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第一章
調べてみますわ
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前の人生で王妃教育をしに王城に通っていた時にエスグライド帝国について少しお勉強いたしました。
その時は隣国はこういった国ですよ、みたいなサラッとした感じで習いました。
私が少し隣国について興味が湧いたので王立図書館でエスグライド帝国について調べていたらとてもマイナーな書物に黒魔術の記載があったのですわ。
それにしても前の人生ではこのような事は起こっていませんでした。
エスグライド帝国が戦に負けたのは同じですけれど国王様はマーレ様を含めて王族を皆処刑したはずですわ。
今世では少しづつ色々な事が変わってきています。でもそうなのでしょう。私の行動もまるっきり違いますし、それが巡り巡って他の人の人生にも影響している可能性だってありますものね。
話が逸れましたわ。元に戻しますわね。
図書館で見つけた書物には黒魔術の中でも禁断と言われています「月と死者」と呼ばれている術だったと記憶しています。多分あの書物は黒魔術のタブーが書かれた物だったと推測されますわ。
だって誰も来ないようなマニアックなコーナーの本棚の更に奥に置いてありましたもの。
あの頃は周りの人達から気持ち悪るがられ、話しかけられもしない、お友達も居なかったのでよくお父様に連れて行ってもらいましたわ。それで隅から隅まで本を読んでいたのでその様な書物も見つけたのでしょうね。
今、その知識が役に立つとは思ってもいませんでしたが。
大まかに術の内容は覚えているのですがきちんと読み直さないといけません。
これは王立図書館に行かなければ!
マーレ様が動き出す前に知識を頭に入れて置かないと!
王立図書館は王族が所蔵している書物を保管して読みたい人に読んでもらう場所です。全ての書物は貸し出し禁止なので図書館で読まなくてはいけませんの。
図書館の場所も王城の敷地内です。
私はお母様に頼んで連れて行ってもらう事にしました。
基本的に子供は親と一緒でなければ図書館に入れません。更に貴族でないと入れませんの。
お母様も私の気分転換になるのならと連れて行ってくれましたわ。アクアとマリルも一緒です。
図書館は広いので一階の中央にあるカフェでお母様には待っていてもらうことにしましたわ。マリルと2人でケーキなど召し上がっていて下さいませね。
私はアクアと黒魔術のコーナーに向かいます。前の人生での記憶をたどりマイナーな本棚を発見しました。
「なぁ、調べるのか?何か面倒くさい事になりそうで俺はオススメしないぞ?」
「だって何もしなくても絶対に向こうは仕掛けてくるはずですわ。ならば色々調べておくほうがいいです」
アクアが拗ねたように近くの椅子に座りました。
私はあのレアな書物を必死に探しました。時間は限られているのです。お母様がティータイムに飽きたら終わりですの。
見つけました!記憶にあるとおり古くて今にも破けそうですわ。
私は丁寧にその書物を本棚から抜き出して椅子に座り読み漁ります。
ありました!「月と死者」のページが!子供の眼球を集めて行う黒魔術です。やはり死者を蘇らせる術ですわ。
うん。うん。
私は素早く頭にこの黒魔術の知識を叩き込みます。必死になって書物を読んでいる私の前に誰か立ちました。暗い影ができて文字が見えずらいですわ!
アクアなのかしら?
顔を上げるとそこにはマーレ様が立って居ました。
え⁉︎私は驚きのあまり声も出ません。
マーレ様がニコニコしながら私に触ろうとします。
「あ~。悪いけどあんまりコイツのこと触らせたくないんだよな。おばさん、なんの用?」
アクアの声がしたかと思うと体が浮きましたわ。気がつくとアクアにお姫様抱っこされています。流石契約悪魔ですわね。
「ふふふ。悪魔を従僕にしているご令嬢なんて初めて会いました。とても面白いですわね」
マーレ様が話します。
綺麗な声です。
そして綺麗なピンクの瞳で私をじっと見ていますわ。もの凄く美人さんです。
「私の屋敷で聖力を使ったのは貴方かしら?見た感じでは貴方からは何の力も感じないのだけれど......」
お母様!やりましたわ!黒魔術の達人さえも感知できない様に術をかけて下さっているのですね!
現役時代、右に出る者がいないと言われたお母様の聖力!素晴らしいです。
「何の事ですか?」
とりあえずトボけます。
だってまだ6歳児ですもの。
子供ですもの。
「ふふふ。まぁ、良いでしょう。直ぐに分かります」
マーレ様の瞳が光りました。
周りの本が飛び散ります。
アクアがシールドを張って守ってくれていますが凄い勢いで私達にぶつかってきます。更に周りの空気が鋭い刃物の様になってそこらじゅうの物を切り裂いていきます。
アクアのシールドにも斬りかかってきています。
アクアが攻撃しようとするとパッとマーレ様の姿が消えました。すると今まで宙に舞っていた本が本棚に綺麗に収まりました。マーレ様の力で切り刻まれた物も元にもどって切り裂かれた跡もありません。何事も無かったように静寂がもどっていますわ。
「脅しか......」
アクアが呟きました。
いえ、脅しではなく戦線布告ですわ!
その時は隣国はこういった国ですよ、みたいなサラッとした感じで習いました。
私が少し隣国について興味が湧いたので王立図書館でエスグライド帝国について調べていたらとてもマイナーな書物に黒魔術の記載があったのですわ。
それにしても前の人生ではこのような事は起こっていませんでした。
エスグライド帝国が戦に負けたのは同じですけれど国王様はマーレ様を含めて王族を皆処刑したはずですわ。
今世では少しづつ色々な事が変わってきています。でもそうなのでしょう。私の行動もまるっきり違いますし、それが巡り巡って他の人の人生にも影響している可能性だってありますものね。
話が逸れましたわ。元に戻しますわね。
図書館で見つけた書物には黒魔術の中でも禁断と言われています「月と死者」と呼ばれている術だったと記憶しています。多分あの書物は黒魔術のタブーが書かれた物だったと推測されますわ。
だって誰も来ないようなマニアックなコーナーの本棚の更に奥に置いてありましたもの。
あの頃は周りの人達から気持ち悪るがられ、話しかけられもしない、お友達も居なかったのでよくお父様に連れて行ってもらいましたわ。それで隅から隅まで本を読んでいたのでその様な書物も見つけたのでしょうね。
今、その知識が役に立つとは思ってもいませんでしたが。
大まかに術の内容は覚えているのですがきちんと読み直さないといけません。
これは王立図書館に行かなければ!
マーレ様が動き出す前に知識を頭に入れて置かないと!
王立図書館は王族が所蔵している書物を保管して読みたい人に読んでもらう場所です。全ての書物は貸し出し禁止なので図書館で読まなくてはいけませんの。
図書館の場所も王城の敷地内です。
私はお母様に頼んで連れて行ってもらう事にしました。
基本的に子供は親と一緒でなければ図書館に入れません。更に貴族でないと入れませんの。
お母様も私の気分転換になるのならと連れて行ってくれましたわ。アクアとマリルも一緒です。
図書館は広いので一階の中央にあるカフェでお母様には待っていてもらうことにしましたわ。マリルと2人でケーキなど召し上がっていて下さいませね。
私はアクアと黒魔術のコーナーに向かいます。前の人生での記憶をたどりマイナーな本棚を発見しました。
「なぁ、調べるのか?何か面倒くさい事になりそうで俺はオススメしないぞ?」
「だって何もしなくても絶対に向こうは仕掛けてくるはずですわ。ならば色々調べておくほうがいいです」
アクアが拗ねたように近くの椅子に座りました。
私はあのレアな書物を必死に探しました。時間は限られているのです。お母様がティータイムに飽きたら終わりですの。
見つけました!記憶にあるとおり古くて今にも破けそうですわ。
私は丁寧にその書物を本棚から抜き出して椅子に座り読み漁ります。
ありました!「月と死者」のページが!子供の眼球を集めて行う黒魔術です。やはり死者を蘇らせる術ですわ。
うん。うん。
私は素早く頭にこの黒魔術の知識を叩き込みます。必死になって書物を読んでいる私の前に誰か立ちました。暗い影ができて文字が見えずらいですわ!
アクアなのかしら?
顔を上げるとそこにはマーレ様が立って居ました。
え⁉︎私は驚きのあまり声も出ません。
マーレ様がニコニコしながら私に触ろうとします。
「あ~。悪いけどあんまりコイツのこと触らせたくないんだよな。おばさん、なんの用?」
アクアの声がしたかと思うと体が浮きましたわ。気がつくとアクアにお姫様抱っこされています。流石契約悪魔ですわね。
「ふふふ。悪魔を従僕にしているご令嬢なんて初めて会いました。とても面白いですわね」
マーレ様が話します。
綺麗な声です。
そして綺麗なピンクの瞳で私をじっと見ていますわ。もの凄く美人さんです。
「私の屋敷で聖力を使ったのは貴方かしら?見た感じでは貴方からは何の力も感じないのだけれど......」
お母様!やりましたわ!黒魔術の達人さえも感知できない様に術をかけて下さっているのですね!
現役時代、右に出る者がいないと言われたお母様の聖力!素晴らしいです。
「何の事ですか?」
とりあえずトボけます。
だってまだ6歳児ですもの。
子供ですもの。
「ふふふ。まぁ、良いでしょう。直ぐに分かります」
マーレ様の瞳が光りました。
周りの本が飛び散ります。
アクアがシールドを張って守ってくれていますが凄い勢いで私達にぶつかってきます。更に周りの空気が鋭い刃物の様になってそこらじゅうの物を切り裂いていきます。
アクアのシールドにも斬りかかってきています。
アクアが攻撃しようとするとパッとマーレ様の姿が消えました。すると今まで宙に舞っていた本が本棚に綺麗に収まりました。マーレ様の力で切り刻まれた物も元にもどって切り裂かれた跡もありません。何事も無かったように静寂がもどっていますわ。
「脅しか......」
アクアが呟きました。
いえ、脅しではなく戦線布告ですわ!
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