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雪晴の覚醒
68 白銀城へ
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何十人という兵士の中から、一人が進み出てくる。
「雪晴殿下、ご無事ですか!」
齢四十前後の男だ。身につけている甲冑は、深緑の威糸で彩られている。
緑は、高位以上の貴族に許された色。おそらく彼が隊長だろう。
「私は大丈夫だが……」
雪晴は、困惑しながら答えた。
「お前たちは何者だ? 何の用で来た?」
「私は、近衛兵第一部隊隊長、荒樫と申します。殿下の侍女を捕らえに参りました」
「何だと⁉︎」
雪晴は、水奈を抱く手に力を込めた。
それと同時に、荒樫を始め十名ほどの兵士が、ドカドカと土間に踏み込んでくる。
「水奈が何をしたというんだ!」
雪晴は、周りを取り囲む兵士を見回し、彼らを怒鳴りつけた。が、荒樫は落ち着き払って低い声で答えた。
「この娘は、殿下の殺害を企てています」
「そんな……! 私、そんなこと考えていません!」
「黙れ、魚女が!」
荒樫の雷鳴のような大声に、水奈はビクッと震えた。
「第一王子蒼玉殿下が神託をご覧になったのだ。 近々、お前が雪晴殿下を殺すかもしれぬと!」
「蒼玉兄上が?」
雪晴は、戸惑った様子で聞き返した。
「そうです。……が、すでに事はおこなわれたようですな」
荒樫は眉を寄せ、雪晴と水奈の全身を眺めた。二人の体には、ところどころに泥がついている。
「魚女が雪晴殿下を沼に落としたのでしょう?」
「違う!」
雪晴は、荒樫が言い終わる前に叫んだ。
「沼には落とされたが、別の者のしわざだ。水奈は私を助けてくれたんだ!」
「我々が来たことを察して、そのように振る舞っただけでしょう。殿下のお目が見えぬのをいいことに、嘘をついたのでは? ほかの者へ、罪をなすりつけようとしたに違いありません。……おい、魚女を捕えろ!」
隊長が、すばやく水奈を指す。二人の兵士が水奈と雪晴のそばに駆け寄った。
籠手に覆われた太い腕が、水奈と雪晴を引き離す。
「やめろ!」
雪晴は、牙を剥く龍のように怒りをあらわにしたが、誰も聞く耳を持たない。
「やめろ、王子の命令が聞けないのか!」
「申し訳ありません。我々は陛下のご命令で動いておりますので」
「陛下が……⁉︎」
雪晴が呆然とする。水奈も同じように立ち尽くした。
雪晴を憎む国王が、なぜ雪晴を守るような命令を出したのか。
声にならなかった問いへ、水奈を睨む荒樫が答える。
「王族が洗濯女に殺されたとあれば、王家の威信が揺らぐ。万一が起きる前に、雪晴王子を救助すべきだ──蒼玉殿下が、陛下にそう進言なさったのです」
また、蒼玉。ほぼ無縁だった名前が何度も出てきて、水奈と雪晴は困惑していた。
その間に、別の兵士が水奈を縛り上げていく。水奈は我に返り、急いで声を張り上げた。
「待って、待ってください! 殿下のお着物が、まだ……!」
「うるさいっ! おい、魚女をさっさと連れていけ!」
「ハッ! かしこまりました」
兵士が、水奈を縛った縄を引く。水奈は、強引に外へ出された。
「水奈!」
雪晴の呼び声に、水奈は振り返ろうとした。しかし、また縄を引かれて雪晴の顔を見ることはできなかった。
それならせめて。水奈は、兵士たちに向かって声が裏返るほど叫んだ。
「お願いします! 誰か、神殿のタカ様を呼んでください!」
「黙れと言っただろうが!」
兵士が怒鳴りつけてきたが、水奈は怯まなかった。
