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再会
7話 暗殺ギルド ハレマ
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「シャイニじゃねーか!久しぶりだなぁ!」
「そうだな」
俺はレイラル王国の居酒屋に来ていた。
そこには古い知人のハレマが樽に入った酒をグラスで掬って飲んでいた。
「確か2年…4年ぶりかぁ?もう死んだかと思ったぜ!だよなぁ!お前は死なねぇか!ガハハハ!」
飲んだくれだが勘がいいハレマはある意味正解を言っていた。
俺はマスターに度数が弱い酒を頼みハレマの隣に座る。
「まだ仕事続けているのか?」
ハレマは暗殺ギルドの最上位ランクであるS級を持つ男だ。
何度も戦ってその内仲良くなった。
ハレマは俺が魔族だという事は知らない。
ハレマは魔族嫌いであり、俺はバレない様にいつも茶髪に茶目の平凡な顔をしている。
「一年前に昇進してよー今は支店長だぜぇ!すげぇだろ!あー久々にお前と殺りてぇなぁ!一発殺らねぇかあ?」
「お前もうジジイだろ。体力あるのか?」
「35歳はジジイじゃねぇ!
ーーーで、何が知りたいんだ?」
俺達の会話を聞いていたマスターが何故か裏方に引っ込み、その瞬間にハレマは真剣な顔つきで俺に聞く。
「相変わらず鋭いな。
反魔族軍について知りたい」
「どこのだ?」
「王国騎士反魔族軍で指揮官はサデュラ・べトムだ」
「…どこの国かわからないのか。
反魔族軍で指揮官がサデュラ・べトムかぁー。今思い出すから待ってろー」
ハレマは苦笑しながら酒をあおる。
「あーそう言えばレティ王国にべトムって言う指揮官が居たなぁ。まぁ反魔族軍は多いし規模がでかいから指揮官なんて沢山いるから探すの大変だぞー」
「ありがとな。これは報酬金だ」
俺は席を立ち酒代と報酬金を置く。
「なぁ」
去ろうとした時、ハレマは俺の腕を掴んだ。
「最後かもしれないんだ。そろそろ教えてくれよ。…お前、人間じゃないだろ」
「まぁな。」
俺はそう言ってハレマの腕を払う。
ハレマは少し悲しそうな顔をしながら、抵抗する事もなく腕を離した。
「やっぱりなぁ…またこの場所で待ってるぜー次は早く来いよー」
「あぁ」
俺は居酒屋から出て空を仰いだ。
「あいつ、まだお昼なのにあんなに飲んで大丈夫か?」
俺はそう思いながらも次の国へ向かった。
■□■□■□
俺は酒をあおりながらマスターを呼ぶ。
「代金はギルドに請求しといて」
「畏まりました」
マスターは俺に深く頭を下げると再び裏に下がった。
「やっぱり魔族だったんだな、シャイニ」
5年も待っていた、唯一俺が負けた俺の大切な友人。
「属しといて良かったぜ」
俺はレオドリー王国所属反魔族軍上級騎士の隊服を鞄から取り出し、着る。
「楽しもうぜ。シャイニ」
俺を殺せるのは、お前しかいない。
「そうだな」
俺はレイラル王国の居酒屋に来ていた。
そこには古い知人のハレマが樽に入った酒をグラスで掬って飲んでいた。
「確か2年…4年ぶりかぁ?もう死んだかと思ったぜ!だよなぁ!お前は死なねぇか!ガハハハ!」
飲んだくれだが勘がいいハレマはある意味正解を言っていた。
俺はマスターに度数が弱い酒を頼みハレマの隣に座る。
「まだ仕事続けているのか?」
ハレマは暗殺ギルドの最上位ランクであるS級を持つ男だ。
何度も戦ってその内仲良くなった。
ハレマは俺が魔族だという事は知らない。
ハレマは魔族嫌いであり、俺はバレない様にいつも茶髪に茶目の平凡な顔をしている。
「一年前に昇進してよー今は支店長だぜぇ!すげぇだろ!あー久々にお前と殺りてぇなぁ!一発殺らねぇかあ?」
「お前もうジジイだろ。体力あるのか?」
「35歳はジジイじゃねぇ!
ーーーで、何が知りたいんだ?」
俺達の会話を聞いていたマスターが何故か裏方に引っ込み、その瞬間にハレマは真剣な顔つきで俺に聞く。
「相変わらず鋭いな。
反魔族軍について知りたい」
「どこのだ?」
「王国騎士反魔族軍で指揮官はサデュラ・べトムだ」
「…どこの国かわからないのか。
反魔族軍で指揮官がサデュラ・べトムかぁー。今思い出すから待ってろー」
ハレマは苦笑しながら酒をあおる。
「あーそう言えばレティ王国にべトムって言う指揮官が居たなぁ。まぁ反魔族軍は多いし規模がでかいから指揮官なんて沢山いるから探すの大変だぞー」
「ありがとな。これは報酬金だ」
俺は席を立ち酒代と報酬金を置く。
「なぁ」
去ろうとした時、ハレマは俺の腕を掴んだ。
「最後かもしれないんだ。そろそろ教えてくれよ。…お前、人間じゃないだろ」
「まぁな。」
俺はそう言ってハレマの腕を払う。
ハレマは少し悲しそうな顔をしながら、抵抗する事もなく腕を離した。
「やっぱりなぁ…またこの場所で待ってるぜー次は早く来いよー」
「あぁ」
俺は居酒屋から出て空を仰いだ。
「あいつ、まだお昼なのにあんなに飲んで大丈夫か?」
俺はそう思いながらも次の国へ向かった。
■□■□■□
俺は酒をあおりながらマスターを呼ぶ。
「代金はギルドに請求しといて」
「畏まりました」
マスターは俺に深く頭を下げると再び裏に下がった。
「やっぱり魔族だったんだな、シャイニ」
5年も待っていた、唯一俺が負けた俺の大切な友人。
「属しといて良かったぜ」
俺はレオドリー王国所属反魔族軍上級騎士の隊服を鞄から取り出し、着る。
「楽しもうぜ。シャイニ」
俺を殺せるのは、お前しかいない。
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