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第二章
間違われましたわ
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私達は逃げ場も無くその場で立ち尽くしていると前から来た男の人達が私達に気がついた。
「お前達!何処から入って来た!」
「いや、待て!そっちの女はアレじゃないか?」
「あぁぁ、新しく実験した人型のキメラか?」
そうか?そうなのか?と、男の人達がザワザワしている。
私、キメラと勘違いされてる⁉︎
うっ。何か微妙にショックだけど今、この危機を乗り切れる様な気がする!
確かにこの化け物顔はキメラ、いけるかも!
「ソウダ ワタシハ アタラシク ウマレタ モノダ。トナリノ オトコハ カナリノ チカラヲ モッテイル ジッケンダイダ。コレカラ ジッケンシツニ ツレテイク」
片言な感じで話してみた。
その方がキメラっぽいかなって。
ルカさんも手を後ろに回して束縛されている振りをしてくれた。
「はぁ~そうなのか。人型キメラの実験は成功したんだな」
「コレって成功って言えるか?どう見ても化け物だろう?」
「ま、でも主様が実験台の人間を運搬させるぐらいなんだから中々の出来なんじゃねーか?そもそもキメラなんて化け物だろう?ほら、実験室は分かってるのか?」
男の人の1人が訊いてきた。
「キイタガ ワスレタ。ドコダ?ジッケンシツハ」
私はキメラっぽく笑いながら問いかけた。
「「うわー!気持ち悪っ!」」
数人の男の人達が顔をしかめる。
酷い。とびっきりの笑顔なのに。
「もう少し行ったとこにある黄色い扉が実験室だ。早く行かないと使い物にならないって処分されるぞ?」
え?そうなの?
勝手に実験されて勝手に処分されちゃうの?何なの!それ!
私がぷんぷん怒っていたら横からルカさんが肘で突っついてきた。
あ、そうか。
とりあえずこの場から離れないと。
色々バレないうちに。
「ワカッタ モウイク。タスカッタ」
そう言って私達はそそくさと歩いて黄色い扉の前まで来た。
「はぁ~。ヤバかったけどアミーの転機で切り抜けられたな!ありがとう!」
「もう駄目かと思いましたが、この化け物顔が役に立つ日が来るとは思いませんでした」
私がふふふと笑うとルカさんが怒る。
「アイツら後でボッコボコにしてやるからな!アミーは化け物なんかじゃないからな?」
何処までも優しいなルカさんは。
実験室まで辿り着いたので中に入ってみる事にした。でも中に人が居たら。私達2人では戦えない。
......。
一瞬考えたけどそこはどうにでもなれ精神で扉を開けた。
中には何をどう使うのか分からない装置が沢山置いてあった。
その装置を見てるだけも気持ちが悪い。
キョロキョロと室内を見渡したけど誰も居ないみたいだ。
2人でホッとする。
「何か不気味ですね」
私はルネさんね服の裾を無意識に握っていた。それに気がついたルネさんが私と手を繋いでくれた。
うん。安心感。
「本当に変な所だな。実験ってどうやってるんだろう?」
「知りたいかい?」
突然に後ろから声がして2人して体がビックってなった。
誰か居たの?気配無かったけど。
振り返ると男の人が立っている。
その人はニヤニヤしながら少し近づいて来た。ルカさんがサッと私を後ろに隠す。
「本当にお前は何処に行っても何処に居てもどんな姿でも守ってくれる奴が現れるんだなー。それが大聖女としての資質なんかなー」
え?それって私の事?
「私の事を知ってるのですか?」
即質問する。
「あぁ。覚えて無いと思うが俺達は腐れ縁だ。お前が何故か俺がする事に関わってくるんだよなー。
かれこれ4回目になるかー。あっ、3回目は俺の方から参加したけどな。3回目ってのはお前が記憶失くしたときな」
ジリジリと寄ってくる。
ルカさんと一緒にジリジリ後ろに下がる。
「あ~やっぱりすげー化け物だな。あの女、手加減なしかよ。あんなに美少女だったのにみる影もない。力は封印されたままだな。流石俺だわ」
「貴方が私の力を封印したの⁉︎何故⁉︎」
「説明面倒くさいからしない。兎に角お前の力が邪魔だったしな、あの時は。ま、昔話は後で時間があればするよ。で、お前達は実験された奴ら、見たくない?」
男の人が指を指す方を見たら奥の方に大きい水槽があった。
とても嫌な予感がする。
でも行かないといけないような気もする。私とルカさんは2人でその水槽まで歩いて行った。
あぁぁ。やっぱり。
水槽は壁一面にあってかなりの大きさだ。それこそ人が何人も入れるぐらい。
その中に......。
3人の人魚と2人の海坊主が泳いでいた。
人魚の1人は女の人であとの2人は男の人だ。海坊主はどちらも男の人だった。
「マルタ......。マルタだ!大きくなってるけど!なんて酷い!なんて事を!」
ルカさんが叫んで水槽に両手を付いた。
あの人魚がマルタさん⁉︎
「マルタ!マルタ!」
ルカさんが女の人魚に向かって叫んだ。
すると泳いでいた女の人魚が側にきてルカさんの手に自分の手を水槽越しに合わせ顔を歪めた。
水の中だから見えないけどきっと泣いてるんだと思う。
「あぁぁ~。あの女は珍しく長生きしてるんだよな。大体女は適合しなくて直ぐに死んじまうんだが。ほら、あっちの男は女よりも長生きだ。海坊主は駄目だな。何回作っても直ぐに死ぬ」
「何故?何故こんな事をしているのですか?」
私は震える声で訊く。
「あ?面白いから」
「面白い⁉︎」
私は自分の頭に血が上るのを感じた。
「お前達!何処から入って来た!」
「いや、待て!そっちの女はアレじゃないか?」
「あぁぁ、新しく実験した人型のキメラか?」
そうか?そうなのか?と、男の人達がザワザワしている。
私、キメラと勘違いされてる⁉︎
うっ。何か微妙にショックだけど今、この危機を乗り切れる様な気がする!
確かにこの化け物顔はキメラ、いけるかも!
「ソウダ ワタシハ アタラシク ウマレタ モノダ。トナリノ オトコハ カナリノ チカラヲ モッテイル ジッケンダイダ。コレカラ ジッケンシツニ ツレテイク」
片言な感じで話してみた。
その方がキメラっぽいかなって。
ルカさんも手を後ろに回して束縛されている振りをしてくれた。
「はぁ~そうなのか。人型キメラの実験は成功したんだな」
「コレって成功って言えるか?どう見ても化け物だろう?」
「ま、でも主様が実験台の人間を運搬させるぐらいなんだから中々の出来なんじゃねーか?そもそもキメラなんて化け物だろう?ほら、実験室は分かってるのか?」
男の人の1人が訊いてきた。
「キイタガ ワスレタ。ドコダ?ジッケンシツハ」
私はキメラっぽく笑いながら問いかけた。
「「うわー!気持ち悪っ!」」
数人の男の人達が顔をしかめる。
酷い。とびっきりの笑顔なのに。
「もう少し行ったとこにある黄色い扉が実験室だ。早く行かないと使い物にならないって処分されるぞ?」
え?そうなの?
勝手に実験されて勝手に処分されちゃうの?何なの!それ!
私がぷんぷん怒っていたら横からルカさんが肘で突っついてきた。
あ、そうか。
とりあえずこの場から離れないと。
色々バレないうちに。
「ワカッタ モウイク。タスカッタ」
そう言って私達はそそくさと歩いて黄色い扉の前まで来た。
「はぁ~。ヤバかったけどアミーの転機で切り抜けられたな!ありがとう!」
「もう駄目かと思いましたが、この化け物顔が役に立つ日が来るとは思いませんでした」
私がふふふと笑うとルカさんが怒る。
「アイツら後でボッコボコにしてやるからな!アミーは化け物なんかじゃないからな?」
何処までも優しいなルカさんは。
実験室まで辿り着いたので中に入ってみる事にした。でも中に人が居たら。私達2人では戦えない。
......。
一瞬考えたけどそこはどうにでもなれ精神で扉を開けた。
中には何をどう使うのか分からない装置が沢山置いてあった。
その装置を見てるだけも気持ちが悪い。
キョロキョロと室内を見渡したけど誰も居ないみたいだ。
2人でホッとする。
「何か不気味ですね」
私はルネさんね服の裾を無意識に握っていた。それに気がついたルネさんが私と手を繋いでくれた。
うん。安心感。
「本当に変な所だな。実験ってどうやってるんだろう?」
「知りたいかい?」
突然に後ろから声がして2人して体がビックってなった。
誰か居たの?気配無かったけど。
振り返ると男の人が立っている。
その人はニヤニヤしながら少し近づいて来た。ルカさんがサッと私を後ろに隠す。
「本当にお前は何処に行っても何処に居てもどんな姿でも守ってくれる奴が現れるんだなー。それが大聖女としての資質なんかなー」
え?それって私の事?
「私の事を知ってるのですか?」
即質問する。
「あぁ。覚えて無いと思うが俺達は腐れ縁だ。お前が何故か俺がする事に関わってくるんだよなー。
かれこれ4回目になるかー。あっ、3回目は俺の方から参加したけどな。3回目ってのはお前が記憶失くしたときな」
ジリジリと寄ってくる。
ルカさんと一緒にジリジリ後ろに下がる。
「あ~やっぱりすげー化け物だな。あの女、手加減なしかよ。あんなに美少女だったのにみる影もない。力は封印されたままだな。流石俺だわ」
「貴方が私の力を封印したの⁉︎何故⁉︎」
「説明面倒くさいからしない。兎に角お前の力が邪魔だったしな、あの時は。ま、昔話は後で時間があればするよ。で、お前達は実験された奴ら、見たくない?」
男の人が指を指す方を見たら奥の方に大きい水槽があった。
とても嫌な予感がする。
でも行かないといけないような気もする。私とルカさんは2人でその水槽まで歩いて行った。
あぁぁ。やっぱり。
水槽は壁一面にあってかなりの大きさだ。それこそ人が何人も入れるぐらい。
その中に......。
3人の人魚と2人の海坊主が泳いでいた。
人魚の1人は女の人であとの2人は男の人だ。海坊主はどちらも男の人だった。
「マルタ......。マルタだ!大きくなってるけど!なんて酷い!なんて事を!」
ルカさんが叫んで水槽に両手を付いた。
あの人魚がマルタさん⁉︎
「マルタ!マルタ!」
ルカさんが女の人魚に向かって叫んだ。
すると泳いでいた女の人魚が側にきてルカさんの手に自分の手を水槽越しに合わせ顔を歪めた。
水の中だから見えないけどきっと泣いてるんだと思う。
「あぁぁ~。あの女は珍しく長生きしてるんだよな。大体女は適合しなくて直ぐに死んじまうんだが。ほら、あっちの男は女よりも長生きだ。海坊主は駄目だな。何回作っても直ぐに死ぬ」
「何故?何故こんな事をしているのですか?」
私は震える声で訊く。
「あ?面白いから」
「面白い⁉︎」
私は自分の頭に血が上るのを感じた。
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