「ここには着物がほとんどないんです! 食べるものも……どうか、最高位神官のタカ様に、『雪晴殿下を助けてください』と──ぐっ!」
水奈の口に、布が噛まされる。猿ぐつわをされて、水奈は言葉を出せなくなった。
「水奈! やめろ、水奈を離せ……!」
雪晴の叫びが遠ざかる。
水奈は、雪晴が気がかりで何度も振り返ろうとした。しかし、そのたびに縄を引かれて無理矢理歩かされ、とうとう沼地を出てしまった。
カエデの森を数歩進んだところで、水奈は諦めて前を向いた。
ごう、と正面から寒風が吹きつけてくる。目が乾かないよう、水奈はうつむいた。
(これからどうなるんだろう。殿下……殿下は大丈夫かしら。誰か、神殿へ伝えてくれればいいけど)
不安が頭の中でふくらみ、水奈をうなだれさせた。泥のついた草履に、視線が落ちる。
そのまま歩いていると、ヒソヒソと言い合う声が聞こえてきた。
「貧相な娘一人に、ずいぶん厳重だな。王族を守るといっても、雪晴王子だし……新兵に任せればいいのに」
「何を言ってるんだ。琴祭の日、こいつは銀龍様を怒らせたんだぞ。湖宇殿下が被害にあわれたらしい」
「何? 湖宇殿下が医師のもとへ運ばれたのは知っていたが……こいつのせいなのか?」
「ああ。妖術を使ったんじゃないか、という噂もある。雪晴殿下も、異能で殺されかけたのかもな。気をつけろ」
水奈を取り囲む空気が、サッと緊張する。縄と猿ぐつわを締め直す兵士もいる。
(痛い……!)
水奈は顔をゆがめたが、気に留める者はいない。むしろ縄を引く力が強まった。
水奈は転びそうになりながらも、ここで倒れては駄目だ、また雪晴のもとへ帰るためにも、という一心で向かい風に抗い、歩を進めた。
カエデの森を抜けると、白銀城はすぐに見えてくる。
毎日歩いている道なのに、水奈はひと足ごとに心細くなった。見慣れた白亜の城が、冷たい監獄のように思える。
兵士の列に気付いた使用人たちが、飛ぶように脇へ逃げていく。驚きつつも蔑むような目で、水奈を眺めてくる。
荘厳な城の門前で、兵士の列は止まった。
「卑しいお前を中へ入れるわけにはいかん。泥にまみれているしな」
隊長の荒樫が、水奈のそばに来て、吐き捨てるように言った。
しかし、今の水奈は、自分がどう思われようと関係なかった。雪晴がどうなったか、とにかくそれを聞かなくてはと思ったが。
「え、えんあ……」
猿ぐつわのせいで、赤子のような声しか出ない。それでも荒樫には伝わったようで、
「雪晴殿下のもとには、兵士を三人残してきた」
と、ひとりごとのような答えが返ってきた。
(よかった……! ありがとうございます!)
雪晴は城中から蔑まれている。放置されてもおかしくない。
にもかかわらず、荒樫は三人も部下を雪晴につけてくれたのだ。
水奈は荒樫の方を向き、深く頭を下げた。
しばらくして顔を上げると、周りの兵士が、戸惑いながら顔を見合わせていた。
その中で、荒樫は蔑みの薄れた目で水奈を見た。
「……おい、魚女。お前は本当に──」
荒樫が、そう言いかけた時。
「国王陛下、湖宇殿下、並びに蒼玉殿下がいらっしゃいました!」
門の中から、兵士が知らせとともに飛び出してきた。
水奈を囲む兵士たちが、一斉に門の方へ向き直り、膝をつく。水奈も縄を引かれ、跪かされた。
門の中から、狩衣姿の男性が三人現れた。
向かって右にいるのは、鮮やかな橙色の衣をまとう若者。顔を見なくても湖宇だとわかる。
中央を歩く国王は、紺色の袍を身につけている。
そして、その左後方を歩くのは、くすんだ水色の袍を着た青年。
(あれが、蒼玉殿下?)
水奈は、探るように青年を見た。
雪晴や湖宇と同じく、端正な面立ちだが、表情は冷たく、氷の仮面をかぶっているのかと錯覚しそうになる。
水奈の背中を寒気が走った。手足が恐れで粟立つ。
逃げるように視線をそらすと、咆哮にも似た怒声が飛んできた。
「雪晴殿下、ご無事ですか!」
齢四十前後の男だ。身につけている甲冑は、深緑の威糸で彩られている。
緑は、高位以上の貴族に許された色。おそらく彼が隊長だろう。
「私は大丈夫だが……」
雪晴は、困惑しながら答えた。
「お前たちは何者だ? 何の用で来た?」
「私は、近衛兵第一部隊隊長、荒樫と申します。殿下の侍女を捕らえに参りました」
「何だと⁉︎」
雪晴は、水奈を抱く手に力を込めた。
それと同時に、荒樫を始め十名ほどの兵士が、ドカドカと土間に踏み込んでくる。
「水奈が何をしたというんだ!」
雪晴は、周りを取り囲む兵士を見回し、彼らを怒鳴りつけた。が、荒樫は落ち着き払って低い声で答えた。
「この娘は、殿下の殺害を企てています」
「そんな……! 私、そんなこと考えていません!」
「黙れ、魚女が!」
荒樫の雷鳴のような大声に、水奈はビクッと震えた。
「第一王子蒼玉殿下が神託をご覧になったのだ。 近々、お前が雪晴殿下を殺すかもしれぬと!」
「蒼玉兄上が?」
雪晴は、戸惑った様子で聞き返した。
「そうです。……が、すでに事はおこなわれたようですな」
荒樫は眉を寄せ、雪晴と水奈の全身を眺めた。二人の体には、ところどころに泥がついている。
「魚女が雪晴殿下を沼に落としたのでしょう?」
「違う!」
雪晴は、荒樫が言い終わる前に叫んだ。
「沼には落とされたが、別の者のしわざだ。水奈は私を助けてくれたんだ!」
「我々が来たことを察して、そのように振る舞っただけでしょう。殿下のお目が見えぬのをいいことに、嘘をついたのでは? ほかの者へ、罪をなすりつけようとしたに違いありません。……おい、魚女を捕えろ!」
隊長が、すばやく水奈を指す。二人の兵士が水奈と雪晴のそばに駆け寄った。
籠手に覆われた太い腕が、水奈と雪晴を引き離す。
「やめろ!」
雪晴は、牙を剥く龍のように怒りをあらわにしたが、誰も聞く耳を持たない。
「やめろ、王子の命令が聞けないのか!」
「申し訳ありません。我々は陛下のご命令で動いておりますので」
「陛下が……⁉︎」
雪晴が呆然とする。水奈も同じように立ち尽くした。
雪晴を憎む国王が、なぜ雪晴を守るような命令を出したのか。
声にならなかった問いへ、水奈を睨む荒樫が答える。
「王族が洗濯女に殺されたとあれば、王家の威信が揺らぐ。万一が起きる前に、雪晴王子を救助すべきだ──蒼玉殿下が、陛下にそう進言なさったのです」
また、蒼玉。ほぼ無縁だった名前が何度も出てきて、水奈と雪晴は困惑していた。
その間に、別の兵士が水奈を縛り上げていく。水奈は我に返り、急いで声を張り上げた。
「待って、待ってください! 殿下のお着物が、まだ……!」
「うるさいっ! おい、魚女をさっさと連れていけ!」
「ハッ! かしこまりました」
兵士が、水奈を縛った縄を引く。水奈は、強引に外へ出された。
「水奈!」
雪晴の呼び声に、水奈は振り返ろうとした。しかし、また縄を引かれて雪晴の顔を見ることはできなかった。
それならせめて。水奈は、兵士たちに向かって声が裏返るほど叫んだ。
「お願いします! 誰か、神殿のタカ様を呼んでください!」
「黙れと言っただろうが!」
兵士が怒鳴りつけてきたが、水奈は怯まなかった。
「ここには着物がほとんどないんです! 食べるものも……どうか、最高位神官のタカ様に、『雪晴殿下を助けてください』と──ぐっ!」
水奈の口に、布が噛まされる。猿ぐつわをされて、水奈は言葉を出せなくなった。
「水奈! やめろ、水奈を離せ……!」
雪晴の叫びが遠ざかる。
水奈は、雪晴が気がかりで何度も振り返ろうとした。しかし、そのたびに縄を引かれて無理矢理歩かされ、とうとう沼地を出てしまった。
カエデの森を数歩進んだところで、水奈は諦めて前を向いた。
ごう、と正面から寒風が吹きつけてくる。目が乾かないよう、水奈はうつむいた。
(これからどうなるんだろう。殿下……殿下は大丈夫かしら。誰か、神殿へ伝えてくれればいいけど)
不安が頭の中でふくらみ、水奈をうなだれさせた。泥のついた草履に、視線が落ちる。
そのまま歩いていると、ヒソヒソと言い合う声が聞こえてきた。
「貧相な娘一人に、ずいぶん厳重だな。王族を守るといっても、雪晴王子だし……新兵に任せればいいのに」
「何を言ってるんだ。琴祭の日、こいつは銀龍様を怒らせたんだぞ。湖宇殿下が被害にあわれたらしい」
「何? 湖宇殿下が医師のもとへ運ばれたのは知っていたが……こいつのせいなのか?」
「ああ。妖術を使ったんじゃないか、という噂もある。雪晴殿下も、異能で殺されかけたのかもな。気をつけろ」
水奈を取り囲む空気が、サッと緊張する。縄と猿ぐつわを締め直す兵士もいる。
(痛い……!)
水奈は顔をゆがめたが、気に留める者はいない。むしろ縄を引く力が強まった。
水奈は転びそうになりながらも、ここで倒れては駄目だ、また雪晴のもとへ帰るためにも、という一心で向かい風に抗い、歩を進めた。
カエデの森を抜けると、白銀城はすぐに見えてくる。
毎日歩いている道なのに、水奈はひと足ごとに心細くなった。見慣れた白亜の城が、冷たい監獄のように思える。
兵士の列に気付いた使用人たちが、飛ぶように脇へ逃げていく。驚きつつも蔑むような目で、水奈を眺めてくる。
荘厳な城の門前で、兵士の列は止まった。
「卑しいお前を中へ入れるわけにはいかん。泥にまみれているしな」
隊長の荒樫が、水奈のそばに来て、吐き捨てるように言った。
しかし、今の水奈は、自分がどう思われようと関係なかった。雪晴がどうなったか、とにかくそれを聞かなくてはと思ったが。
「え、えんあ……」
猿ぐつわのせいで、赤子のような声しか出ない。それでも荒樫には伝わったようで、
「雪晴殿下のもとには、兵士を三人残してきた」
と、ひとりごとのような答えが返ってきた。
(よかった……! ありがとうございます!)
雪晴は城中から蔑まれている。放置されてもおかしくない。
にもかかわらず、荒樫は三人も部下を雪晴につけてくれたのだ。
水奈は荒樫の方を向き、深く頭を下げた。
しばらくして顔を上げると、周りの兵士が、戸惑いながら顔を見合わせていた。
その中で、荒樫は蔑みの薄れた目で水奈を見た。
「……おい、魚女。お前は本当に──」
荒樫が、そう言いかけた時。
「国王陛下、湖宇殿下、並びに蒼玉殿下がいらっしゃいました!」
門の中から、兵士が知らせとともに飛び出してきた。
水奈を囲む兵士たちが、一斉に門の方へ向き直り、膝をつく。水奈も縄を引かれ、跪かされた。
門の中から、狩衣姿の男性が三人現れた。
向かって右にいるのは、鮮やかな橙色の衣をまとう若者。顔を見なくても湖宇だとわかる。
中央を歩く国王は、紺色の袍を身につけている。
そして、その左後方を歩くのは、くすんだ水色の袍を着た青年。
(あれが、蒼玉殿下?)
水奈は、探るように青年を見た。
雪晴や湖宇と同じく、端正な面立ちだが、表情は冷たく、氷の仮面をかぶっているのかと錯覚しそうになる。
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