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12話 「リズ」
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「え…なにこれ?黒幕…じゃないよね?」
「うわっ手が付いてる!気持ち悪!」
皇子が馬車から手を出しロイナー達に気持ち悪がられているのを闇落ちしそうな気持ちで眺める。
ロイナー達から見たら黒の壁に手が付いていて動いている様に見えるのだろう。…だいぶ独特な見方たが。
「なんだこれは」
「王国の呪術ですかね?」
「奥さん生きてるかな~?おーい」
吐き気と胃痛と頭痛と目眩と心臓の痛みと眠気と耳鳴りと関節痛と息苦しさと将来の希望はお先真っ暗な僕は馬車から出る気力がない。
だから不気味がっているロイナー達を眺める事しかできない。
「シグーナ帝国へようこそ!リスカート王子!おや、体調が悪いのですか?
皇子。リスカート王子は皇子の妻となった方ですよ。丁重に丁寧にガラス細工のように扱わないと駄目ではないですか。
偉大なる皇帝陛下がリスカート王子にお会いしたいとの事ですので皇子が運んでくださいね」
執事が皇子を馬車に押し込めようとするが皇子は嫌そうな顔で抵抗する。
「王国の呪いだったらどうする」
「皇子が死ぬだけでは?」
平然と、[何言っているんだ、こいつ]という様な顔で言った執事に皇子は青筋を立てている。
「まさか…怖いのですか?え、皇子なのに?」
「怖がっていない。もしもの可能性を…」
「皇帝陛下がお待ちですよ。早くしてください」
「お前本当に嫌い」
皇子が馬車に入り手探りで僕を探す。
その内皇子の手が僕の顔に触れた。
「…………」
何を思ったのか皇子が僕の手の形や顔の形を触りまくる。
「………リズ?」
「?」
何かを呟いた皇子が僕を丁寧にお姫様抱っこし、外に連れ出した。
「なんか切り抜かれたみたいに真っ黒だね」
「体調大丈夫?」
皇子の様子を見て大丈夫だと思ったロイナー達が僕の顔を手探りで当てて額を撫でてくる。
「……?」
「どうしたのロイナー」
「え…いや、なんでもない」
ロイナーが突然皇子の顔を見て皇子が頷く。
だがリロラは分かっていない様で首を傾げている。
「どうしたんですか。皇帝陛下がお待ちなのですよ」
執事が皇子の足元を蹴飛ばして急かす。
皇子は舌打ちして歩き出した。
「うわっ手が付いてる!気持ち悪!」
皇子が馬車から手を出しロイナー達に気持ち悪がられているのを闇落ちしそうな気持ちで眺める。
ロイナー達から見たら黒の壁に手が付いていて動いている様に見えるのだろう。…だいぶ独特な見方たが。
「なんだこれは」
「王国の呪術ですかね?」
「奥さん生きてるかな~?おーい」
吐き気と胃痛と頭痛と目眩と心臓の痛みと眠気と耳鳴りと関節痛と息苦しさと将来の希望はお先真っ暗な僕は馬車から出る気力がない。
だから不気味がっているロイナー達を眺める事しかできない。
「シグーナ帝国へようこそ!リスカート王子!おや、体調が悪いのですか?
皇子。リスカート王子は皇子の妻となった方ですよ。丁重に丁寧にガラス細工のように扱わないと駄目ではないですか。
偉大なる皇帝陛下がリスカート王子にお会いしたいとの事ですので皇子が運んでくださいね」
執事が皇子を馬車に押し込めようとするが皇子は嫌そうな顔で抵抗する。
「王国の呪いだったらどうする」
「皇子が死ぬだけでは?」
平然と、[何言っているんだ、こいつ]という様な顔で言った執事に皇子は青筋を立てている。
「まさか…怖いのですか?え、皇子なのに?」
「怖がっていない。もしもの可能性を…」
「皇帝陛下がお待ちですよ。早くしてください」
「お前本当に嫌い」
皇子が馬車に入り手探りで僕を探す。
その内皇子の手が僕の顔に触れた。
「…………」
何を思ったのか皇子が僕の手の形や顔の形を触りまくる。
「………リズ?」
「?」
何かを呟いた皇子が僕を丁寧にお姫様抱っこし、外に連れ出した。
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だがリロラは分かっていない様で首を傾げている。
「どうしたんですか。皇帝陛下がお待ちなのですよ」
執事が皇子の足元を蹴飛ばして急かす。
皇子は舌打ちして歩き出した。
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