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琴祭の奇跡
31 二度目、三度目の神託
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「いえ……ずれているようです」
「ずれてる? 何がずれてるんだ?」
「音です。少しずつですが、すべての音が狂っています」
水奈は、弦を支える琴柱を見つめた。
印の位置にぴったりと重なっている。なのに、音が狂うということは。
(もしかして、わざと間違ったところに印を……?)
これらの琴は湖宇の贈り物。何かしら手が加わっていても不思議ではない。
(だとしたら……許せない)
水奈が何も知らなければ、琴祭当日、このまま琴を神殿へ預けてしまっただろう。
以前、「琴祭の日は忙しい」と雪晴は言った。神官による琴の調律は──調弦は期待できない。
水奈と雪晴は、大勢の貴人を前に、ゆがんだ音を響かせることになる。
その結果、どうなるか。考えるまでもない。
そうやって湖宇が、雪晴を陥れようとしたのなら。
水奈の中に、湖宇への怒りがまた湧いてくる。
(もう、雪晴殿下を馬鹿になんてさせない。私が殿下をお助けするんだ。何とか調弦して、絶対に演奏を成功させるんだ!)
そうすれば湖宇を見返せる。いや、それだけで終わらないかもしれない。
雪晴は一度、神託らしきものを視た。
あれが何度もくり返されれば、「たしかに神託を視た」と貴族に示せる。
雪晴が琴祭を成功させて、その上神託を視たと証明できれば──国王も、雪晴を無視できなくなるはずだ。
(でも、どうして急に神託が視えたんだろう……〈銀龍の愛し子〉の力がやっと伝わったのかしら。それなら、殿下にもっと力をお分けしたい。もっと──!)
水奈は目を伏せ、強く祈った。
次の瞬間、雪晴の苦しげなうめき声が聞こえた。
「痛っ……!」
「殿下⁉︎」
驚いてまぶたを開けると、雪晴が両手で顔を覆っていた。
水奈は畳の床を蹴って立ち上がり、雪晴に駆け寄った。
「どうなさいましたか?」
「また……まただ。また、目が……」
言いながら雪晴は、正面を見すえるように顔を上げた。
「……もう大丈夫だ。驚かせてすまなかったね。でも……また何かがある。今度は、前よりはっきりしてるよ」
「本当ですか⁉︎ それは神託かもしれません。何と書かれてありますか?」
水奈は、次々に自分の琴爪を外した。雪晴の分もだ。
それから手のひらをパッと広げて、その上に雪晴の指を置く。
「神託……神託だって?」
雪晴は、水奈の手に指を乗せたまま呆然としている。
「そうです。私が読み取りますので、お書きください」
水奈がうながすと、雪晴はハッと我に返った。
そして戸惑いながらも、水奈の手のひらに置いた指を動かした。
書かれたものを見て、水奈は目を丸くした。
「『ミナ』……また、私の名前?」
「前と同じ形だから、そうだと思う。それからもう一つ、形がよくわかるものがあるよ」
雪晴は再び、水奈の手のひらに何かを書いた。
何度かそれがくり返され、水奈は三つの文字を読み取った。
「『イノリ』……祈りと書いてあるようです」
「祈り? 水奈の祈りか……これが神託だとしたら、どういう意味なんだろう」
雪晴の呟きを聞いて、水奈の頭にある考えがひらめいた。
(そういえば、雪晴殿下が神託をご覧になるのは、私が『殿下に力を』と祈った時だった。私が祈れば、殿下は思うままに〈銀龍の瞳〉をお使いになれるの?)
それならいくらでも祈ろう。水奈は目を閉じて、銀龍に祈りを捧げた。
(銀龍様、雪晴殿下をお助けください。もっとたくさんの神託をご覧になれるように!)
