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第一章
聖女認定の日が近づいてきますわ
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「もう少しで聖女認定だけどアイラ嬢はもちろん行くのだよね?」
今日も私の安全地帯ダリル様と妹のユリアン様とお茶会をしていますわ。
そのお茶会の席でダリル様にそう聞かれました。
「あまり行きたくはないのですけれど。一応エバンズ家の娘なので......」
「アイラ様は今、どのくらいの聖力が使えますの?まだ調べてみないと聖力か魔力かも分からないのですものね?私は昨年の魔力鑑定で魔力持ちだと分かりましたけれど」
そうなのです。この国の貴族のご子息、ご令嬢は10歳になると魔力鑑定をするのですわ。私は血筋で聖女認定に行くことになるのですけれど稀にそこで聖力ではなく魔力持ちだと判断される人もいます。その逆で魔力鑑定に行ったら聖力持ちと認定される人もいますのよ。因みにですがご子息が聖力持ちだと聖女様ではなく神子様候補とされ更に調べられるのですわ。
お兄様も聖力持ちでしたので神子様になれる素質があるか調べてもらいましたが残念ながら素質無しでしたの。それで聖騎士の方へ路線変更いたしましたわ。
変態神子様が誕生しなくて良かったと今では心の底から思います。
変態聖騎士もどうかと思いますが変態神子様よりはどうにかなると思いますの。
「私はそんなに力は使えませんの。少しだけ火を出せるとか水を出せるとか」
「あら?エレーネ様はアイラ様が北のお屋敷で光の攻撃をされたとおしゃっていましたよ?」
あ?え?
アイツ怖さのあまり何も覚えて無いって言ってたのに!
ベラベラと話しやがって!
はっ!最近キレやすくなってしまって申し訳ないですわ。
「エレーネ様の勘違いですの。それ、助けに来てくれたアクアが出した光ですわ」
「えー?そうなのですか?最近エレーネ様が周りの人達にアイラ様が光攻撃をして助けてくれた。天使だ。女神だ。って言いまわっていますまよ?」
あの野郎......ぶち殺す。
「あら、それは勘違いですって訂正してまわらないとですわね」
ミルクティーを飲みながらため息をつきました。私、紅茶デビューしましたのよ?まだミルクを入れないと飲めないですけど。
「そうだね。噂が広まると困るよね。聖女様に無理矢理ならせられたら......
ねぇ?僕とも会えなくなってしまうし周りには聖騎士の男性ばかりウロウロするんだよ?嫌だよね?」
最近のダリル様は私の側に殿方が居るのを異常はほど嫌がります。
アクアに関しては私が小さな頃から一緒に居るとの事で嫌そうですけれど納得はしているようです。
「お兄様、それならアイラ様が聖女様になる前に婚約者してしまえばいいのですわ!」
い、いや、ちょっと待って下さいましよ?私が聖女様に認定される事が前提になっていますけれど?
「そうは言っても聖女認定は1週間後だよ?流石に無理だよ」
「それもそうですわよね」
ユリアン様はふふふと冗談ですわ的な笑いをしましたがダリル様は真剣な表情です。
そもそも、婚約って。
私達お互いに「好きです」って告白もしていないですし。
雰囲気がラブラブ、イチャイチャなだけで......。
本当に、ですわ。
ダリル様は私をどう思っているのでしょうか?「美味しそう」と言われましたが「好き」とは言われていないのですわ。
私もダリル様には「好き」とは言っておりませんが。
自分の気持ちがよく分かりませんの。
このふわふわした幸せな気持ちが「恋」と言うのなら私はダリル様が好きなのでしょう。けれどもなんせ前の人生でも恋をした事がないので「?」なのですわ。
少し疑問を残しつつお茶会は終わりました。
それから数日後ですわ。
お父様とお母様が夕食の時にオレット様についてお話をされていました。
怪しげな宗教団体の教祖様になってから全然親交はないのですが。街ではその宗教団体の噂でもちきりなんだそうですわ。
黒魔術を使っているのでは、と。
その噂は本当でしょう。
前の人生でもオレット様やシャーロットは黒魔術を使っていましたし。
因みに今、シャーロットはオレット様と疎遠になっているので黒魔術は使っていないと思われますわ。
黒魔術は小さな術なら必要ないのですが大きな術を行うのならば生贄が必要になってくるのです。なので禁断なのですわ。
生贄は人間が1番効果があると黒魔術の本には書いてあるのです。
禁断の術なので黒魔術についてはある程度の知識とその歴史ぐらいしかどの本にも載ってはいません。術の掛け方などは絶対に記載されていません。
ですのでこの国の国民は黒魔術のやり方は知りません。
しかし、私が図書館で見つけたような本が闇市などで売られている事も事実です。そういった方面から黒魔術に手を染めてしまう人もいるのですわ。
オレット様の噂はあくまでも噂なので調べには入れないとお父様がおっしゃっていました。
一体オレット様は何をしているのでしょう?今世ではお母様を狙っている様には見えませんし放っておいても大丈夫でしょうか?
明日は聖女認定です。
本日は早めに寝ますわ。
聖女認定では聖力はあるものの微量です!と、いった感じでいきますわ。
その程度の力では聖女様にはなれないですわ~作戦です。
今でも変わらない私の今世でのテーマは地味に静かに目立たなく!ですもの。
この聖女認定さえクリアしましたら大丈夫な気がしますわ!頑張れ明日の私!
今日も私の安全地帯ダリル様と妹のユリアン様とお茶会をしていますわ。
そのお茶会の席でダリル様にそう聞かれました。
「あまり行きたくはないのですけれど。一応エバンズ家の娘なので......」
「アイラ様は今、どのくらいの聖力が使えますの?まだ調べてみないと聖力か魔力かも分からないのですものね?私は昨年の魔力鑑定で魔力持ちだと分かりましたけれど」
そうなのです。この国の貴族のご子息、ご令嬢は10歳になると魔力鑑定をするのですわ。私は血筋で聖女認定に行くことになるのですけれど稀にそこで聖力ではなく魔力持ちだと判断される人もいます。その逆で魔力鑑定に行ったら聖力持ちと認定される人もいますのよ。因みにですがご子息が聖力持ちだと聖女様ではなく神子様候補とされ更に調べられるのですわ。
お兄様も聖力持ちでしたので神子様になれる素質があるか調べてもらいましたが残念ながら素質無しでしたの。それで聖騎士の方へ路線変更いたしましたわ。
変態神子様が誕生しなくて良かったと今では心の底から思います。
変態聖騎士もどうかと思いますが変態神子様よりはどうにかなると思いますの。
「私はそんなに力は使えませんの。少しだけ火を出せるとか水を出せるとか」
「あら?エレーネ様はアイラ様が北のお屋敷で光の攻撃をされたとおしゃっていましたよ?」
あ?え?
アイツ怖さのあまり何も覚えて無いって言ってたのに!
ベラベラと話しやがって!
はっ!最近キレやすくなってしまって申し訳ないですわ。
「エレーネ様の勘違いですの。それ、助けに来てくれたアクアが出した光ですわ」
「えー?そうなのですか?最近エレーネ様が周りの人達にアイラ様が光攻撃をして助けてくれた。天使だ。女神だ。って言いまわっていますまよ?」
あの野郎......ぶち殺す。
「あら、それは勘違いですって訂正してまわらないとですわね」
ミルクティーを飲みながらため息をつきました。私、紅茶デビューしましたのよ?まだミルクを入れないと飲めないですけど。
「そうだね。噂が広まると困るよね。聖女様に無理矢理ならせられたら......
ねぇ?僕とも会えなくなってしまうし周りには聖騎士の男性ばかりウロウロするんだよ?嫌だよね?」
最近のダリル様は私の側に殿方が居るのを異常はほど嫌がります。
アクアに関しては私が小さな頃から一緒に居るとの事で嫌そうですけれど納得はしているようです。
「お兄様、それならアイラ様が聖女様になる前に婚約者してしまえばいいのですわ!」
い、いや、ちょっと待って下さいましよ?私が聖女様に認定される事が前提になっていますけれど?
「そうは言っても聖女認定は1週間後だよ?流石に無理だよ」
「それもそうですわよね」
ユリアン様はふふふと冗談ですわ的な笑いをしましたがダリル様は真剣な表情です。
そもそも、婚約って。
私達お互いに「好きです」って告白もしていないですし。
雰囲気がラブラブ、イチャイチャなだけで......。
本当に、ですわ。
ダリル様は私をどう思っているのでしょうか?「美味しそう」と言われましたが「好き」とは言われていないのですわ。
私もダリル様には「好き」とは言っておりませんが。
自分の気持ちがよく分かりませんの。
このふわふわした幸せな気持ちが「恋」と言うのなら私はダリル様が好きなのでしょう。けれどもなんせ前の人生でも恋をした事がないので「?」なのですわ。
少し疑問を残しつつお茶会は終わりました。
それから数日後ですわ。
お父様とお母様が夕食の時にオレット様についてお話をされていました。
怪しげな宗教団体の教祖様になってから全然親交はないのですが。街ではその宗教団体の噂でもちきりなんだそうですわ。
黒魔術を使っているのでは、と。
その噂は本当でしょう。
前の人生でもオレット様やシャーロットは黒魔術を使っていましたし。
因みに今、シャーロットはオレット様と疎遠になっているので黒魔術は使っていないと思われますわ。
黒魔術は小さな術なら必要ないのですが大きな術を行うのならば生贄が必要になってくるのです。なので禁断なのですわ。
生贄は人間が1番効果があると黒魔術の本には書いてあるのです。
禁断の術なので黒魔術についてはある程度の知識とその歴史ぐらいしかどの本にも載ってはいません。術の掛け方などは絶対に記載されていません。
ですのでこの国の国民は黒魔術のやり方は知りません。
しかし、私が図書館で見つけたような本が闇市などで売られている事も事実です。そういった方面から黒魔術に手を染めてしまう人もいるのですわ。
オレット様の噂はあくまでも噂なので調べには入れないとお父様がおっしゃっていました。
一体オレット様は何をしているのでしょう?今世ではお母様を狙っている様には見えませんし放っておいても大丈夫でしょうか?
明日は聖女認定です。
本日は早めに寝ますわ。
聖女認定では聖力はあるものの微量です!と、いった感じでいきますわ。
その程度の力では聖女様にはなれないですわ~作戦です。
今でも変わらない私の今世でのテーマは地味に静かに目立たなく!ですもの。
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