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第二章

プロポーズですわ

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「貴方、何か分かっている事があるなら少しでもいいから教えなさいよ」

「まだ確信が持てません。軽々しく言えないでしょう?」

2人が話し合っているようだ。
普通ならあまり関わりになりたくない様な事だと思うのに。

「お2人は優しいですね」

私は2人に向かって言った。

「私はね、優しいとかそんなのではないのよ。アイラが小さな頃に事件を解決してるの。凄いって思った。私にもそんな事が出来るのかしらって憧れたわ。だから今回は巻き込まれたついでよ。それとね、その時にアイラに惚れ直したのよ?将来は絶対一緒に生きて行こうって改めて決めたわ。アイラが嫌がってもね」

「その事件に私も巻き込まれました。アイラ嬢が私を助けてくれたのです。その時のアイラ嬢は女神様のようで絶対に手に入れようと私も改めて誓いました」

シャーロットさんとダリルさんは昔を思い出したのかうっとり空中を見る。

「おい。シャーロット!ダリル!また変態出てるぞ!」

ルカさんが注意してる。
なんだかんだで仲良くやって行けそうじゃないかな。

「アイラさんって凄い子ですね。事件まで解決するなんて。やっぱり知れば知るほど私ではないような気がしますが......」

私は自信なさげに言った。

「何言ってるの?貴方はアイラよ?自信持って」

「大丈夫ですよ。貴方はアイラ嬢ですから」

2人ともそれ本当か?

数分後、キルジーさんが戻ってきて連絡が取れたとニッコリと笑った。

「明日、ここに来てくれるってさ」

話してくれるんだ。良かった。
少しでも解決に近づけたらいいな。

ダリルさんも2階に住む事になってルカさんが不機嫌だ。

「女性ばっかりの中に男を入れるって何か心配なんだけど?お前何歳だよ?」

ルカさんの質問にダリルさんがきちんと答える。

「私は15歳です」

「15歳っていったらもう『男』だよな!やっぱり駄目だ!アミーが危ない!」

「あら?私の心配はしてくれないのかしら?」

シャーロットさんがニコニコしながらルカさんを見る。

「お前は女性じゃないだろう!変態だから大丈夫だ!」

何それ?

「あれ~?じゃあ、あたしの心配はしてくれないのかい?」

まさかのキルジーさんも参戦してきた。

「キルジーさんの方がダリルより断然強いよ!だから大丈夫!」

そうかもしれないが、それ言っていいのだろうか?

あはは!とキルジーさんが豪快に笑った。

「ルカ、大丈夫だよ。アミーは絶対にあたしが守るからさ」

キルジーさんに頭をポンポンされて

「うー。嫌だけどキルジーさんがそう言うなら......」

と渋々納得していた。
私は後からルカさんだけに聞こえる声でお礼を言った。

「心配してくれてありがとう」

ルカさんはトロける様な微笑みを返してくれた。

夕食もお風呂も終わりそれぞれの部屋でくつろいでいる。私は喉が渇いたのでキッチンに行って冷たい水を飲んでいた。
そこにダリルさんがやってきた。

「ダリルさんもお水飲みます?」

「あ、お願いできますか?」

私はグラスに水を注ぎダリルさんに渡した。

「なんか、変な感じです。アイラ嬢なのにそうでない。雰囲気はアイラ嬢なんだけど話し方まで変わってて......」

「ごめんなさい。記憶が無くて......。こんな見目になっているし、色んな事が変わってしまっていて......」

「いや、こちらこそごめん。記憶がなかったり見目が変わっているのはアイラ嬢のせいじゃないのにね」

ダリルさんは悲しそうな表情をした。
そうだよね。本当に婚約まであと少しの仲だったとしたら今の私に会ったらガックリするよね。
自分の事も忘れて初めて会ったみたいにされてしかも見目が化け物だし。

「2年も探してくれてありがとうございます。ダリルさんと過ごしていた私はどんな子でしたか?」

「素敵な子でした。ずっと一緒にいたいと思える。綺麗なのに自慢もしない、驕ったところも無い、素直で可愛くて本当に誰にも触らせたくなかったし誰とも話もさせたく無かった。私だけのアイラ嬢にしたかったのです。今もその気持ちは変わっていないませんが」

うっ。前半は私がとてもいい子だったらしい話だけど後半はダリルさんの変態が出ちゃってる。そこら辺はシャーロットさんと同じだ。

そうか。いい子だったんだな。私。でもいい子過ぎるよね。やはりこの今もずっと感じている『心は大人』の私が関係しているのだろうか?

色々考えていたらダリルさんから手を握られた。ギュッと。
驚いてダリルさんを見た。

「アイラ嬢は今、見目を気にしている様だけどそんなのは全然関係ないですよ?私はアイラ嬢の全部が好きだから」

うひょー!こんな綺麗な人に告白されてるなんて信じられない。

「絶対に術は解いてみせます。そして一緒に王都に帰って2人だけで暮らしましょう。ね?」

おっとっと?
話がどんどん進んでますが?

「王都でも隠れ家的な屋敷は沢山あるんです。そのうちの一つをもう押さえてあります。帰ったら直ぐに2人だけの生活が出来ますよ」

15歳と12歳で?
まだ子供ですよね?
王都に住んでる人は皆さんこの様な考え方なのだろうか?

「えっと、色々私の事を考えてくれててありがとうございます。でもそのう.....」

私は戸惑いを隠せない。

「ふふふ。分かっていますよ。きちんと記憶が戻ってからまたプロポーズさせてもらいますので」

プロポーズ⁉︎あ、そうか。そうだよね。今のは殆どプロポーズに近い。
私がぐるぐる目を回していると後ろからキルジーさんがひょこと顔を出した。

「盛り上がってるとこ悪いけどもう子供は寝る時間だよ。明日は海坊主の話を聞くんだろう?眠いなんて言ったらぶっ飛ばすよ?」

「私はもう15歳です。子供ではありませんよ?」

「何言ってんだい。あたしから見たら15歳も青臭いガキだよ」

キルジーさんはそう言って豪快に笑った。

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