人間だった竜人の番は、生まれ変わってエルフになったので、大好きなお父さんと暮らします

吉野屋

文字の大きさ
上 下
1 / 33
プロローグ

ファルルカナンの世界

しおりを挟む
 


 ファルルカナンの世界には、知られているだけで、竜人族の大陸ヴァルドフ、エルフの大陸シャナーン、ドワーフの大陸アイグ、獣人の大陸ゼルドラ、人間の大陸スルニードがあった。


 この世界には共通語があるが、種族によってはその種族達だけの言葉もあった。


  


 ファルルカナンの世界には、知られているだけで、

 竜人の大陸 ヴァルドフ
 エルフの大陸 シャナーン
 ドワーフの大陸 アイグ
 獣人の大陸 ゼルドラ
 人間の大陸 スルニード

 と、言われる五つの大陸があった。

 それぞれ別々の離れた大陸になっており、間には海が広がっている。
 この世界には共通語があるが、種族によってはその種族達だけの言葉もあった。

 そして、ファルルカナンの世界で竜人族は食物連鎖の頂点に居ると言える。
 魔力、戦闘力、共に特出し、竜化すればその一体における破壊力はとんでもなく、他の種族と比べる事すらバカバカしい事になる。

 それぞれの種族同士、あまり仲が良くないのだが、特に竜人は、その傍若無人さから他種族に嫌われていた。


 そして竜人には番と言うものが存在した。
 獣人にも存在すると言われるが、竜人の番となると、長命な竜人にとって長い時を一緒に過ごすかけがえのない大切な者となる。と言うのは竜人の勝手な言い分だ。

 竜人は長生きであり、その寿命は一般の竜人は300年前後、貴族は600年前後、王族に至っては1000年前後と言われる。

 そして長生きの種族は子供が生まれにくい。

 竜人もそうであり、一般の竜人の夫婦の間にでも、一生に二人生まれれば良い方で貴族に至っては生まれても一人が限度である。

 王族に関しては生まれても1000年に一度生まれたら良いと言う事になるのだ。

 番に巡り合える確率はとても低く、普通は別の者と結婚後する事になる。
 けれども、もし自分の番に出会う事があれば、今の結婚相手とは別れて必ず番と一緒に暮ら事になる。それ程のお互いに対する吸引力があった。

 番しか目に入らないといった具合になるのだ。

 これは番を持つ種族の性(さが)であり、仕方のない事だった。
 その為どちらかにそのような事が起きれば、別れる時に相手にはそれなりに迷惑料とも言える金品やそれに代わるモノを収める事になっていた。

 竜人はお互いが15歳で成人した時に、番の事を認知しあえる様になる。片方が成人しても、もう片方が未成年であれば、番の存在を感じる事も出来ないと言う訳だ。

 そして、もし番が見つかれば1000年生きると言われる王族にとって、番は永く生きるにはとても大切な心の糧となる。

 もし、誤って番を失くせば『我を失くした竜』となる。と言われていた。
 『我を失くした竜』は手の付けられない狂暴な竜となり果てる。

 ヴァルドフでは、竜王に番が見つかれば、その竜王の治世はより良い時代となると言われており、力のある預言者が竜王の番を予言する場が設けられていた。

 今代の竜王には、番は居ない。預言は『王に番は現れない』と言うものであったらしい。



 そして、今代の竜人の王族達の中で皇太子はすでに決定し、その皇太子の番を竜人の力のある予言者が人族の中に居ると予言した事で、このお話ははじまるのだ。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました

土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。 神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。 追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。 居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。 小説家になろうでも公開しています。 2025年1月18日、内容を一部修正しました。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子
ファンタジー
あれ?わたし、こんなに小さかった?ここどこ?わたしは誰? あああああ、どうやらわたしはトラックに跳ねられて異世界に来てしまったみたい。なんて、テンプレ。なんで森の中なのよ。せめて、街の近くに送ってよ!こんな幼女じゃ、すぐ死んじゃうよ。言わんこっちゃない。 わたし、どうなるの? 不定期更新 00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

公爵令嬢のRe.START

鮨海
ファンタジー
絶大な権力を持ち社交界を牛耳ってきたアドネス公爵家。その一人娘であるフェリシア公爵令嬢は第二王子であるライオルと婚約を結んでいたが、あるとき異世界からの聖女の登場により、フェリシアの生活は一変してしまう。 自分より聖女を優先する家族に婚約者、フェリシアは聖女に嫉妬し傷つきながらも懸命にどうにかこの状況を打破しようとするが、あるとき王子の婚約破棄を聞き、フェリシアは公爵家を出ることを決意した。 捕まってしまわないようにするため、途中王城の宝物庫に入ったフェリシアは運命を変える出会いをする。 契約を交わしたフェリシアによる第二の人生が幕を開ける。 ※ファンタジーがメインの作品です

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

異世界で農業をやろうとしたら雪山に放り出されました。

マーチ・メイ
ファンタジー
異世界召喚に巻き込まれたサラリーマンが異世界でスローライフ。 女神からアイテム貰って意気揚々と行った先はまさかの雪山でした。 ※当分主人公以外人は出てきません。3か月は確実に出てきません。 修行パートや縛りゲーが好きな方向けです。湿度や温度管理、土のphや連作、肥料までは加味しません。 雪山設定なので害虫も病気もありません。遺伝子組み換えなんかも出てきません。完璧にご都合主義です。魔法チート有りで本格的な農業ではありません。 更新も不定期になります。 ※小説家になろうと同じ内容を公開してます。 週末にまとめて更新致します。

処理中です...