すると、また苦しげな声が聞こえた。
水奈が目を開くと、雪晴がさっきのように顔をゆがめ、目元を押さえていた。
水奈は「あっ」と声を上げ、雪晴の顔を覗き込んだ。
「も、申し訳ありません。大丈夫ですか?」
「あ、ああ。また急に目が痛くなって……でも、もう治まった。それに、水奈が謝る必要もないだろう?」
雪晴は、自身の顔から手を離し、無理をするように微笑んだ。
水奈の胸に罪悪感が湧く。
(どうして気付かなかったんだろう。神託をご覧になる時は、殿下のお目が痛むんだ……)
労わるように、雪晴のまぶたを指の腹でなでる。
「くすぐったいよ」
雪晴は照れたように笑った。しかしすぐに、真剣な顔つきになる。
「水奈、琴の音狂いも気になるだろうが……もう一度、手を出してくれるかな」
「また、新しい神託が?」
「神託かどうかはわからないけど……さっきのとは別の形が浮かんできたんだ」
水奈が手のひらを出すと、雪晴はまた何かを書いていく。
指の動きは、なかなか止まらない。
「……今度は長いのですね」
「そうだね。もう一度、一つずつ書いていくよ」
雪晴が慎重に描く形を、水奈は懸命に読み取っていく。
「『タキ』『ウタザ』……? タキ、ウタザ……何のことかしら」
「タキは、水がたくさん流れ落ちるという滝のことかな? どんなものか想像もつかないけど」
私は知っています──と、水奈は言いかけてやめた。
雪晴に「いつ見たのか」と聞かれても話せない。
なぜなら、流れ落ちる滝を見上げたのは一度だけ。祖父に仕える兵士に、滝壺へ突き落とされた直後だからだ。
そんな話を優しい雪晴にすれば、彼は傷付くに違いない。
水奈は、自分のことを話す代わりに雪晴へ尋ねた。
「滝のことは、人からお聞きになったのですか?」
「樹が話してくれた物語に、滝が出てきたんだ。近寄ると水しぶきが飛んでくるって」
「滝が出てくるお話でしたら、銀龍様の神話でしょうか?」
銀龍の神話には、魚や蛇が滝を昇る場面がある。
「いや、琴祭の話だったと思う。毎年、『滝の何とか』という曲を弾くそうだよ」
「『滝の』……? あっ!」
水奈は、パチンと手を叩いた。
「それです! 最後の文字は、ザではなくゲ。タキノウタゲ──先程の神託は、きっと『滝の宴』です。そんな曲があるんです」
「そうなのか? じゃあ、今視えている形は、その曲を示しているのかもしれないね」
雪晴は顔を輝かせた。しかし、すぐに首をひねる。
「だとしたらどういう意味なんだろう? 『滝の宴』を演奏しろ、ということなのかな」
「でしたら、ひとまず弾いてみますね。この琴ではおかしな演奏になってしまいますが……」
水奈は琴爪をつけ直し、自分の琴のところへ戻った。呼吸を整え、『滝の宴』を弾き始める。
曲を奏でると、やはり音の狂いが気になる。
(気持ち悪い……でも私一人じゃ、音を調えられない)
耳は悪くない方だと思う。
しかし、正しい音を正確に覚えているかというと……自信がない。
(昔はいつも、母様が調弦してくれたっけ。私がこれでいいと思っても、『ちょっと違う』っていつも直されちゃった)
そんなことが何度もくり返されて、ついに水奈は自信をなくしてしまった。
調弦しようとすればするほど、頭の中にある音がグチャグチャになってしまう。
調弦済みの琴や、特殊な笛があれば、音を合わせられる。
しかし、今は琴祭直前。神官たちは練習に励んでいる頃だ。
そんな時期に道具を貸してはくれないだろう。
(そもそも、道具を借りるにはタカ様を頼るしかないのよね)
そのタカは今、多忙を極めている。道具を調達する余裕があるかどうか。
(どうしよう……)
モヤモヤと考えをめぐらせながら、水奈は『滝の宴』を弾き続けた。
すると、黙って聞いていた雪晴が「あれ?」と首をかしげた。
「ずれてる? 何がずれてるんだ?」
「音です。少しずつですが、すべての音が狂っています」
水奈は、弦を支える琴柱を見つめた。
印の位置にぴったりと重なっている。なのに、音が狂うということは。
(もしかして、わざと間違ったところに印を……?)
これらの琴は湖宇の贈り物。何かしら手が加わっていても不思議ではない。
(だとしたら……許せない)
水奈が何も知らなければ、琴祭当日、このまま琴を神殿へ預けてしまっただろう。
以前、「琴祭の日は忙しい」と雪晴は言った。神官による琴の調律は──調弦は期待できない。
水奈と雪晴は、大勢の貴人を前に、ゆがんだ音を響かせることになる。
その結果、どうなるか。考えるまでもない。
そうやって湖宇が、雪晴を陥れようとしたのなら。
水奈の中に、湖宇への怒りがまた湧いてくる。
(もう、雪晴殿下を馬鹿になんてさせない。私が殿下をお助けするんだ。何とか調弦して、絶対に演奏を成功させるんだ!)
そうすれば湖宇を見返せる。いや、それだけで終わらないかもしれない。
雪晴は一度、神託らしきものを視た。
あれが何度もくり返されれば、「たしかに神託を視た」と貴族に示せる。
雪晴が琴祭を成功させて、その上神託を視たと証明できれば──国王も、雪晴を無視できなくなるはずだ。
(でも、どうして急に神託が視えたんだろう……〈銀龍の愛し子〉の力がやっと伝わったのかしら。それなら、殿下にもっと力をお分けしたい。もっと──!)
水奈は目を伏せ、強く祈った。
次の瞬間、雪晴の苦しげなうめき声が聞こえた。
「痛っ……!」
「殿下⁉︎」
驚いてまぶたを開けると、雪晴が両手で顔を覆っていた。
水奈は畳の床を蹴って立ち上がり、雪晴に駆け寄った。
「どうなさいましたか?」
「また……まただ。また、目が……」
言いながら雪晴は、正面を見すえるように顔を上げた。
「……もう大丈夫だ。驚かせてすまなかったね。でも……また何かがある。今度は、前よりはっきりしてるよ」
「本当ですか⁉︎ それは神託かもしれません。何と書かれてありますか?」
水奈は、次々に自分の琴爪を外した。雪晴の分もだ。
それから手のひらをパッと広げて、その上に雪晴の指を置く。
「神託……神託だって?」
雪晴は、水奈の手に指を乗せたまま呆然としている。
「そうです。私が読み取りますので、お書きください」
水奈がうながすと、雪晴はハッと我に返った。
そして戸惑いながらも、水奈の手のひらに置いた指を動かした。
書かれたものを見て、水奈は目を丸くした。
「『ミナ』……また、私の名前?」
「前と同じ形だから、そうだと思う。それからもう一つ、形がよくわかるものがあるよ」
雪晴は再び、水奈の手のひらに何かを書いた。
何度かそれがくり返され、水奈は三つの文字を読み取った。
「『イノリ』……祈りと書いてあるようです」
「祈り? 水奈の祈りか……これが神託だとしたら、どういう意味なんだろう」
雪晴の呟きを聞いて、水奈の頭にある考えがひらめいた。
(そういえば、雪晴殿下が神託をご覧になるのは、私が『殿下に力を』と祈った時だった。私が祈れば、殿下は思うままに〈銀龍の瞳〉をお使いになれるの?)
それならいくらでも祈ろう。水奈は目を閉じて、銀龍に祈りを捧げた。
(銀龍様、雪晴殿下をお助けください。もっとたくさんの神託をご覧になれるように!)
