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プロローグ
ファルルカナンの世界
しおりを挟むファルルカナンの世界には、知られているだけで、竜人族の大陸ヴァルドフ、エルフの大陸シャナーン、ドワーフの大陸アイグ、獣人の大陸ゼルドラ、人間の大陸スルニードがあった。
この世界には共通語があるが、種族によってはその種族達だけの言葉もあった。
ファルルカナンの世界には、知られているだけで、
竜人の大陸 ヴァルドフ
エルフの大陸 シャナーン
ドワーフの大陸 アイグ
獣人の大陸 ゼルドラ
人間の大陸 スルニード
と、言われる五つの大陸があった。
それぞれ別々の離れた大陸になっており、間には海が広がっている。
この世界には共通語があるが、種族によってはその種族達だけの言葉もあった。
そして、ファルルカナンの世界で竜人族は食物連鎖の頂点に居ると言える。
魔力、戦闘力、共に特出し、竜化すればその一体における破壊力はとんでもなく、他の種族と比べる事すらバカバカしい事になる。
それぞれの種族同士、あまり仲が良くないのだが、特に竜人は、その傍若無人さから他種族に嫌われていた。
そして竜人には番と言うものが存在した。
獣人にも存在すると言われるが、竜人の番となると、長命な竜人にとって長い時を一緒に過ごすかけがえのない大切な者となる。と言うのは竜人の勝手な言い分だ。
竜人は長生きであり、その寿命は一般の竜人は300年前後、貴族は600年前後、王族に至っては1000年前後と言われる。
そして長生きの種族は子供が生まれにくい。
竜人もそうであり、一般の竜人の夫婦の間にでも、一生に二人生まれれば良い方で貴族に至っては生まれても一人が限度である。
王族に関しては生まれても1000年に一度生まれたら良いと言う事になるのだ。
番に巡り合える確率はとても低く、普通は別の者と結婚後する事になる。
けれども、もし自分の番に出会う事があれば、今の結婚相手とは別れて必ず番と一緒に暮ら事になる。それ程のお互いに対する吸引力があった。
番しか目に入らないといった具合になるのだ。
これは番を持つ種族の性(さが)であり、仕方のない事だった。
その為どちらかにそのような事が起きれば、別れる時に相手にはそれなりに迷惑料とも言える金品やそれに代わるモノを収める事になっていた。
竜人はお互いが15歳で成人した時に、番の事を認知しあえる様になる。片方が成人しても、もう片方が未成年であれば、番の存在を感じる事も出来ないと言う訳だ。
そして、もし番が見つかれば1000年生きると言われる王族にとって、番は永く生きるにはとても大切な心の糧となる。
もし、誤って番を失くせば『我を失くした竜』となる。と言われていた。
『我を失くした竜』は手の付けられない狂暴な竜となり果てる。
ヴァルドフでは、竜王に番が見つかれば、その竜王の治世はより良い時代となると言われており、力のある預言者が竜王の番を予言する場が設けられていた。
今代の竜王には、番は居ない。預言は『王に番は現れない』と言うものであったらしい。
そして、今代の竜人の王族達の中で皇太子はすでに決定し、その皇太子の番を竜人の力のある予言者が人族の中に居ると予言した事で、このお話ははじまるのだ。
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