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王太子選定の儀・一騎打ち
98 それは300年前に変えられた
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「目が覚めたと聞いた」
蒼玉は、見下すような声で言った。水奈はあえて返事をせず、慎重に身を起こした。
すぐに、蒼玉が「やめろ」と眉をひそめる。
「桂の話を聞いてないのか? 寝たままでいろ。お前に何かあれば、〈銀龍の愛し子〉の力が失われる」
言いながら蒼玉は、布団のそばであぐらをかいた。水奈は蒼玉を睨みつつ、布団の上で正座をした。
首に違和感はあったが、蒼玉の前で無防備な姿をさらすと、油断してしまいそうで怖かった。
「……言うことを聞かないやつだな」
蒼玉が、いら立たしげに水奈を睨み返す。
水奈は、鋭いその目をじっと見すえて言い返した。
「王子殿下の前で横になるなど、不敬にあたります」
「命令を無視する方が不敬だ」
「それでも、守るべき礼儀はございます」
「否定はしないが、お前に大事があると俺が困る。今すぐ横になり、少なくとも明日までは安静にしていろ。さもなくば洗濯女全員に、お前が命令を無視した責任を取らせる」
蒼玉が、自身の首をトントンと指した。水奈の頭に、仲間が次々と処刑される映像がよぎる。
「……かしこまりました」
水奈は蒼玉から目をそらして、布団に入った。
「では、さっそくだが」
天井を見つめる水奈に、蒼玉が話しかけてくる。
「〈銀龍の愛し子〉の力を、俺に与えろ」
「お断りします」
水奈は、小さいがきっぱりとした声で答えた。蒼玉が、フンと鼻で笑う。
「まあ、すぐに応じるとは思っていない。力を得るのは、王位につき、雪晴を殺してからでも遅くはないが」
「……」
水奈が顔をしかめると、蒼玉は楽しげに笑って話を続けた。
「早いに越したことはない。だから交渉だ。お前に利のある条件を持ってきた」
「私は、お金も地位もいりません」
「では、お前の望む世界ならどうだ」
「世界……領地、という意味ですか?」
「いや。堂々と顔を出しても何も言われない、という世界だ」
「え?」
ずっと天井を見ていた水奈は、怪訝に眉を寄せ、蒼玉を見た。蒼玉は満足げな笑みを浮かべた。
「興味があるか」
「……いいえ。そのような世界は、あり得ません」
「いや、あり得る」
「なぜそう言い切れるのですか? 鱗は醜く、卑しいもの。神話に書かれているのですよ」
「その神話が偽りだとしたら?」
水奈の呼吸が、一瞬止まった。目を見開き、吸い込まれるように蒼玉を見つめる。
「そんな……そんなはず、ありません。だって、ずっと語り継がれてきたのに。銀龍国が生まれた、千五百年前からずっと──」
「違う」
蒼玉の厳しい声が、水奈の言葉をブツリと切った。
「今、知られている神話は三百年前に作り変えられたものだ。当時の国王によって」
「ど、どういうことですか?」
水奈は震える声で尋ねた。
「知りたいか?」
知りたい──口から出そうになった言葉を、しかし水奈はのみ込んだ。
安易に蒼玉の誘いに乗れば、対価を要求されると思った。
水奈の警戒を見通したのか、蒼玉は嘲りの表情を浮かべ、
「慎重なのは結構だが、やり過ぎると好機を逃すぞ」
と、言った。水奈は蒼玉から目をそらして、誘惑に抗うように言い返した。
「デタラメはおやめください。そのような話、神官様たちは誰も口になさっていません」
「それは当然だ。三百年前、国王に逆らった神官は全員、流刑か終身刑、斬首刑に処されたのだからな」
「! 三百年前にも、そんなことが……?」
水奈の呟きに、蒼玉はすかさず反応した。
「『三百年前にも』だと? もしや……お前、先々代国王が神官長らを処刑したことを知っているのか? ひょっとして、〈銀龍の愛し子〉について書かれた書物のことも?」
