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第二章
信じられないですわ
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全て聞き終わって私達は静かなままだ。
聞いても何だかひと事みたいで自分がそのんな人生を歩んでいたとは思えない。
「えっと、その話からアミーは今は12歳ってことかい?」
「そうです」
一気に3人の視線が私に集中した。
ええ。言いたい事は分かっている。
12歳になんて見えないんでしよう?
「そして見目も変えられてしまって力も封印されているってんだね?」
「はい。体が10歳からあまり成長していないのは力を封印されているからかもしれません。年齢と共に力も大きくなるはずがそれを抑えられているので」
「なるほど」
キルジーさんは小さく頷いた。
「で、私は馬鹿親を探し出してアイラの居場所を訊きましたがちろん教えてはくれなかったので殺しました」
「「「「はい?」」」」
4人でハモった。
だってそんな簡単に親を殺せる?
聞き間違いか?
「あ、もう随分前に馬鹿親とは縁を切ってるんで問題はないです。それに黒魔術を使う親なんて親とは思えない。私は白魔術で戦いそして勝ちました」
「そ、そうですか」
私はとりあえずそれしか言えなかった。
「で、生前の馬鹿親からは聞き出せなかったので直接脳に訊こうと思い馬鹿親の頭をカチ割り......」
「わーーー!わーーー!その続きは嫌な予感しかしないから話さなくていい。遅くなったけど夕食にしないか?今までの話も整理したいし」
ルカさんがシャーロットさんの話を遮って提案してきました。
賛成です。大賛成!
ダンさんが作ってくれたハーブとエビのパスタを食べながら私は頭の中を整理した。
私の両親は聖騎士様のお父さんと元聖女様のお母さんで聖騎士様を目指しているお兄さんがいる。ちなみにそのお兄さんは変態である。シャーロットさんが何回も言っていたのでそこ重要なんだな。そして家柄的には王族の次に偉いらしい。
私の聖女認定の2年前にシャーロットさんのお母さん率いる黒魔術の宗教団体に襲われた。
理由は私の両親絡みだそうだ。
そして黒魔術によって顔を変えられ力も封印されてこの島に飛ばされた。
私の力は聖力だと。結局、認定には行っていないのでシャーロットさんの見立てだけれど。
元々のはとてつもない美少女だそうだ。
これが1番信じられないのだ。
こんな化け物が美少女?黒魔術とはそこまで顔を変えられるものなのか?
「ねぇ、アイラ。そのずっと被ってるスカーフを取って顔を見せてもらえないかしら?2年ぶりなんだもの。顔が見たいわ」
シャーロットさんが私のスカーフに触ろうとした。
「ちょっと待って。シャーロットさんの話が本当なら元々の私は美少女なんですよね?だったら今の顔は見ない方がいいかと思います......」
「そんな外見なんて関係ない。アイラがどんなになっていても愛している気持ちは変わらないから。でもその術を解く為には見てみないと細かいところまで分からないの」
へ⁉︎愛してるってハッキリ言っちゃってますがそれはどういった感じの?幼馴染的な?そうですよね?そうであってほしい。ちょっと戸惑ったけどそれは置いといて。
「この術は解けるのですか?」
「かけた本人が死んでしまっているから解除方法が分からないの。でも絶対に解除してみせるわ。だから、ね?」
「分かりました。術を解いてもらえるのなら私も協力します」
私はスカーフを取ってシャーロットさんに向き直る。
「......我が馬鹿親ながら中々のものね。人間の原型ギリギリってとこかしら」
「おい!何だ?その言い方!俺達はアミーをそんな風に思った事なんて無いぞ?反対にこんな綺麗な心を持っている人間を見た事ない!」
ルカさんが激怒してる。
いや、シャーロットさんの意見が普通だよ。きっと。
「はい。はい。ルカっていったかしら?今はあなたの気持ちや意見を聞いてる時ではないのよ。少し黙って」
「な、なんだと⁉︎」
今にもシャーロットさんに掴みかかりそうなルカさんをダンさんが止めた。
「なぁ?ルカ、今頼れるのはシャーロットさんしかいないんだ。もう少し協力的になれないか?」
「この女が嘘をついていたら?アミーが傷つくだろう?そんなの俺は嫌だ!」
「アミーの為にもシャーロットさんを信じてみないか?話は全て辻褄が合ってるよ?な?でも怪しい素振りを見せたその時は容赦しない、でいいかな?シャーロットさん」
ダンさんがシャーロットさんを見た。
「ええ。いいわよ。じゃあ、夕食を食べたら一緒に宿に......」
「いや、お前さんもここの2階においで。アミーはあたしと寝るから今までアミーが使っていた部屋を使うといいよ。そしてアミーの術を解いてやってくれないかい?」
「それはいいですけど私、アイラと同じ部屋で......」
「「「それは駄目だ。アミーの身に危険を感じる」」」
3人一緒にハモった。
私の危険って。
「え⁉︎嫌だわ。何を想像していますの?」
「お前が想像してる事だよ!この変態女!」
ルカさんが怒鳴る。
変態女......。
『変態その2め!』
ん?今、何か頭を男の人の声がした様な気がしたけど......?