すると、また苦しげな声が聞こえた。
水奈が目を開くと、雪晴がさっきのように顔をゆがめ、目元を押さえていた。
水奈は「あっ」と声を上げ、雪晴の顔を覗き込んだ。
「も、申し訳ありません。大丈夫ですか?」
「あ、ああ。また急に目が痛くなって……でも、もう治まった。それに、水奈が謝る必要もないだろう?」
雪晴は、自身の顔から手を離し、無理をするように微笑んだ。
水奈の胸に罪悪感が湧く。
(どうして気付かなかったんだろう。神託をご覧になる時は、殿下のお目が痛むんだ……)
労わるように、雪晴のまぶたを指の腹でなでる。
「くすぐったいよ」
雪晴は照れたように笑った。しかしすぐに、真剣な顔つきになる。
「水奈、琴の音狂いも気になるだろうが……もう一度、手を出してくれるかな」
「また、新しい神託が?」
「神託かどうかはわからないけど……さっきのとは別の形が浮かんできたんだ」
水奈が手のひらを出すと、雪晴はまた何かを書いていく。
指の動きは、なかなか止まらない。
「……今度は長いのですね」
「そうだね。もう一度、一つずつ書いていくよ」
雪晴が慎重に描く形を、水奈は懸命に読み取っていく。
「『タキ』『ウタザ』……? タキ、ウタザ……何のことかしら」
「タキは、水がたくさん流れ落ちるという滝のことかな? どんなものか想像もつかないけど」
私は知っています──と、水奈は言いかけてやめた。
雪晴に「いつ見たのか」と聞かれても話せない。
なぜなら、流れ落ちる滝を見上げたのは一度だけ。祖父に仕える兵士に、滝壺へ突き落とされた直後だからだ。
そんな話を優しい雪晴にすれば、彼は傷付くに違いない。
水奈は、自分のことを話す代わりに雪晴へ尋ねた。
「滝のことは、人からお聞きになったのですか?」
「樹が話してくれた物語に、滝が出てきたんだ。近寄ると水しぶきが飛んでくるって」
「滝が出てくるお話でしたら、銀龍様の神話でしょうか?」
銀龍の神話には、魚や蛇が滝を昇る場面がある。
「いや、琴祭の話だったと思う。毎年、『滝の何とか』という曲を弾くそうだよ」
「『滝の』……? あっ!」
水奈は、パチンと手を叩いた。
「それです! 最後の文字は、ザではなくゲ。タキノウタゲ──先程の神託は、きっと『滝の宴』です。そんな曲があるんです」
「そうなのか? じゃあ、今視えている形は、その曲を示しているのかもしれないね」
雪晴は顔を輝かせた。しかし、すぐに首をひねる。
「だとしたらどういう意味なんだろう? 『滝の宴』を演奏しろ、ということなのかな」
「でしたら、ひとまず弾いてみますね。この琴ではおかしな演奏になってしまいますが……」
水奈は琴爪をつけ直し、自分の琴のところへ戻った。呼吸を整え、『滝の宴』を弾き始める。
曲を奏でると、やはり音の狂いが気になる。
(気持ち悪い……でも私一人じゃ、音を調えられない)
耳は悪くない方だと思う。
しかし、正しい音を正確に覚えているかというと……自信がない。
(昔はいつも、母様が調弦してくれたっけ。私がこれでいいと思っても、『ちょっと違う』っていつも直されちゃった)
そんなことが何度もくり返されて、ついに水奈は自信をなくしてしまった。
調弦しようとすればするほど、頭の中にある音がグチャグチャになってしまう。
調弦済みの琴や、特殊な笛があれば、音を合わせられる。
しかし、今は琴祭直前。神官たちは練習に励んでいる頃だ。
そんな時期に道具を貸してはくれないだろう。
(そもそも、道具を借りるにはタカ様を頼るしかないのよね)
そのタカは今、多忙を極めている。道具を調達する余裕があるかどうか。
(どうしよう……)
モヤモヤと考えをめぐらせながら、水奈は『滝の宴』を弾き続けた。
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