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神の島

【クぎょう】

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「お嬢様に近づくな変態!!!」

「どんな目で見てるのですか?変態さん」

 今僕達は案内された温泉の脱衣所にいる。
そして、なぜかサルフィVSルルで喧嘩をしていた。

調子が戻ったらしいサルフィは僕達と身を清める…温泉に入る事に酷く抵抗している。

というか僕と一緒に入るのが嫌だみたいだ。

二人とも小声で喧嘩しているから少ししか聞こえないが大体そんな感じだろう。
確かに悪役と一緒に温泉とか嫌だよな…一回目の時は懐いてくれてたけど…うん。

(こんな時魔法が使えたら楽なんだけど…)

時期的にロイスは忙しいだろうし、そもそもこの島の詳細を僕は知らない。

(調べようとしても毎回眠くなるんだよなー)

この島はどの国も関与できない神の島…ぐらいしか知らないんだよなー。
宗教国も全力で避けてるし。

(あれ?今気がついたけど…)

「レイノビアトール国が全力で避けるって…この島やばい所なのでは?」

「おや?やっと気がついたのですか?」

「そうですよ」

「………」

 ボロボロになったルルとサルフィが不思議そうに首を傾げている。
だが僕はそもそもこの島に来た理由も何もかも知らされていない。
だが僕は高貴な悪役。寛大な、とても寛大な心を持っているのだ。

「ふっ」

こういう時は意味ありげに笑っていれば何とかなるのさ。

 その瞬間、どこか聞いた事があるような、この世の者ではない様な鳴き声が島全体に鳴り響いた。

「子息逃げますよ」

「温泉の所から森へ向かいましょう」

ルルとサルフィはその声を聞いた瞬間真剣な顔になり、ルルは僕を抱きかかえ、サルフィは温泉の扉を開けた。

「は?なぜ?」

「やはり貴方テンでしたね」

「さすがお嬢様です!」

サルフィとルルは温泉施設をどんどん破壊し進んでいく。
それは元日本人の僕からしたら割と悲しい光景だった。

(温泉ー!)


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