今日は色々あって疲れているんだよね。
いっぺんに情報が頭に入ってきて。
でも、やっぱり私はシャーロットさんが教えてくれた話を信じる事が出来ずにいる。
聞いても何だかひと事みたいで自分がそのんな人生を歩んでいたとは思えない。
「えっと、その話からアミーは今は12歳ってことかい?」
「そうです」
一気に3人の視線が私に集中した。
ええ。言いたい事は分かっている。
12歳になんて見えないんでしよう?
「そして見目も変えられてしまって力も封印されているってんだね?」
「はい。体が10歳からあまり成長していないのは力を封印されているからかもしれません。年齢と共に力も大きくなるはずがそれを抑えられているので」
「なるほど」
キルジーさんは小さく頷いた。
「で、私は馬鹿親を探し出してアイラの居場所を訊きましたがちろん教えてはくれなかったので殺しました」
「「「「はい?」」」」
4人でハモった。
だってそんな簡単に親を殺せる?
聞き間違いか?
「あ、もう随分前に馬鹿親とは縁を切ってるんで問題はないです。それに黒魔術を使う親なんて親とは思えない。私は白魔術で戦いそして勝ちました」
「そ、そうですか」
私はとりあえずそれしか言えなかった。
「で、生前の馬鹿親からは聞き出せなかったので直接脳に訊こうと思い馬鹿親の頭をカチ割り......」
「わーーー!わーーー!その続きは嫌な予感しかしないから話さなくていい。遅くなったけど夕食にしないか?今までの話も整理したいし」
ルカさんがシャーロットさんの話を遮って提案してきました。
賛成です。大賛成!
ダンさんが作ってくれたハーブとエビのパスタを食べながら私は頭の中を整理した。
私の両親は聖騎士様のお父さんと元聖女様のお母さんで聖騎士様を目指しているお兄さんがいる。ちなみにそのお兄さんは変態である。シャーロットさんが何回も言っていたのでそこ重要なんだな。そして家柄的には王族の次に偉いらしい。
私の聖女認定の2年前にシャーロットさんのお母さん率いる黒魔術の宗教団体に襲われた。
理由は私の両親絡みだそうだ。
そして黒魔術によって顔を変えられ力も封印されてこの島に飛ばされた。
私の力は聖力だと。結局、認定には行っていないのでシャーロットさんの見立てだけれど。
元々のはとてつもない美少女だそうだ。
これが1番信じられないのだ。
こんな化け物が美少女?黒魔術とはそこまで顔を変えられるものなのか?
「ねぇ、アイラ。そのずっと被ってるスカーフを取って顔を見せてもらえないかしら?2年ぶりなんだもの。顔が見たいわ」
シャーロットさんが私のスカーフに触ろうとした。
「ちょっと待って。シャーロットさんの話が本当なら元々の私は美少女なんですよね?だったら今の顔は見ない方がいいかと思います......」
「そんな外見なんて関係ない。アイラがどんなになっていても愛している気持ちは変わらないから。でもその術を解く為には見てみないと細かいところまで分からないの」
へ⁉︎愛してるってハッキリ言っちゃってますがそれはどういった感じの?幼馴染的な?そうですよね?そうであってほしい。ちょっと戸惑ったけどそれは置いといて。
「この術は解けるのですか?」
「かけた本人が死んでしまっているから解除方法が分からないの。でも絶対に解除してみせるわ。だから、ね?」
「分かりました。術を解いてもらえるのなら私も協力します」
私はスカーフを取ってシャーロットさんに向き直る。
「......我が馬鹿親ながら中々のものね。人間の原型ギリギリってとこかしら」
「おい!何だ?その言い方!俺達はアミーをそんな風に思った事なんて無いぞ?反対にこんな綺麗な心を持っている人間を見た事ない!」
ルカさんが激怒してる。
いや、シャーロットさんの意見が普通だよ。きっと。
「はい。はい。ルカっていったかしら?今はあなたの気持ちや意見を聞いてる時ではないのよ。少し黙って」
「な、なんだと⁉︎」
今にもシャーロットさんに掴みかかりそうなルカさんをダンさんが止めた。
「なぁ?ルカ、今頼れるのはシャーロットさんしかいないんだ。もう少し協力的になれないか?」
「この女が嘘をついていたら?アミーが傷つくだろう?そんなの俺は嫌だ!」
「アミーの為にもシャーロットさんを信じてみないか?話は全て辻褄が合ってるよ?な?でも怪しい素振りを見せたその時は容赦しない、でいいかな?シャーロットさん」
ダンさんがシャーロットさんを見た。
「ええ。いいわよ。じゃあ、夕食を食べたら一緒に宿に......」
「いや、お前さんもここの2階においで。アミーはあたしと寝るから今までアミーが使っていた部屋を使うといいよ。そしてアミーの術を解いてやってくれないかい?」
「それはいいですけど私、アイラと同じ部屋で......」
「「「それは駄目だ。アミーの身に危険を感じる」」」
3人一緒にハモった。
私の危険って。
「え⁉︎嫌だわ。何を想像していますの?」
「お前が想像してる事だよ!この変態女!」
ルカさんが怒鳴る。
変態女......。
『変態その2め!』
ん?今、何か頭を男の人の声がした様な気がしたけど......?
今日は色々あって疲れているんだよね。
いっぺんに情報が頭に入ってきて。
でも、やっぱり私はシャーロットさんが教えてくれた話を信じる事が出来ずにいる。
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