32 / 67
留木原 夜という人間
【スクエア公爵】
しおりを挟む
「ロキく~ん!神殿に行くから付き合って~!」
「嫌です」
チェックの茶色の貴族服を着た青年…スクエア公爵当主は息子であるロキに抱きつこうとするが、蹴り飛ばされてしまう。
「あれれー?機嫌悪いねー?」
「………違います」
「もー可愛いなー!そんな可愛い息子に朗報!今、将来君の婚約者になるであろう子が教会に居まーす!」
「!?」
ロキはルイ・カロアスを考えていた。
皇族であるロイスは婚約者候補がいる。そして他の二公爵も。
残る高位貴族で候補もいないのはルイ・カロアスとロキだけ。
カロアス公爵とスクエア公爵の嫡男同士が婚約者になる事はありえない。
だがロキは気になってしまう。
「ルイですか?」
「あれー?なんだー知ってるのー?」
「今準備します」
「おぉ今日は楽だったー!ではでは、下で待ってるねー!」
ロキとキリエはすぐに教会訪問用の白基準の質素な貴族服を着た。
「なぜルイ・カロアスは神殿に?」
「あの人のことだ。どうせルとイが入っている人間を用意したのだろう」
「?」
ならばなぜ教会へ行くのか…。
疑問に思ったキリエはロキを見つめた。
「婚約者候補は早めに潰さないと次々出てくる」
そう答えたロキは迷惑そうな顔をする。
「教会か…嫌いなんだが…」
それでもロキは馬車へ向かった。
「あれー?早くないー?いつもそのぐらいにしてよねー」
「……」
「え、無視ー?酷くなーい?」
ゆったりとした口調にイラついたロキがスクエア公爵の脛を蹴る。
「いたぁーい!酷いー!」
「早くしてください」
ロキはスクエア公爵が嫌いだった。
スクエア公爵はカロアス公爵夫人を愛していた。
だがカロアス公爵夫人がカロアス公爵と結婚してから諦め、そして現スクエア公爵夫人と結婚した。
そして子供が腹にいると分かったら家を放置。
度々帰って来ては問題事しか起こさない。
「そう言えば以前神殿へ訪れた時ー気絶した事あったねー。
あれ、治ったのー?」
「………」
「え、また無視ー?キリエーどうなのー?」
「………」
「え、キリエも無視ー?!誰か反応してよー」
「〔申し訳ございません公爵様。ロキ様に公爵様と会話する行為を禁止されていますので〕」
キリエがスケッチブックとペンで事情をスクエア公爵へ伝える。
馬車へ乗る前にロキがキリエに会話禁止を命令したのだ。
だがキリエの雇い主・家主はスクエア公爵、そして忠誠を誓ったのはロキ…キリエは板挟みになっていた。
「そうなのー?本当にあの女に似てるなー
あの女も初めて会った時から生意気で負けず嫌いでさー。高位貴族だろうが男だろうが本気だすからー婚期逃してさー。
せっかく可愛い顔してるのにさー。この間も会ったけどー変わらず的な感じでさー!普通夫に久々に再会したらさー『貴方🖤会いたかったわぁー🖤』てならないー?
なのに呑気に茶会なんか開いてさー。知ってた?側に仕えてる使用人の男、あれ絶対あの女に気があるよー。
あんな女好くなんて変な人間も居たもんだよねー!
まぁ一応公爵夫人に手を出すのは禁止だからー辺境へ送ったけどねー。
なのにさーなんか怒鳴られて…まぁ喧嘩?みたいなさー!
あんな女公爵夫人に相応しくないよねー!
しかもお詫びで持っていったお菓子を使用人にあげたりさー…」
スクエア公爵は止まる事のない目覚まし時計の様に永遠と喋る。
キリエは苦手な作り笑いで頷き、共感を示す。
だがスクエア公爵は『あの女貶すのは夫だけしていいんだよー』とキリエにデコピンをする。
「ロキ様…」
「………」
「ロキ様……」
助けを求めたキリエだがロキは目を瞑り無視をした。
「しかもさぁーせっかく迎えに行ったのにさぁーあの女僕を追い返したんだよーあり得なく…」
スクエア公爵は止まらない。
キリエは幼い頃スクエア公爵が居た頃の冬休みを思い出していた。
『あの女が雪蔵見たいな、とか喚くからさー使用人達に作らせたんだよーそしたら何故か夫である私に怒るんだよー。本当イカれた女だよねー流石マリネット公爵の血が入ってるだけあると言うかー?しかもその雪蔵を他の夫人達と眺めてるんだよー?あり得なくないー?普通夫と見でしょーあの女は本当可愛いんだけど可愛く無いんだよなー』
スクエア公爵による夫人の愚痴公開会でキリエの冬休みは終わった。
そして足の痺れで剣術の練習ができなく、冬休み明け剣術テストが終わった。
「あ、そう言えば最近ロイス殿下と会っているんだってー?」
「………」
「騎士服着ていない皇帝陛下と喋っちゃダメだよー」
「〔騎士服ですか?〕」
ロキが視線でキリエに指示をするのでキリエはスケッチブックに書いた。
「騎士服着てたらOKでーそれ以外禁止ー。どうしてもだったら良いけどー興味を持たれないようにねー。
もうすぐ四季蔡で一定の年齢の高位貴族はあつまるでしょー?
その時皇帝陛下と会う事になるからー。絶対興味を持たれないようにねー!
…最悪の場合殺しちゃうよ」
「「………」」
戸惑うキリエと無表情のロキにスクエア公爵は悲しそうな顔をする。
「あれは私達の友達であり、化け物だからね」
「?それは」
どういう意味ですか?
そう聞こうとしたキリエだったがロキが倒れた事により中断する。
「ロキ様!?」
「あれーどうしたのー?」
「うるさ…い」
ロキは両耳を押さえ丸くうずくまる。
「よ、る…」
「ヨル…?ロキ様、どうしたのですか!!」
「ん~体調崩したかなー?
セバトルー馬車引き帰してー」
「ですが…もう神殿領地です」
セバトルと言われた執事は困惑しながら答える。
神殿領地とは神殿が保有する領地であり、領地は信者の住居だけとなっている。
「まだ神殿ダメかー
ん~ここら辺Uターン出来ないんだよなぁー」
「よ、る…どこ、あい、し、こ…ろ、す」
「…ロキ様。お叱りは後で受けます」
「うっ…」
キリエはロキの口にハンカチで湿らせた薬品を当てた。
「よる…こん、どこ…そ」
ロキは虚ろな瞳で窓の外に見える神殿を見た。
「てにいれる」
「嫌です」
チェックの茶色の貴族服を着た青年…スクエア公爵当主は息子であるロキに抱きつこうとするが、蹴り飛ばされてしまう。
「あれれー?機嫌悪いねー?」
「………違います」
「もー可愛いなー!そんな可愛い息子に朗報!今、将来君の婚約者になるであろう子が教会に居まーす!」
「!?」
ロキはルイ・カロアスを考えていた。
皇族であるロイスは婚約者候補がいる。そして他の二公爵も。
残る高位貴族で候補もいないのはルイ・カロアスとロキだけ。
カロアス公爵とスクエア公爵の嫡男同士が婚約者になる事はありえない。
だがロキは気になってしまう。
「ルイですか?」
「あれー?なんだー知ってるのー?」
「今準備します」
「おぉ今日は楽だったー!ではでは、下で待ってるねー!」
ロキとキリエはすぐに教会訪問用の白基準の質素な貴族服を着た。
「なぜルイ・カロアスは神殿に?」
「あの人のことだ。どうせルとイが入っている人間を用意したのだろう」
「?」
ならばなぜ教会へ行くのか…。
疑問に思ったキリエはロキを見つめた。
「婚約者候補は早めに潰さないと次々出てくる」
そう答えたロキは迷惑そうな顔をする。
「教会か…嫌いなんだが…」
それでもロキは馬車へ向かった。
「あれー?早くないー?いつもそのぐらいにしてよねー」
「……」
「え、無視ー?酷くなーい?」
ゆったりとした口調にイラついたロキがスクエア公爵の脛を蹴る。
「いたぁーい!酷いー!」
「早くしてください」
ロキはスクエア公爵が嫌いだった。
スクエア公爵はカロアス公爵夫人を愛していた。
だがカロアス公爵夫人がカロアス公爵と結婚してから諦め、そして現スクエア公爵夫人と結婚した。
そして子供が腹にいると分かったら家を放置。
度々帰って来ては問題事しか起こさない。
「そう言えば以前神殿へ訪れた時ー気絶した事あったねー。
あれ、治ったのー?」
「………」
「え、また無視ー?キリエーどうなのー?」
「………」
「え、キリエも無視ー?!誰か反応してよー」
「〔申し訳ございません公爵様。ロキ様に公爵様と会話する行為を禁止されていますので〕」
キリエがスケッチブックとペンで事情をスクエア公爵へ伝える。
馬車へ乗る前にロキがキリエに会話禁止を命令したのだ。
だがキリエの雇い主・家主はスクエア公爵、そして忠誠を誓ったのはロキ…キリエは板挟みになっていた。
「そうなのー?本当にあの女に似てるなー
あの女も初めて会った時から生意気で負けず嫌いでさー。高位貴族だろうが男だろうが本気だすからー婚期逃してさー。
せっかく可愛い顔してるのにさー。この間も会ったけどー変わらず的な感じでさー!普通夫に久々に再会したらさー『貴方🖤会いたかったわぁー🖤』てならないー?
