例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…

東間

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留木原 夜という人間

【腐った馬車の運転手 ②】

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皇子は進む。

どこまでもーーー







「皇子ダメですダメです!」

皇子はいつものゆっくりとした動きは何処へ?というくらいのスピードで走る。

このままではスクエア家が危ない!というかボクの命も! 

「はやっ…」

ボクは半獣人の人間なのに!追いつけない!!

「化け物か…!」

ゼェゼェ言いながら、皇子を追いかける。


そして数十分もしない内に残酷かな、皇子、スクエア家到着。

あんた、まじで化け物な。

「あれー?ロイス様じゃないですかー?我が家に急な訪問、いかがいたしましたかー?まさか皇族ともあろう方がー礼儀も弁えず公爵家に訪問するとはー思いませんでしたがーいやー流石ロイス様ー皇族の中でも自我が強いですねー」

「スクエアを呼べ」

毛先が緑色の毛元が青い、不思議なグラデーションカラーをした美しい青年が皇子の首元の服を掴む。
だか皇子は凄く抵抗している。

「わぉ」

あの皇子を掴まえられるなんて化け物~。

ボクはその青年の凍る。

「魔力…譲渡…」

禁忌魔法で得た力の象徴!超危険人物カラー!

瞳が赤!!!!!!!

『赤の将軍』シナリオ【狂った英雄達】や『豪花の道』シナリオ【悪魔の結晶】で悪役達が所持していたやつ!!

「んー?あれー?市民は知るは」

「え!?何でボクが市民って分かったの!?やばいやばい!皇子とボク見逃して!皇子帰さなきゃ首チョンパだよ!!嫌だーーーーーー!!!ボクは淑女の胸に包まれて逝きたいんだーーーー!!お祖父ちゃんと約束したんだーーー!あぁこんな事なら最後にグヘヘヘな本を処分してくるんだった!!何でボクはいつも死ぬ前に処分しないんだーー!でも買わないのは辛いし処分も辛い!!一体どうしろというんだ腐神様ーー!」

「人の話はちゃんと聞こうねー?君、悪い子だねー。
だいたい服装から市民臭がするよー?顔も凡人だしねー」

「スクエアを呼べ」

周囲にいた使用人らしき人達が集まってくる。
そして皇子の存在に気がつき、急いで何かの指示をしていた。

「……………!!へーーーー!面白いねー!私達の青春時代みたいだー!
今ねーロキくんねールイくんと一緒に寝室に居るんだよー!ロキくん無茶させないと良いんだけどねー?何分初めてだからなーロキくんー」

ふtiatせpjmtjらgtmtき!!

loveですね!!BとLが結婚したloveですね!!!!
loveなんですね!!!!!!!!!!!!

ボクは興奮の余り地面に転がる。
そう、これを期待して転生したんだよ!!神様サンキュー!

「殺す」

「え、」

「ん?」

ボクと青年が知らない低い声に首を傾げる。

「殺す」

ボクと青年が皇子の低ーーい声に凍る。

皇子だったんだね…先程の殺意はまだ可愛い方だったのね…。

「ルイは私のだ私のだ私のだ私のだ」

お、おう。

皇子、まじで監禁溺愛ルート行きそうだな。

「んー?やばいね、ロイス様ー。」
 
青年は皇子を離した。
それと同時に皇子はスクエア家の内部に向かう。

「皇子ー!絶対殺さないでくださいねー!」

ボクも責任取るはめになるからー!

本当はボクも追いかけたい。だけどボクは何故か今、青年に捕まっている。

「で、なんで【魔力譲渡】を知っているのー?あれは"一族"しか知らない禁忌なのにー?」

キャイン。
怖い圧力に犬の様に鳴いてしまいそうです。

「えーと、」

「んー?
私、今機嫌悪いんだー?早くしろよー」

掴んでいる首元の締める力を強める青年。
泣きそうなボク。

誰か助けてーhelpーー!!

「まさか、ミチェルに聞いたのかなー?あの野郎口軽いからなー」

貴方は口悪いっすね。

心の中で思った筈なのになぜか締める力UP。苦しい。

「あ」

《スクエア公爵家は特殊魔法使いです。
同じ家の者でも使う力は違い、特にスクエア公爵子息は精神魔法系統に近い[干渉]を持っています。
貴方の嘘は通じないでしょう。
精神魔法に近い力を発現した彼は長い間忌避され、孤独でした。
彼を攻略する為に必要なのは"純粋な心"です。》

『豪花の道』の説明では……あ、うん。

ボクはこの青年の…いや、おじさんの正体に気がついてしまった。
イラストより少し老けた美貌だが、忘れもしない特徴的な姿。
なぜ綺麗な青い瞳だった彼が赤い瞳になってしまったのか、ボクは知らない。

おじさんは、『豪花の道』の攻略対象者ロニレイド・スクエアだ。

彼は触れただけで勝手に発動してしまう心を読む魔法に疲れ、人を拒絶するようになった。
その為に自身を偽り、他人を騙して生きていた。



でも、最後は主人公に救われているはずだけど?

あの口癖があるという事は、主人公はロニレイド攻略をしなかったのか?
だけど皇帝は悪役令嬢と結婚しているし…主人公どこ行った?

まぁとりあえず…

「あの…もうバレてますよね?」

触れられているし。

「まさかーミチェルと同じ人間がー居るとはー思わなかったなー」

うん、心を無心にしよう。

……………

………

……

「うわっ!スカートがっ!」

「今日風強いな。ってか女装今日は止めたら?」

「うるさい!この駄犬!!」

ホモォ!┌(└^p^)┰(^p^┘)┐ウェイホモォ!

あ、駄目だ。煩悩がっ!!

この世界は煩悩で満ちている!!!

「変わった子だねー」

ボクは皇子がガキを抱き連れてくるまで、その行為を繰り返していた。



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