上 下
37 / 67
留木原 夜という人間

【留木原 夜が死んだ日】

しおりを挟む
「私は神でーす」

目が覚めた初めの光景は白髪の青年だった。

「か、神様?」

「で、貴方は死人。OK?」

死人?

「死んだ人、の意味ですか?」

「そうそう。君は幼馴染に殺されてここに居まーす」

そうか…僕、殺さ………幼馴染?

「幼馴染?誰ですか?」

僕の幼馴染はただ一人。零だけだ。

「名は宗川 零。君の幼馴染でクラスメイト」



「零が僕を殺すはずないでしょう?そもそも貴方、神様ではないでしょう?」

何を言っているんだ、この人は。

「えーっと、幼馴染くんは君を殺害後学園を爆弾で爆発。死者多数、怪我人数人。
幼馴染くんの魂は消去され、予定にない死者は救済処置をとる事となりましたー」

「え?え?」

理解できない。爆弾?消去?死者?

何を言ってるんだ?

「理解遅!え、転生とかブームなんじゃないの?
ムリムリ!時間押してるんだから君で時間取れないから!」

「転生?時間?」

「何か希望ない?早く早く」

白髪の青年は書類の束を掴み僕に渡す。

「どれか選んで」

そこには様々な個人情報が書かれている。
これは見ていいのだろうか?

「それより、先程の話をもっと詳しく」

「おい、レイビト神!次の死者を案内するぞ!」

「は!?早いんだよクソ野郎!」

白い空間から突然真っ黒い穴が空き、別の白髪の男が入ってくる。

「いつもの死者にプラスして死者が来たんだ!効率よく進めないと現世の魂の数字が合わねーだろ!」

「これだから神は嫌なんだ!天使に戻りてー!」

「早く終わらせろ!ダメ神!」

展開が急過ぎてついていけない。

「面倒だなぁ!人間なんて放置しとけよ!

あー…ゴホンッ!

瑠木原 夜。貴方は悲惨な死を遂げました。
我々神々は貴方の死に酷く悲しみ、慈悲を与えます。
私が管理する世界、リーデルワールドへ魂を送ります。
そこで新しい人生をお楽しみ下さい。
ご安心ください、貴方は我らが父である最高神の子達の一人。無下にはしません。」

「そんな事どうでも良いです!それより皆は…零や会長達はどうなったんですか?!」

咳払いをした青年は此方の言葉を一切聞かずに物事を進めていく。

「強い縁があれば向こうで再会するでしょう

では、さようなら」

僕の足元に黒い穴が開く。

「え!?」

僕はそこで意識を失った。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

前世である母国の召喚に巻き込まれた俺

るい
BL
 国の為に戦い、親友と言える者の前で死んだ前世の記憶があった俺は今世で今日も可愛い女の子を口説いていた。しかし何故か気が付けば、前世の母国にその女の子と召喚される。久しぶりの母国に驚くもどうやら俺はお呼びでない者のようで扱いに困った国の者は騎士の方へ面倒を投げた。俺は思った。そう、前世の職場に俺は舞い戻っている。

嫌われ者の僕が学園を去る話

おこげ茶
BL
嫌われ者の男の子が学園を去って生活していく話です。 一旦ものすごく不幸にしたかったのですがあんまなってないかもです…。 最終的にはハピエンの予定です。 Rは書けるかわからなくて入れるか迷っているので今のところなしにしておきます。 ↓↓↓ 微妙なやつのタイトルに※つけておくので苦手な方は自衛お願いします。 設定ガバガバです。なんでも許せる方向け。 不定期更新です。(目標週1) 勝手もわかっていない超初心者が書いた拙い文章ですが、楽しんでいただければ幸いです。 誤字などがありましたらふわふわ言葉で教えて欲しいです。爆速で修正します。

なぜか第三王子と結婚することになりました

鳳来 悠
BL
第三王子が婚約破棄したらしい。そしておれに急に婚約話がやってきた。……そこまではいい。しかし何でその相手が王子なの!?会ったことなんて数えるほどしか───って、え、おれもよく知ってるやつ?身分偽ってたぁ!? こうして結婚せざるを得ない状況になりました…………。 金髪碧眼王子様×黒髪無自覚美人です ハッピーエンドにするつもり 長編とありますが、あまり長くはならないようにする予定です

聖女の兄で、すみません!

たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。 三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。 そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。 BL。ラブコメ異世界ファンタジー。

悪役王子の取り巻きに転生したようですが、破滅は嫌なので全力で足掻いていたら、王子は思いのほか優秀だったようです

魚谷
BL
ジェレミーは自分が転生者であることを思い出す。 ここは、BLマンガ『誓いは星の如くきらめく』の中。 そしてジェレミーは物語の主人公カップルに手を出そうとして破滅する、悪役王子の取り巻き。 このままいけば、王子ともども断罪の未来が待っている。 前世の知識を活かし、破滅確定の未来を回避するため、奮闘する。 ※微BL(手を握ったりするくらいで、キス描写はありません)

地味で冴えない俺の最高なポディション。

どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。 オマケに丸い伊達メガネ。 高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。 そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。 あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。 俺のポディションは片隅に限るな。

転生して悪役になったので、愛されたくないと願っていたら愛された話

あぎ
BL
転生した男子、三上ゆうきは、親に愛されたことがない子だった 親は妹のゆうかばかり愛してた。 理由はゆうかの病気にあった。 出来損ないのゆうきと、笑顔の絶えない可愛いゆうき。どちらを愛するかなんて分かりきっていた そんな中、親のとある発言を聞いてしまい、目の前が真っ暗に。 もう愛なんて知らない、愛されたくない そう願って、目を覚ますと_ 異世界で悪役令息に転生していた 1章完結 2章完結(サブタイかえました) 3章連載

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

処理中です...