水奈はとっさに口をつぐみ、蒼玉から顔を背けた。しかし、そのしぐさは肯定を表すことにしかならなかった。
蒼玉は確信した声で、水奈に語りかけてくる。
「お祖父様──前王様もおっしゃっていたが、先々代は早計だった。公の場で神官たちを惨殺するなど、神殿の反感を買うに決まっている」
前王は神殿の信頼を回復するのに苦労したらしい、と蒼玉はため息をついた。
「しかし、なぜ書物のことまで知っているんだ。その時の生き残りがいるのか? それとも、〈銀龍の愛し子〉について神殿はひそかに語り継いでいるのか?」
「……私は、何も知りません」
「フン……まあ、どうでもいい。とにかく、先々代国王が焼いた書物について、知っているんだな?」
蒼玉は、押し黙る水奈に話を続ける。
「しかし、本来の神話を知らないのなら、あまり読み込んでいないのか。ということは、王家に伝わる話を知っているのは今や俺だけ、というわけだ」
水奈は、無視を決め込んだふりをしながら、やはり話が気になって、全身を耳にしていた。
蒼玉もそれをわかっているらしく、話をやめようとしない。
「三百年前の事件以前は、神話は今とは違っていた。魚や蛇は、醜い己を嘆いて滝を上ったのではない。美しい琴を奏でる一人の娘を愛し、娘を守るために銀龍となったのだ」
「琴……?」
思わず水奈が呟くと、蒼玉は「ああ」と言った。
「銀龍に演奏を捧げる琴祭は、それが由来だ。神話の中には、昔から変わらないも部分もあるからな。鱗を持つ生き物を避けよ、という教えもそうだ。その理由は変わってしまったが」
かつて、魚や蛇は銀龍の「同胞」であり、神聖な生き物だから捕えてはならない、とされていた。
その話で、水奈はついに背後を振り返ってしまった。
「同胞? 魚や蛇が?」
蒼玉は、まっすぐ水奈を見すえてうなずいた。
「そうだ。元々、鱗ある生き物は神聖なものだった。もちろん〈銀龍の愛し子〉も。〈愛し子〉は国王に力を与え、代わりに地位を得た。時には王族と婚姻したこともあったらしい。王家と〈銀龍の愛し子〉は、持ちつ持たれつの関係だった。しかし、三百年前、その関係が崩れた」
「何が……あったのですか?」
「〈銀龍の愛し子〉が、謀反を企てたそうだ」
水奈は目を丸くして、「どうして」と呟いた。蒼玉は冷たく笑い、また口を開いた。
「当時の〈銀龍の愛し子〉は王妃でもあり、政治への関心が強くてな。それだけならよかったが、国王と真っ向から意見が対立したそうだ」
「それで、謀反を?」
水奈は、駄目だと思いながらも質問を止められなかった。
「ああ。しかし、反乱の決行前夜に国王が勘づいた。国王は、最愛の妻の裏切りに怒り狂った。王妃一味は処刑されたが、それでも国王の怒りは鎮まらなかった」
国王は、〈銀龍の愛し子〉という存在そのものを激しく憎んだという。
「そこで、〈銀龍の愛し子〉が二度と王家に近付かないよう、神殿に命じたらしい。〈銀龍の愛し子〉の存在を消せ、鱗は卑しいものとせよ、と」
抵抗した神官は、全員殺された。本来の神話や〈銀龍の愛し子〉に関わる書物は、全て焼かれた。
当時の国王は、新たに神話を書かせ、それを国じゅうに広めた。本来の神話を口にした者は、妄言を吐いたとして死罪になった──。
「顔色が悪いぞ」
ふいに蒼玉が言った。冷淡なその声に、水奈はますます気分が悪くなった。
横になっていなければ、めまいに襲われていたかもしれない。
蒼玉の声を聞きたくなくて、水奈は口を開いた。
「蒼玉殿下は……その話を、再び世に広めるおつもりなのですね。本来の神話を復活させ、〈銀龍の愛し子〉の地位を元に戻そうとなさっているのでしょう?」
「ああ。これまでの王は『〈銀龍の愛し子〉は危険だ』として、何も変えようとしなかった。だからといって、有益な人間を消すなどもったいないだろう? お前が俺に手を貸せば、世界を変えてやる。どうだ? 」
