52 / 122
第二章
信じられないですわ
しおりを挟む
全て聞き終わって私達は静かなままだ。
聞いても何だかひと事みたいで自分がそのんな人生を歩んでいたとは思えない。
「えっと、その話からアミーは今は12歳ってことかい?」
「そうです」
一気に3人の視線が私に集中した。
ええ。言いたい事は分かっている。
12歳になんて見えないんでしよう?
「そして見目も変えられてしまって力も封印されているってんだね?」
「はい。体が10歳からあまり成長していないのは力を封印されているからかもしれません。年齢と共に力も大きくなるはずがそれを抑えられているので」
「なるほど」
キルジーさんは小さく頷いた。
「で、私は馬鹿親を探し出してアイラの居場所を訊きましたがちろん教えてはくれなかったので殺しました」
「「「「はい?」」」」
4人でハモった。
だってそんな簡単に親を殺せる?
聞き間違いか?
「あ、もう随分前に馬鹿親とは縁を切ってるんで問題はないです。それに黒魔術を使う親なんて親とは思えない。私は白魔術で戦いそして勝ちました」
「そ、そうですか」
私はとりあえずそれしか言えなかった。
「で、生前の馬鹿親からは聞き出せなかったので直接脳に訊こうと思い馬鹿親の頭をカチ割り......」
「わーーー!わーーー!その続きは嫌な予感しかしないから話さなくていい。遅くなったけど夕食にしないか?今までの話も整理したいし」
ルカさんがシャーロットさんの話を遮って提案してきました。
賛成です。大賛成!
ダンさんが作ってくれたハーブとエビのパスタを食べながら私は頭の中を整理した。
私の両親は聖騎士様のお父さんと元聖女様のお母さんで聖騎士様を目指しているお兄さんがいる。ちなみにそのお兄さんは変態である。シャーロットさんが何回も言っていたのでそこ重要なんだな。そして家柄的には王族の次に偉いらしい。
私の聖女認定の2年前にシャーロットさんのお母さん率いる黒魔術の宗教団体に襲われた。
理由は私の両親絡みだそうだ。
そして黒魔術によって顔を変えられ力も封印されてこの島に飛ばされた。
私の力は聖力だと。結局、認定には行っていないのでシャーロットさんの見立てだけれど。
元々のはとてつもない美少女だそうだ。
これが1番信じられないのだ。
こんな化け物が美少女?黒魔術とはそこまで顔を変えられるものなのか?
「ねぇ、アイラ。そのずっと被ってるスカーフを取って顔を見せてもらえないかしら?2年ぶりなんだもの。顔が見たいわ」
シャーロットさんが私のスカーフに触ろうとした。
「ちょっと待って。シャーロットさんの話が本当なら元々の私は美少女なんですよね?だったら今の顔は見ない方がいいかと思います......」
「そんな外見なんて関係ない。アイラがどんなになっていても愛している気持ちは変わらないから。でもその術を解く為には見てみないと細かいところまで分からないの」
へ⁉︎愛してるってハッキリ言っちゃってますがそれはどういった感じの?幼馴染的な?そうですよね?そうであってほしい。ちょっと戸惑ったけどそれは置いといて。
「この術は解けるのですか?」
「かけた本人が死んでしまっているから解除方法が分からないの。でも絶対に解除してみせるわ。だから、ね?」
「分かりました。術を解いてもらえるのなら私も協力します」
私はスカーフを取ってシャーロットさんに向き直る。
「......我が馬鹿親ながら中々のものね。人間の原型ギリギリってとこかしら」
「おい!何だ?その言い方!俺達はアミーをそんな風に思った事なんて無いぞ?反対にこんな綺麗な心を持っている人間を見た事ない!」
ルカさんが激怒してる。
いや、シャーロットさんの意見が普通だよ。きっと。
「はい。はい。ルカっていったかしら?今はあなたの気持ちや意見を聞いてる時ではないのよ。少し黙って」
「な、なんだと⁉︎」
今にもシャーロットさんに掴みかかりそうなルカさんをダンさんが止めた。
「なぁ?ルカ、今頼れるのはシャーロットさんしかいないんだ。もう少し協力的になれないか?」
「この女が嘘をついていたら?アミーが傷つくだろう?そんなの俺は嫌だ!」
「アミーの為にもシャーロットさんを信じてみないか?話は全て辻褄が合ってるよ?な?でも怪しい素振りを見せたその時は容赦しない、でいいかな?シャーロットさん」
ダンさんがシャーロットさんを見た。
「ええ。いいわよ。じゃあ、夕食を食べたら一緒に宿に......」
「いや、お前さんもここの2階においで。アミーはあたしと寝るから今までアミーが使っていた部屋を使うといいよ。そしてアミーの術を解いてやってくれないかい?」
「それはいいですけど私、アイラと同じ部屋で......」
「「「それは駄目だ。アミーの身に危険を感じる」」」
3人一緒にハモった。
私の危険って。
「え⁉︎嫌だわ。何を想像していますの?」
「お前が想像してる事だよ!この変態女!」
ルカさんが怒鳴る。
変態女......。
『変態その2め!』
ん?今、何か頭を男の人の声がした様な気がしたけど......?
