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第54章
異世界の……(3)※
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ドリアは、食べられる直前の怯える子兎のようにぷるぷると震えていて、とってもかわいい。
「あ、あ、安心なんかできるか! マオ! 今すぐ、結界を解け! 医者だ! 医者を呼ぶんだ! 医者に診てもらわないと!」
どうして、そんなにドリアは慌てているのだろうか……。
「なんで? オレはいたって、正常な状態だよ? どこも悪いところはないよ?」
「いや、もうすでに、自分がおかしなことを言っていると気づいていないことが、おかしいんだよ!」
「王太子殿下、落ち着いてください」
今まで黙っていたフレドリックくんが口を開いた。
「ふ、フレドリック! お前からも、なんとか言ってくれ!」
フレドリックくんは立ち上がると、ドリアの方へと近寄っていく。
「ふ、フレドリック? 歩いて大丈夫なのか? フラフラしているぞ」
「そうですね……。もう、限界です」
「だったら、ベッドで大人しくしていろ。それよりも、マオが変だ! お前の言葉なら、マオも聞いてくれ……」
フレドリックくんは一気にドリアとの距離を縮めると、王太子殿下に向かって足払いをする。体勢を崩したドリアを抱えあげると……そのまま、ぽいと、ベッドへと放り投げてしまった。
「うわっ……。な、なにをする! ぶ、無礼な!」
ちょっと、また見事な軌跡を描いてヒトが飛んだよ。
王太子殿下が飛んじゃったよ。
ここって、荷物みたいに簡単にヒトが宙を舞う世界なんだな。
異世界すごいな。
落下の勢いと、ドリアの重みで、寝台のスプリングが大きく軋んで跳ね上がる。
オレもドリアと一緒に、二、三度跳ねちゃったよ。
あたふたしているドリアが起き上がるよりも、フレドリックくんの動きの方が早い。
フレドリックくんは素早く寝台の上へと飛び乗ると、ドリアにまたがって、動きを封じる。
ベッドがギシギシ揺れる。
「わわわわっ。お、落ち着け、フレドリックぅぅぅぅ!」
「落ち着つかなければならないのは、王太子殿下のほうです。勇者様のご希望です。ご希望に添えるよう、我々は全身全霊をもってして、全力を尽くすのみです」
フレドリックくんの目がいっちゃってる。
「へ……?」
「勇者様が三人ですることをご希望されているのなら、三人でするまでのこと」
「わ――っ。フレドリックも変――だぁっ! 誰か! この状態をなんとかしてくれ!」
危機を察知したドリアが懸命に暴れる。
必死に抵抗するが、ふたりがかりで押さえつけられたドリアに残念ながら逃げ道はない。
フレドリックくんの手が、ドリアのベルトを外しにかかる。
ということは、オレは上着担当ということになるよね。
これまた多いボタンにイライラしながらも、ひとつ、ひとつ、丁寧に外して、ドリアの顔がひきつる様を眺めるのもいいかな。
それとも、風魔法で布ごとまとめて一気に切り裂こうかな。
「ちょ、フレドリック、な、な、なにをするつもりだ! ま、マオも! や、やめろ! マオ! なにか、今、危険で変なコトを考えてるだろう!」
「ぜんぜん。変じゃないよ? どうやって服を脱がせたら、盛り上がるかなってコトだけを考えていただけだから」
「いや! マオ! それが変なコトだから! 普段のマオはそんなことは考えないだろ! 落ち着け! まずは冷静になろう!」
ドリアは顔を真っ赤にさせながら身体をよじるが、フレドリックくんが上からがっちりと抑え込んでいて、抵抗を許さない。
フレドリックくんの顔から表情が抜け落ちる。
「王太子殿下は、おっしゃいましたよね?」
凄みのある男らしい顔に、オレの鼓動が高鳴る。身体の芯がじんじんと痺れを放っている。
なんて、オレのフレドリックくんはカッコいいんだろう……。
「わたしが、な、な、なにを……。言ったのだ? おい、どこを触っている! おい、どこに手を入れている! コラ! フレドリックぅ!」
フレドリックくんは熱の籠ったため息を吐き出すと、ボタンを外しているオレをうっとりとした表情で見つめ、ベッドの上でもがいているドリアを冷ややかな目で見下ろす。
その温度差がすごくカッコいい。
「王太子殿下は、わたしが暴走しそうになったら、身を挺してでも、わたしを止めて下さるのでしたよね?」
「た、た、確かに、そのようなことを言ったが? それが、どうした?」
「ですから、今から、身を挺していただきます」
「あ? それは、どういう意味いっっ!」
フレドリックくんは、ドリアのズボンを下着ごと一気にずり下ろす。
同時に、「うぎゃー」とかいうドリアの色気の欠片もないガチな悲鳴が、部屋中に響きわたった。
オレもようやくドリアの上着とシャツのボタンを外し終えて、上着を脱がしにかかるが、腕あたりでやめておく。
ドリアのブーツが床に投げ捨てられ、部屋の隅へと転がっていく。
上着とシャツが二の腕に絡みつき、ドリアの腕の動きを封じる。
「まずは、わたしの熱が治まるまで、王太子殿下でさせていただきます」
「は? なにをだ!」
股の間に身体を滑り込ませ、ドリアが両足を閉じようとするのをフレドリックくんが阻む。
いつの間にか、フレドリックくんの手には、ピンクの瓶が握られていた。
瓶の蓋を口で器用に開けると、ドリアの後孔へドバドバとぶちまける。
「ひ、ひやあああんっ」
ドリアの口から、今まで聞いたことがない、乙女のような悲鳴があがる。
「ああっ。さ、さ、さわるな! そこは! フレドリック! や、や、やめ……てぇっつ!」
ドリアの訴えは当然無視され、フレドリックくんは後ろの窄まりへと新薬を塗り込んでいく。
「あ、あ、安心なんかできるか! マオ! 今すぐ、結界を解け! 医者だ! 医者を呼ぶんだ! 医者に診てもらわないと!」
どうして、そんなにドリアは慌てているのだろうか……。
「なんで? オレはいたって、正常な状態だよ? どこも悪いところはないよ?」
「いや、もうすでに、自分がおかしなことを言っていると気づいていないことが、おかしいんだよ!」
「王太子殿下、落ち着いてください」
今まで黙っていたフレドリックくんが口を開いた。
「ふ、フレドリック! お前からも、なんとか言ってくれ!」
フレドリックくんは立ち上がると、ドリアの方へと近寄っていく。
「ふ、フレドリック? 歩いて大丈夫なのか? フラフラしているぞ」
「そうですね……。もう、限界です」
「だったら、ベッドで大人しくしていろ。それよりも、マオが変だ! お前の言葉なら、マオも聞いてくれ……」
フレドリックくんは一気にドリアとの距離を縮めると、王太子殿下に向かって足払いをする。体勢を崩したドリアを抱えあげると……そのまま、ぽいと、ベッドへと放り投げてしまった。
「うわっ……。な、なにをする! ぶ、無礼な!」
ちょっと、また見事な軌跡を描いてヒトが飛んだよ。
王太子殿下が飛んじゃったよ。
ここって、荷物みたいに簡単にヒトが宙を舞う世界なんだな。
異世界すごいな。
落下の勢いと、ドリアの重みで、寝台のスプリングが大きく軋んで跳ね上がる。
オレもドリアと一緒に、二、三度跳ねちゃったよ。
あたふたしているドリアが起き上がるよりも、フレドリックくんの動きの方が早い。
フレドリックくんは素早く寝台の上へと飛び乗ると、ドリアにまたがって、動きを封じる。
ベッドがギシギシ揺れる。
「わわわわっ。お、落ち着け、フレドリックぅぅぅぅ!」
「落ち着つかなければならないのは、王太子殿下のほうです。勇者様のご希望です。ご希望に添えるよう、我々は全身全霊をもってして、全力を尽くすのみです」
フレドリックくんの目がいっちゃってる。
「へ……?」
「勇者様が三人ですることをご希望されているのなら、三人でするまでのこと」
「わ――っ。フレドリックも変――だぁっ! 誰か! この状態をなんとかしてくれ!」
危機を察知したドリアが懸命に暴れる。
必死に抵抗するが、ふたりがかりで押さえつけられたドリアに残念ながら逃げ道はない。
フレドリックくんの手が、ドリアのベルトを外しにかかる。
ということは、オレは上着担当ということになるよね。
これまた多いボタンにイライラしながらも、ひとつ、ひとつ、丁寧に外して、ドリアの顔がひきつる様を眺めるのもいいかな。
それとも、風魔法で布ごとまとめて一気に切り裂こうかな。
「ちょ、フレドリック、な、な、なにをするつもりだ! ま、マオも! や、やめろ! マオ! なにか、今、危険で変なコトを考えてるだろう!」
「ぜんぜん。変じゃないよ? どうやって服を脱がせたら、盛り上がるかなってコトだけを考えていただけだから」
「いや! マオ! それが変なコトだから! 普段のマオはそんなことは考えないだろ! 落ち着け! まずは冷静になろう!」
ドリアは顔を真っ赤にさせながら身体をよじるが、フレドリックくんが上からがっちりと抑え込んでいて、抵抗を許さない。
フレドリックくんの顔から表情が抜け落ちる。
「王太子殿下は、おっしゃいましたよね?」
凄みのある男らしい顔に、オレの鼓動が高鳴る。身体の芯がじんじんと痺れを放っている。
なんて、オレのフレドリックくんはカッコいいんだろう……。
「わたしが、な、な、なにを……。言ったのだ? おい、どこを触っている! おい、どこに手を入れている! コラ! フレドリックぅ!」
フレドリックくんは熱の籠ったため息を吐き出すと、ボタンを外しているオレをうっとりとした表情で見つめ、ベッドの上でもがいているドリアを冷ややかな目で見下ろす。
その温度差がすごくカッコいい。
「王太子殿下は、わたしが暴走しそうになったら、身を挺してでも、わたしを止めて下さるのでしたよね?」
「た、た、確かに、そのようなことを言ったが? それが、どうした?」
「ですから、今から、身を挺していただきます」
「あ? それは、どういう意味いっっ!」
フレドリックくんは、ドリアのズボンを下着ごと一気にずり下ろす。
同時に、「うぎゃー」とかいうドリアの色気の欠片もないガチな悲鳴が、部屋中に響きわたった。
オレもようやくドリアの上着とシャツのボタンを外し終えて、上着を脱がしにかかるが、腕あたりでやめておく。
ドリアのブーツが床に投げ捨てられ、部屋の隅へと転がっていく。
上着とシャツが二の腕に絡みつき、ドリアの腕の動きを封じる。
「まずは、わたしの熱が治まるまで、王太子殿下でさせていただきます」
「は? なにをだ!」
股の間に身体を滑り込ませ、ドリアが両足を閉じようとするのをフレドリックくんが阻む。
いつの間にか、フレドリックくんの手には、ピンクの瓶が握られていた。
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数々の作品あるなか、ご訪問ありがとうございます。
これもなにかの『縁』でございます!
お気に入り、ブクマありがとうございます。
まだの方はぜひ、ポチッとしていただき、更新時もよろしくお願いします。
ポチっで、モチベーションがめっちゃあがります。
↓別のお話もアップしています。そちらも応援よろしくお願いします。↓
転生お転婆令嬢は破滅フラグを破壊してバグの嵐を巻き起こす
生贄奴隷の成り上がり〜魂の片割れとの巡り合い〜
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