「いいえ、だって……そんなこと、不可能ですから」
蒼玉は、見下すような声で言った。水奈はあえて返事をせず、慎重に身を起こした。
すぐに、蒼玉が「やめろ」と眉をひそめる。
「桂の話を聞いてないのか? 寝たままでいろ。お前に何かあれば、〈銀龍の愛し子〉の力が失われる」
言いながら蒼玉は、布団のそばであぐらをかいた。水奈は蒼玉を睨みつつ、布団の上で正座をした。
首に違和感はあったが、蒼玉の前で無防備な姿をさらすと、油断してしまいそうで怖かった。
「……言うことを聞かないやつだな」
蒼玉が、いら立たしげに水奈を睨み返す。
水奈は、鋭いその目をじっと見すえて言い返した。
「王子殿下の前で横になるなど、不敬にあたります」
「命令を無視する方が不敬だ」
「それでも、守るべき礼儀はございます」
「否定はしないが、お前に大事があると俺が困る。今すぐ横になり、少なくとも明日までは安静にしていろ。さもなくば洗濯女全員に、お前が命令を無視した責任を取らせる」
蒼玉が、自身の首をトントンと指した。水奈の頭に、仲間が次々と処刑される映像がよぎる。
「……かしこまりました」
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「では、さっそくだが」
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「〈銀龍の愛し子〉の力を、俺に与えろ」
「お断りします」
水奈は、小さいがきっぱりとした声で答えた。蒼玉が、フンと鼻で笑う。
「まあ、すぐに応じるとは思っていない。力を得るのは、王位につき、雪晴を殺してからでも遅くはないが」
「……」
水奈が顔をしかめると、蒼玉は楽しげに笑って話を続けた。
「早いに越したことはない。だから交渉だ。お前に利のある条件を持ってきた」
「私は、お金も地位もいりません」
「では、お前の望む世界ならどうだ」
「世界……領地、という意味ですか?」
「いや。堂々と顔を出しても何も言われない、という世界だ」
「え?」
ずっと天井を見ていた水奈は、怪訝に眉を寄せ、蒼玉を見た。蒼玉は満足げな笑みを浮かべた。
「興味があるか」
「……いいえ。そのような世界は、あり得ません」
「いや、あり得る」
「なぜそう言い切れるのですか? 鱗は醜く、卑しいもの。神話に書かれているのですよ」
「その神話が偽りだとしたら?」
水奈の呼吸が、一瞬止まった。目を見開き、吸い込まれるように蒼玉を見つめる。
「そんな……そんなはず、ありません。だって、ずっと語り継がれてきたのに。銀龍国が生まれた、千五百年前からずっと──」
「違う」
蒼玉の厳しい声が、水奈の言葉をブツリと切った。
「今、知られている神話は三百年前に作り変えられたものだ。当時の国王によって」
「ど、どういうことですか?」
水奈は震える声で尋ねた。
「知りたいか?」
知りたい──口から出そうになった言葉を、しかし水奈はのみ込んだ。
安易に蒼玉の誘いに乗れば、対価を要求されると思った。
水奈の警戒を見通したのか、蒼玉は嘲りの表情を浮かべ、
「慎重なのは結構だが、やり過ぎると好機を逃すぞ」
と、言った。水奈は蒼玉から目をそらして、誘惑に抗うように言い返した。
「デタラメはおやめください。そのような話、神官様たちは誰も口になさっていません」
「それは当然だ。三百年前、国王に逆らった神官は全員、流刑か終身刑、斬首刑に処されたのだからな」
「! 三百年前にも、そんなことが……?」
水奈の呟きに、蒼玉はすかさず反応した。
「『三百年前にも』だと? もしや……お前、先々代国王が神官長らを処刑したことを知っているのか? ひょっとして、〈銀龍の愛し子〉について書かれた書物のことも?」
水奈はとっさに口をつぐみ、蒼玉から顔を背けた。しかし、そのしぐさは肯定を表すことにしかならなかった。
蒼玉は確信した声で、水奈に語りかけてくる。
