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第三章
聖女認定ですわ
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聖女認定の前にユリアン様に会いに行きたかったのですがお兄様とダリル様の一件があり両家で今は私の大事な時なので時間を置いてからという事になったそうです。
いえ?別に大事な時ではないのですけれど。これは多分お兄様とダリル様の一件に便乗してお父様が私をダリル様に近づけない様に仕組んだのだと思いますわ。
私を島で見つけたのに直ぐに連絡をくれなかった事も影響しているようです。ダリル様はお父様的には良いイメージが無いようですわ。
そしてユリアン様も王族になるという事で王城に通い色々と勉強されているようで忙しくこちらに訪ねて来る暇も無いようです。表向きは。王族の女性達が私のお母様を嫌っている事は知っています。彼女達に止められているのでしょう。出来るだけ我が家と関わりたく無いのでしょうね。
更に2年前まで私を好きだったと思われるエレク王子がユリアン様を通してまた恋心に火がついてはとの懸念もあるのかもしれませんわ。
実際に先日お会いした時、様子がおかしかったですものね。
寂しいけれど色々落ち着くまではユリアン様とは会わない方が良いのでしょう。
私の聖女認定の後にルカさんの神子認定も行う事になりましたわ。
普通なら10歳を迎える子供達がひっそりと鑑定を受ける行事なのですが今回は少し違うようですの。
キメラ事件で王族、教会に報告がいっているので私の魔力が大聖女様になれるぐらいだと噂になり更に神子様が誕生するのではと盛り上がり観客がいるようです。
ですので何故かマリルが張り切ってしまってますの。
「沢山の方にお嬢様をお披露目する日です!世界一可愛く仕上げますのでお任せ下さいませ!」
鼻息荒く沢山のワンピースや髪飾り、お化粧品などをお部屋に持ち込み楽しそうですわ。
そして完成です。
全体的に白と金で着飾ってくれました。
えっ......と。これは結婚式の衣装ですか?マリルは何か勘違いしていないかしら?
お部屋から出てお父様の書斎に行きます。そこにはもう用意が出来たルカさんも待っていましたわ。
ルカさんは白と銀で着飾っています。
お揃いですの?
これでは本当に結婚式になってしまいませんか⁉︎
ルカさんもそう思ったのか少し照れています。
「ルカさん、素敵ですわね」
「アイラこそ、綺麗だ」
お互いに褒め合って更に照れてしまいましたわ。
「さて、2人の準備も出来た事だしそろそろ出発することにしよう」
お父様がそう言って魔法陣を指で宙に描き出しました。
そうなのです。2年前に馬車で教会へ行って襲われたので今回は移転魔法での移動になりましたの。神子候補のルカさんも居るので念には念をですわ。
2年前はまさか襲われるとは思っていなかったので馬車で移動したのですけれど。人生何が起こるか分からないものですわよね?
お父様、お母様、マリル、私にルカさんで移転魔法です。
お兄様は聖騎士団としてもう教会で警備をしているそうですわ。
変態ですけれどお仕事はきちんとする人なのですわ。
無事に教会内部に移転できました。
神官様が待っていてくれたようでニコニコしながら近寄ってきました。
お父様のご親友のニコライ様ですわ。
小さな頃に数回お会いした事があります。お父様と同い年ですの。
お父様は完璧な美丈夫ですがニコライ様は完璧な美人さんですわ。男性ですけれど美しいという言葉が合いますの。その横にはお2人の神官見習いの男性が居ますわ。そのお2人も美少年です。
「アイラちゃん。久しぶりだね?無事に帰って来たって聞いて安心したよ。会いに行きたいって言ったんだけど神官が教会を出るなってコイツに怒られてね」
神官様がお父様を指差して微笑みます。
「どうせ聖女認定で会うのだしいいだろう?」
お父様も微笑みながら言い返しました。
本当に仲は良いのですか?
何となく張り詰めた雰囲気のような?
気のせいでしょうか?
「神官様、お久しぶりでございます。来月で13歳になるのですが聖女認定をして頂けることを嬉しく思います」
私はカーテシーをしながら言いました。
お母様も横からお願いしますと頭を下げて挨拶をしました。
「こちらがルカくんだ。よろしくたのむ」
お父様がルカさんを紹介しましたわ。
「ああ、君が......。初めまして神官のニコライと申します。アイラちゃんの聖女認定の後直ぐに神子認定をしますね。よろしくお願いします」
そう言って神官様とお付きのお2人が頭を深く下げましたわ。
お父様からの報告を受けてきっともうルカさんが神子様だとほぼほぼ思っているのでしょう。
神子様は神官様より上の位になるのですわ。
「ルカといいます。よろしくお願いします」
ルカさんも頭を下げて挨拶をしました。
さて、まずは私からですの。
少し緊張しながらお父様、神官様とお付きのお2人とで礼拝堂に入りました。
ルカさんは祭壇の後ろにある小部屋にて待機です。
するとワッー!と大きな歓声が聞こえましたわ。何事⁉︎え⁉︎
礼拝堂に置いてある椅子に隙間なく沢山の人が座ってこちらを見ていますわ!
特別席の様な場所も設けられていてそこには王族の方達が座っていました。
国王様をはじめお妃様やエリアス王太子様、エレク王子様などなどです。
「お、お父様?何故この様な事に⁉︎やはり神子様ですの?皆様神子様が誕生する瞬間を見にいらしたのかしら?」
私が慌ててお父様に問いかけました。
すると神官様が答えてくれましたわ。
「もちろん、それもあるけどね。でも皆んなの関心は君だよ?アイラちゃん」
何ですってぇ⁉︎
いえ?別に大事な時ではないのですけれど。これは多分お兄様とダリル様の一件に便乗してお父様が私をダリル様に近づけない様に仕組んだのだと思いますわ。
私を島で見つけたのに直ぐに連絡をくれなかった事も影響しているようです。ダリル様はお父様的には良いイメージが無いようですわ。
そしてユリアン様も王族になるという事で王城に通い色々と勉強されているようで忙しくこちらに訪ねて来る暇も無いようです。表向きは。王族の女性達が私のお母様を嫌っている事は知っています。彼女達に止められているのでしょう。出来るだけ我が家と関わりたく無いのでしょうね。
更に2年前まで私を好きだったと思われるエレク王子がユリアン様を通してまた恋心に火がついてはとの懸念もあるのかもしれませんわ。
実際に先日お会いした時、様子がおかしかったですものね。
寂しいけれど色々落ち着くまではユリアン様とは会わない方が良いのでしょう。
私の聖女認定の後にルカさんの神子認定も行う事になりましたわ。
普通なら10歳を迎える子供達がひっそりと鑑定を受ける行事なのですが今回は少し違うようですの。
キメラ事件で王族、教会に報告がいっているので私の魔力が大聖女様になれるぐらいだと噂になり更に神子様が誕生するのではと盛り上がり観客がいるようです。
ですので何故かマリルが張り切ってしまってますの。
「沢山の方にお嬢様をお披露目する日です!世界一可愛く仕上げますのでお任せ下さいませ!」
鼻息荒く沢山のワンピースや髪飾り、お化粧品などをお部屋に持ち込み楽しそうですわ。
そして完成です。
全体的に白と金で着飾ってくれました。
えっ......と。これは結婚式の衣装ですか?マリルは何か勘違いしていないかしら?
お部屋から出てお父様の書斎に行きます。そこにはもう用意が出来たルカさんも待っていましたわ。
ルカさんは白と銀で着飾っています。
お揃いですの?
これでは本当に結婚式になってしまいませんか⁉︎
ルカさんもそう思ったのか少し照れています。
「ルカさん、素敵ですわね」
「アイラこそ、綺麗だ」
お互いに褒め合って更に照れてしまいましたわ。
「さて、2人の準備も出来た事だしそろそろ出発することにしよう」
お父様がそう言って魔法陣を指で宙に描き出しました。
そうなのです。2年前に馬車で教会へ行って襲われたので今回は移転魔法での移動になりましたの。神子候補のルカさんも居るので念には念をですわ。
2年前はまさか襲われるとは思っていなかったので馬車で移動したのですけれど。人生何が起こるか分からないものですわよね?
お父様、お母様、マリル、私にルカさんで移転魔法です。
お兄様は聖騎士団としてもう教会で警備をしているそうですわ。
変態ですけれどお仕事はきちんとする人なのですわ。
無事に教会内部に移転できました。
神官様が待っていてくれたようでニコニコしながら近寄ってきました。
お父様のご親友のニコライ様ですわ。
小さな頃に数回お会いした事があります。お父様と同い年ですの。
お父様は完璧な美丈夫ですがニコライ様は完璧な美人さんですわ。男性ですけれど美しいという言葉が合いますの。その横にはお2人の神官見習いの男性が居ますわ。そのお2人も美少年です。
「アイラちゃん。久しぶりだね?無事に帰って来たって聞いて安心したよ。会いに行きたいって言ったんだけど神官が教会を出るなってコイツに怒られてね」
神官様がお父様を指差して微笑みます。
「どうせ聖女認定で会うのだしいいだろう?」
お父様も微笑みながら言い返しました。
本当に仲は良いのですか?
何となく張り詰めた雰囲気のような?
気のせいでしょうか?
「神官様、お久しぶりでございます。来月で13歳になるのですが聖女認定をして頂けることを嬉しく思います」
私はカーテシーをしながら言いました。
お母様も横からお願いしますと頭を下げて挨拶をしました。
「こちらがルカくんだ。よろしくたのむ」
お父様がルカさんを紹介しましたわ。
「ああ、君が......。初めまして神官のニコライと申します。アイラちゃんの聖女認定の後直ぐに神子認定をしますね。よろしくお願いします」
そう言って神官様とお付きのお2人が頭を深く下げましたわ。
お父様からの報告を受けてきっともうルカさんが神子様だとほぼほぼ思っているのでしょう。
神子様は神官様より上の位になるのですわ。
「ルカといいます。よろしくお願いします」
ルカさんも頭を下げて挨拶をしました。
さて、まずは私からですの。
少し緊張しながらお父様、神官様とお付きのお2人とで礼拝堂に入りました。
ルカさんは祭壇の後ろにある小部屋にて待機です。
するとワッー!と大きな歓声が聞こえましたわ。何事⁉︎え⁉︎
礼拝堂に置いてある椅子に隙間なく沢山の人が座ってこちらを見ていますわ!
特別席の様な場所も設けられていてそこには王族の方達が座っていました。
国王様をはじめお妃様やエリアス王太子様、エレク王子様などなどです。
「お、お父様?何故この様な事に⁉︎やはり神子様ですの?皆様神子様が誕生する瞬間を見にいらしたのかしら?」
私が慌ててお父様に問いかけました。
すると神官様が答えてくれましたわ。
「もちろん、それもあるけどね。でも皆んなの関心は君だよ?アイラちゃん」
何ですってぇ⁉︎
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