今日は色々あって疲れているんだよね。
いっぺんに情報が頭に入ってきて。
でも、やっぱり私はシャーロットさんが教えてくれた話を信じる事が出来ずにいる。
聞いても何だかひと事みたいで自分がそのんな人生を歩んでいたとは思えない。
「えっと、その話からアミーは今は12歳ってことかい?」
「そうです」
一気に3人の視線が私に集中した。
ええ。言いたい事は分かっている。
12歳になんて見えないんでしよう?
「そして見目も変えられてしまって力も封印されているってんだね?」
「はい。体が10歳からあまり成長していないのは力を封印されているからかもしれません。年齢と共に力も大きくなるはずがそれを抑えられているので」
「なるほど」
キルジーさんは小さく頷いた。
「で、私は馬鹿親を探し出してアイラの居場所を訊きましたがちろん教えてはくれなかったので殺しました」
「「「「はい?」」」」
4人でハモった。
だってそんな簡単に親を殺せる?
聞き間違いか?
「あ、もう随分前に馬鹿親とは縁を切ってるんで問題はないです。それに黒魔術を使う親なんて親とは思えない。私は白魔術で戦いそして勝ちました」
「そ、そうですか」
私はとりあえずそれしか言えなかった。
「で、生前の馬鹿親からは聞き出せなかったので直接脳に訊こうと思い馬鹿親の頭をカチ割り......」
「わーーー!わーーー!その続きは嫌な予感しかしないから話さなくていい。遅くなったけど夕食にしないか?今までの話も整理したいし」
ルカさんがシャーロットさんの話を遮って提案してきました。
賛成です。大賛成!
ダンさんが作ってくれたハーブとエビのパスタを食べながら私は頭の中を整理した。
私の両親は聖騎士様のお父さんと元聖女様のお母さんで聖騎士様を目指しているお兄さんがいる。ちなみにそのお兄さんは変態である。シャーロットさんが何回も言っていたのでそこ重要なんだな。そして家柄的には王族の次に偉いらしい。
私の聖女認定の2年前にシャーロットさんのお母さん率いる黒魔術の宗教団体に襲われた。
理由は私の両親絡みだそうだ。
そして黒魔術によって顔を変えられ力も封印されてこの島に飛ばされた。
私の力は聖力だと。結局、認定には行っていないのでシャーロットさんの見立てだけれど。
元々のはとてつもない美少女だそうだ。
これが1番信じられないのだ。
こんな化け物が美少女?黒魔術とはそこまで顔を変えられるものなのか?
「ねぇ、アイラ。そのずっと被ってるスカーフを取って顔を見せてもらえないかしら?2年ぶりなんだもの。顔が見たいわ」
シャーロットさんが私のスカーフに触ろうとした。
「ちょっと待って。シャーロットさんの話が本当なら元々の私は美少女なんですよね?だったら今の顔は見ない方がいいかと思います......」
「そんな外見なんて関係ない。アイラがどんなになっていても愛している気持ちは変わらないから。でもその術を解く為には見てみないと細かいところまで分からないの」
へ⁉︎愛してるってハッキリ言っちゃってますがそれはどういった感じの?幼馴染的な?そうですよね?そうであってほしい。ちょっと戸惑ったけどそれは置いといて。
「この術は解けるのですか?」
「かけた本人が死んでしまっているから解除方法が分からないの。でも絶対に解除してみせるわ。だから、ね?」
「分かりました。術を解いてもらえるのなら私も協力します」
私はスカーフを取ってシャーロットさんに向き直る。
「......我が馬鹿親ながら中々のものね。人間の原型ギリギリってとこかしら」
「おい!何だ?その言い方!俺達はアミーをそんな風に思った事なんて無いぞ?反対にこんな綺麗な心を持っている人間を見た事ない!」
ルカさんが激怒してる。
いや、シャーロットさんの意見が普通だよ。きっと。
「はい。はい。ルカっていったかしら?今はあなたの気持ちや意見を聞いてる時ではないのよ。少し黙って」
「な、なんだと⁉︎」
今にもシャーロットさんに掴みかかりそうなルカさんをダンさんが止めた。
「なぁ?ルカ、今頼れるのはシャーロットさんしかいないんだ。もう少し協力的になれないか?」
「この女が嘘をついていたら?アミーが傷つくだろう?そんなの俺は嫌だ!」
「アミーの為にもシャーロットさんを信じてみないか?話は全て辻褄が合ってるよ?な?でも怪しい素振りを見せたその時は容赦しない、でいいかな?シャーロットさん」
ダンさんがシャーロットさんを見た。
「ええ。いいわよ。じゃあ、夕食を食べたら一緒に宿に......」
「いや、お前さんもここの2階においで。アミーはあたしと寝るから今までアミーが使っていた部屋を使うといいよ。そしてアミーの術を解いてやってくれないかい?」
「それはいいですけど私、アイラと同じ部屋で......」
「「「それは駄目だ。アミーの身に危険を感じる」」」
3人一緒にハモった。
私の危険って。
「え⁉︎嫌だわ。何を想像していますの?」
「お前が想像してる事だよ!この変態女!」
ルカさんが怒鳴る。
変態女......。
『変態その2め!』
ん?今、何か頭を男の人の声がした様な気がしたけど......?
今日は色々あって疲れているんだよね。
いっぺんに情報が頭に入ってきて。
でも、やっぱり私はシャーロットさんが教えてくれた話を信じる事が出来ずにいる。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる