時空の逆行狂詩曲 -この歪んだ世界に最悪の死を-

夕陽に照らされ目蓋を開いた青年の視界に映るのは、既に天井すら見飽きた病室の景色。

そしてそれと同じく、幾度とない経験の中で頭にこびり付いた過去の記憶のしがらみに、彼は喉の奥から息を漏らす。

「また、帰って来たのか……」

十七歳を迎えると思い出し
十八歳の夏に帰ってくる
二十歳に訪れる不可避の死

それは繰り返し終わらない不変の理

「誰かもう終わらせてくれ……」

終わりを求めるこの世界は、緩やかに膿みはじめていた。
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