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11話 「暗闇の中」
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「そろそろ帝国につきますよ」
(この方法は使いたくなかったっ!)
僕は親指と中指を擦って指パッチンをした。
これが僕と契約精霊…黒の精霊を呼び出す方法だからだ。
「………停電?」
皇子は馬車の天井を見て不思議そうに首を傾げている。
僕は皇子の天然な発言に笑いそうになるのを堪えた。
…だがそれも少しの間だけ。
「【メディア】」
僕の事をそう呼ぶ黒の精霊に唇を噛み締め恐怖に耐える。
最上位精霊の生みの親である白の精霊と黒の精霊。
僕はその二精霊と契約している。
この精霊達の力はシンプルだ。黒の精霊は全てを黒くし、契約者の精神を蝕む。
「【メディア】」
「帝国につきましたよ~」
ロイナーが呑気な声でそう告げる。
(馬車の中は暗い。だから、これなら。)
「扉を開ける。少し待ってろ」
「僕の周辺だけ黒くして」
「【メディア…】」
皇子が扉を開けても馬車の中は黒い。
「これなら」
僕が見られない。
(この方法は使いたくなかったっ!)
僕は親指と中指を擦って指パッチンをした。
これが僕と契約精霊…黒の精霊を呼び出す方法だからだ。
「………停電?」
皇子は馬車の天井を見て不思議そうに首を傾げている。
僕は皇子の天然な発言に笑いそうになるのを堪えた。
…だがそれも少しの間だけ。
「【メディア】」
僕の事をそう呼ぶ黒の精霊に唇を噛み締め恐怖に耐える。
最上位精霊の生みの親である白の精霊と黒の精霊。
僕はその二精霊と契約している。
この精霊達の力はシンプルだ。黒の精霊は全てを黒くし、契約者の精神を蝕む。
「【メディア】」
「帝国につきましたよ~」
ロイナーが呑気な声でそう告げる。
(馬車の中は暗い。だから、これなら。)
「扉を開ける。少し待ってろ」
「僕の周辺だけ黒くして」
「【メディア…】」
皇子が扉を開けても馬車の中は黒い。
「これなら」
僕が見られない。
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