なのに呑気に茶会なんか開いてさー。知ってた?側に仕えてる使用人の男、あれ絶対あの女に気があるよー。
あんな女好くなんて変な人間も居たもんだよねー!
まぁ一応公爵夫人に手を出すのは禁止だからー辺境へ送ったけどねー。
なのにさーなんか怒鳴られて…まぁ喧嘩?みたいなさー!
あんな女公爵夫人に相応しくないよねー!
しかもお詫びで持っていったお菓子を使用人にあげたりさー…」
スクエア公爵は止まる事のない目覚まし時計の様に永遠と喋る。
キリエは苦手な作り笑いで頷き、共感を示す。
だがスクエア公爵は『あの女貶すのは夫だけしていいんだよー』とキリエにデコピンをする。
「ロキ様…」
「………」
「ロキ様……」
助けを求めたキリエだがロキは目を瞑り無視をした。
「しかもさぁーせっかく迎えに行ったのにさぁーあの女僕を追い返したんだよーあり得なく…」
スクエア公爵は止まらない。
キリエは幼い頃スクエア公爵が居た頃の冬休みを思い出していた。
『あの女が雪蔵見たいな、とか喚くからさー使用人達に作らせたんだよーそしたら何故か夫である私に怒るんだよー。本当イカれた女だよねー流石マリネット公爵の血が入ってるだけあると言うかー?しかもその雪蔵を他の夫人達と眺めてるんだよー?あり得なくないー?普通夫と見でしょーあの女は本当可愛いんだけど可愛く無いんだよなー』
スクエア公爵による夫人の愚痴公開会でキリエの冬休みは終わった。
そして足の痺れで剣術の練習ができなく、冬休み明け剣術テストが終わった。
「あ、そう言えば最近ロイス殿下と会っているんだってー?」
「………」
「騎士服着ていない皇帝陛下と喋っちゃダメだよー」
「〔騎士服ですか?〕」
ロキが視線でキリエに指示をするのでキリエはスケッチブックに書いた。
「騎士服着てたらOKでーそれ以外禁止ー。どうしてもだったら良いけどー興味を持たれないようにねー。
もうすぐ四季蔡で一定の年齢の高位貴族はあつまるでしょー?
その時皇帝陛下と会う事になるからー。絶対興味を持たれないようにねー!
…最悪の場合殺しちゃうよ」
「「………」」
戸惑うキリエと無表情のロキにスクエア公爵は悲しそうな顔をする。
「あれは私達の友達であり、化け物だからね」
「?それは」
どういう意味ですか?
そう聞こうとしたキリエだったがロキが倒れた事により中断する。
「ロキ様!?」
「あれーどうしたのー?」
「うるさ…い」
ロキは両耳を押さえ丸くうずくまる。
「よ、る…」
「ヨル…?ロキ様、どうしたのですか!!」
「ん~体調崩したかなー?
セバトルー馬車引き帰してー」
「ですが…もう神殿領地です」
セバトルと言われた執事は困惑しながら答える。
神殿領地とは神殿が保有する領地であり、領地は信者の住居だけとなっている。
「まだ神殿ダメかー
ん~ここら辺Uターン出来ないんだよなぁー」
「よ、る…どこ、あい、し、こ…ろ、す」
「…ロキ様。お叱りは後で受けます」
「うっ…」
キリエはロキの口にハンカチで湿らせた薬品を当てた。
「よる…こん、どこ…そ」
ロキは虚ろな瞳で窓の外に見える神殿を見た。
「てにいれる」
34
あなたにおすすめの小説
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
【本編完結】処刑台の元婚約者は無実でした~聖女に騙された元王太子が幸せになるまで~
TOY
BL
【本編完結・後日譚更新中】
公開処刑のその日、王太子メルドは元婚約者で“稀代の悪女”とされたレイチェルの最期を見届けようとしていた。
しかし「最後のお別れの挨拶」で現婚約者候補の“聖女”アリアの裏の顔を、偶然にも暴いてしまい……!?
王位継承権、婚約、信頼、すべてを失った王子のもとに残ったのは、幼馴染であり護衛騎士のケイ。
これは、聖女に騙され全てを失った王子と、その護衛騎士のちょっとズレた恋の物語。
※別で投稿している作品、
『物語によくいる「ざまぁされる王子」に転生したら』の全年齢版です。
設定と後半の展開が少し変わっています。
※後日譚を追加しました。
後日譚① レイチェル視点→メルド視点
後日譚② 王弟→王→ケイ視点
後日譚③ メルド視点
【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~
なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。
一つは男であること。
そして、ある一定の未来を知っていること。
エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。
意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…?
魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。
なんと目覚めたのは断罪される2か月前!?
引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。
でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉
まぁどうせ出ていくからいっか!
北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)
悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される
木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー
※この話は小説家になろうにも掲載しています。
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる