勇者召喚された魔王様は王太子に攻略されそうです〜喚ばれた先は多夫多妻のトンデモない異世界でした〜

のりのりの

文字の大きさ
上 下
314 / 339
第54章

異世界の……(3)※

しおりを挟む
 ドリアは、食べられる直前の怯える子兎のようにぷるぷると震えていて、とってもかわいい。

「あ、あ、安心なんかできるか! マオ! 今すぐ、結界を解け! 医者だ! 医者を呼ぶんだ! 医者に診てもらわないと!」

 どうして、そんなにドリアは慌てているのだろうか……。

「なんで? オレはいたって、正常な状態だよ? どこも悪いところはないよ?」
「いや、もうすでに、自分がおかしなことを言っていると気づいていないことが、おかしいんだよ!」
「王太子殿下、落ち着いてください」

 今まで黙っていたフレドリックくんが口を開いた。

「ふ、フレドリック! お前からも、なんとか言ってくれ!」

 フレドリックくんは立ち上がると、ドリアの方へと近寄っていく。

「ふ、フレドリック? 歩いて大丈夫なのか? フラフラしているぞ」
「そうですね……。もう、限界です」
「だったら、ベッドで大人しくしていろ。それよりも、マオが変だ! お前の言葉なら、マオも聞いてくれ……」

 フレドリックくんは一気にドリアとの距離を縮めると、王太子殿下に向かって足払いをする。体勢を崩したドリアを抱えあげると……そのまま、ぽいと、ベッドへと放り投げてしまった。

「うわっ……。な、なにをする! ぶ、無礼な!」

 ちょっと、また見事な軌跡を描いてヒトが飛んだよ。

 王太子殿下が飛んじゃったよ。

 ここって、荷物みたいに簡単にヒトが宙を舞う世界なんだな。

 異世界すごいな。

 落下の勢いと、ドリアの重みで、寝台のスプリングが大きく軋んで跳ね上がる。
 オレもドリアと一緒に、二、三度跳ねちゃったよ。

 あたふたしているドリアが起き上がるよりも、フレドリックくんの動きの方が早い。
 フレドリックくんは素早く寝台の上へと飛び乗ると、ドリアにまたがって、動きを封じる。

 ベッドがギシギシ揺れる。

「わわわわっ。お、落ち着け、フレドリックぅぅぅぅ!」
「落ち着つかなければならないのは、王太子殿下のほうです。勇者様のご希望です。ご希望に添えるよう、我々は全身全霊をもってして、全力を尽くすのみです」

 フレドリックくんの目がいっちゃってる。

「へ……?」
「勇者様が三人ですることをご希望されているのなら、三人でするまでのこと」
「わ――っ。フレドリックも変――だぁっ! 誰か! この状態をなんとかしてくれ!」

 危機を察知したドリアが懸命に暴れる。

 必死に抵抗するが、ふたりがかりで押さえつけられたドリアに残念ながら逃げ道はない。

 フレドリックくんの手が、ドリアのベルトを外しにかかる。 

 ということは、オレは上着担当ということになるよね。

 これまた多いボタンにイライラしながらも、ひとつ、ひとつ、丁寧に外して、ドリアの顔がひきつる様を眺めるのもいいかな。
 それとも、風魔法で布ごとまとめて一気に切り裂こうかな。

「ちょ、フレドリック、な、な、なにをするつもりだ! ま、マオも! や、やめろ! マオ! なにか、今、危険で変なコトを考えてるだろう!」
「ぜんぜん。変じゃないよ? どうやって服を脱がせたら、盛り上がるかなってコトだけを考えていただけだから」
「いや! マオ! それが変なコトだから! 普段のマオはそんなことは考えないだろ! 落ち着け! まずは冷静になろう!」

 ドリアは顔を真っ赤にさせながら身体をよじるが、フレドリックくんが上からがっちりと抑え込んでいて、抵抗を許さない。

 フレドリックくんの顔から表情が抜け落ちる。

「王太子殿下は、おっしゃいましたよね?」

 凄みのある男らしい顔に、オレの鼓動が高鳴る。身体の芯がじんじんと痺れを放っている。

 なんて、オレのフレドリックくんはカッコいいんだろう……。

「わたしが、な、な、なにを……。言ったのだ? おい、どこを触っている! おい、どこに手を入れている! コラ! フレドリックぅ!」

 フレドリックくんは熱の籠ったため息を吐き出すと、ボタンを外しているオレをうっとりとした表情で見つめ、ベッドの上でもがいているドリアを冷ややかな目で見下ろす。

 その温度差がすごくカッコいい。

「王太子殿下は、わたしが暴走しそうになったら、身を挺してでも、わたしを止めて下さるのでしたよね?」
「た、た、確かに、そのようなことを言ったが? それが、どうした?」
「ですから、今から、身を挺していただきます」
「あ? それは、どういう意味いっっ!」

 フレドリックくんは、ドリアのズボンを下着ごと一気にずり下ろす。

 同時に、「うぎゃー」とかいうドリアの色気の欠片もないガチな悲鳴が、部屋中に響きわたった。

 オレもようやくドリアの上着とシャツのボタンを外し終えて、上着を脱がしにかかるが、腕あたりでやめておく。

 ドリアのブーツが床に投げ捨てられ、部屋の隅へと転がっていく。
 上着とシャツが二の腕に絡みつき、ドリアの腕の動きを封じる。

「まずは、わたしの熱が治まるまで、王太子殿下でさせていただきます」
「は? なにをだ!」

 股の間に身体を滑り込ませ、ドリアが両足を閉じようとするのをフレドリックくんが阻む。

 いつの間にか、フレドリックくんの手には、ピンクの瓶が握られていた。
 瓶の蓋を口で器用に開けると、ドリアの後孔へドバドバとぶちまける。

「ひ、ひやあああんっ」

 ドリアの口から、今まで聞いたことがない、乙女のような悲鳴があがる。

「ああっ。さ、さ、さわるな! そこは! フレドリック! や、や、やめ……てぇっつ!」

 ドリアの訴えは当然無視され、フレドリックくんは後ろの窄まりへと新薬を塗り込んでいく。
しおりを挟む
数々の作品あるなか、ご訪問ありがとうございます。
これもなにかの『縁』でございます!
お気に入り、ブクマありがとうございます。
まだの方はぜひ、ポチッとしていただき、更新時もよろしくお願いします。
ポチっで、モチベーションがめっちゃあがります。
↓別のお話もアップしています。そちらも応援よろしくお願いします。↓
転生お転婆令嬢は破滅フラグを破壊してバグの嵐を巻き起こす
生贄奴隷の成り上がり〜魂の片割れとの巡り合い〜
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~

トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。 しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。 貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。 虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。 そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる? エブリスタにも掲載しています。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

拾った駄犬が最高にスパダリ狼だった件

竜也りく
BL
旧題:拾った駄犬が最高にスパダリだった件 あまりにも心地いい春の日。 ちょっと足をのばして湖まで採取に出かけた薬師のラスクは、そこで深手を負った真っ黒ワンコを見つけてしまう。 治療しようと近づいたらめちゃくちゃ威嚇されたのに、ピンチの時にはしっかり助けてくれた真っ黒ワンコは、なぜか家までついてきて…。 受けの前ではついついワンコになってしまう狼獣人と、お人好しな薬師のお話です。 ★不定期:1000字程度の更新。 ★他サイトにも掲載しています。

処理中です...