「お祖父様──前王様もおっしゃっていたが、先々代は早計だった。公の場で神官たちを惨殺するなど、神殿の反感を買うに決まっている」
前王は神殿の信頼を回復するのに苦労したらしい、と蒼玉はため息をついた。
「しかし、なぜ書物のことまで知っているんだ。その時の生き残りがいるのか? それとも、〈銀龍の愛し子〉について神殿はひそかに語り継いでいるのか?」
「……私は、何も知りません」
「フン……まあ、どうでもいい。とにかく、先々代国王が焼いた書物について、知っているんだな?」
蒼玉は、押し黙る水奈に話を続ける。
「しかし、本来の神話を知らないのなら、あまり読み込んでいないのか。ということは、王家に伝わる話を知っているのは今や俺だけ、というわけだ」
水奈は、無視を決め込んだふりをしながら、やはり話が気になって、全身を耳にしていた。
蒼玉もそれをわかっているらしく、話をやめようとしない。
「三百年前の事件以前は、神話は今とは違っていた。魚や蛇は、醜い己を嘆いて滝を上ったのではない。美しい琴を奏でる一人の娘を愛し、娘を守るために銀龍となったのだ」
「琴……?」
思わず水奈が呟くと、蒼玉は「ああ」と言った。
「銀龍に演奏を捧げる琴祭は、それが由来だ。神話の中には、昔から変わらないも部分もあるからな。鱗を持つ生き物を避けよ、という教えもそうだ。その理由は変わってしまったが」
かつて、魚や蛇は銀龍の「同胞」であり、神聖な生き物だから捕えてはならない、とされていた。
その話で、水奈はついに背後を振り返ってしまった。
「同胞? 魚や蛇が?」
蒼玉は、まっすぐ水奈を見すえてうなずいた。
「そうだ。元々、鱗ある生き物は神聖なものだった。もちろん〈銀龍の愛し子〉も。〈愛し子〉は国王に力を与え、代わりに地位を得た。時には王族と婚姻したこともあったらしい。王家と〈銀龍の愛し子〉は、持ちつ持たれつの関係だった。しかし、三百年前、その関係が崩れた」
「何が……あったのですか?」
「〈銀龍の愛し子〉が、謀反を企てたそうだ」
水奈は目を丸くして、「どうして」と呟いた。蒼玉は冷たく笑い、また口を開いた。
「当時の〈銀龍の愛し子〉は王妃でもあり、政治への関心が強くてな。それだけならよかったが、国王と真っ向から意見が対立したそうだ」
「それで、謀反を?」
水奈は、駄目だと思いながらも質問を止められなかった。
「ああ。しかし、反乱の決行前夜に国王が勘づいた。国王は、最愛の妻の裏切りに怒り狂った。王妃一味は処刑されたが、それでも国王の怒りは鎮まらなかった」
国王は、〈銀龍の愛し子〉という存在そのものを激しく憎んだという。
「そこで、〈銀龍の愛し子〉が二度と王家に近付かないよう、神殿に命じたらしい。〈銀龍の愛し子〉の存在を消せ、鱗は卑しいものとせよ、と」
抵抗した神官は、全員殺された。本来の神話や〈銀龍の愛し子〉に関わる書物は、全て焼かれた。
当時の国王は、新たに神話を書かせ、それを国じゅうに広めた。本来の神話を口にした者は、妄言を吐いたとして死罪になった──。
「顔色が悪いぞ」
ふいに蒼玉が言った。冷淡なその声に、水奈はますます気分が悪くなった。
横になっていなければ、めまいに襲われていたかもしれない。
蒼玉の声を聞きたくなくて、水奈は口を開いた。
「蒼玉殿下は……その話を、再び世に広めるおつもりなのですね。本来の神話を復活させ、〈銀龍の愛し子〉の地位を元に戻そうとなさっているのでしょう?」
「ああ。これまでの王は『〈銀龍の愛し子〉は危険だ』として、何も変えようとしなかった。だからといって、有益な人間を消すなどもったいないだろう? お前が俺に手を貸せば、世界を変えてやる。どうだ? 」
「いいえ、だって……そんなこと、不可能ですから」
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