて......」
そう呟いた医師は今まで無表情でしたのに不気味な笑いを浮かべていましたわ。
その表情のキャシー医師にちょっと引いてしまいました。気持ちが悪いです。
ユーリン様もそのアザを確認してから私は下着を付けて聖女服を着ました。
これから7年間はこの聖女服なのですわ。
クリーム色のくるぶしまであるワンピースはゆとりあるデザインです。
襟辺りから胸にかけて楕円形を横にした白いレースがあしらわれています。そのレースと同じ物で作られたベールを頭から被ります。お顔は隠していません。頭の丁度真ん中辺りから被る感じになっています。長さは背中半分ぐらいまであるレースベールですわ。
髪型は自由ですの。私は腰まで長さがあるので後ろでお団子にくるくるとしてまとめ髪をしましたわ。うん。スッキリです。
ユーリン様と医務室を出て違うお部屋で少しお話をする事になりました。
私とユーリン様はテーブルを挟んで向かい合いソファーに座りました。
「先程から呼ばせていただいていますが今日からはアイラ聖女と呼ばせていただきます。少し余談なのですが実は私、アイラ聖女のお母様の同期なの。リリーはお元気かしら?」
綺麗なお顔で微笑まれるとドキドキしますわね。しかもお母様と同期⁉︎そのような年齢には絶対に見えませんわ!
「そうでしたのですね!はい。お母様は元気ですわ」
「そう。良かった。リリーの結婚式に参列して以来会っていないの。アイラ聖女はお顔もリリー似で美人な上に体も綺麗ね。流石、大聖女様候補です」
あ、そんな。こんなに綺麗な人に言われたら本当かしら?って思ってしまいますわ。
「そんな、お恥ずかしいです」
「本当に大聖女様にしかないと言われているアザがありましたね。感動しました。アイラ聖女は大聖女様候補でもありますが最初の2年間は今年入った聖女様2名の子と一緒に基本を勉強していただきます。そして15歳になったら大聖女様としての教育に入ります。よろしいですね?」
「はい。分かりました。今年は2名もいらっしゃったのですね。聖女様が」
「ええ。ここ数年1人もいなかったのですが嬉しい事ですわ。それに先日、20歳になった聖女様が3人教会を出て行きましたのであと在籍しているのが16歳組が2人と18歳組が3人そして10歳組2人です」
そうなんですね。私を入れて7人ですか。聖女様達にお会いするのが楽しみですわ。
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