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第35章
異世界の神託はハチャメチャです(3)
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まあ、その情報は間違ってはいないけどね。オレだって、そうそう、簡単には流されない……はずだよ。
なんてったって、勇者様って呼ばれているけど、ホントウは、オレは魔王なんだからね。
チョロい魔王じゃないぞ。
魔王がチョロかったら、大変じゃないか。
「ゆうしゃサマ、ゆうしゃサマがいらっしゃった世界と違って、この世界、特に『ハラミバラ』は多夫多妻が許される世界です。ゆうしゃサマがみなを等しく愛してくだされば、何人と交わろうと、何人を娶ろうと、なんら問題はありません。安心してください」
「いや、安心とかそういう問題じゃなく。そんなドロドロな状態で、みんなが納得して円満になるわけ……」
「大丈夫です! ゆうしゃサマをめぐって刺したり、刺されたりは、絶対に、わたしが許しませんから! しっかり管理します!」
(おい……刺したり、刺されたり……って言ったよな? やっぱり、あるんじゃないか!)
……っていうか、あのピンクな禁書庫のラインナップを知り尽くしているオレは、多夫多妻の王家のドロドロ愛憎劇を熟知しているんだぞ。
反論する前に、いきなり聖女様が動いた。
と思った次の瞬間、オレは横抱きにされて、ふかふかベッドの上にぽいっと放り投げられていた。
「え…………」
目の前の景色が一瞬で変わった。
これで空中を舞うのは二度目なのだが、あまりの早業になにがどうなったのか全くわからないよ。
オレはベッドに仰向けになって寝転がっており、オレの腹の上に聖女様が乗っかる体勢になっていた。
なんで……なんでなの?
どういうこと……なの?
オレの両手は頭上でひとつにまとめられて、聖女様に手首を握られている。
「ちょ、ちょ、ちょい、聖女様! とにもかくにも、まずは落ち着きましょう!」
「いやです。だって、ゆうしゃサマはやる気になっているのに、オアズケなんて、あんまりです」
そ、そんな悲しそうな目でオレを見ないでくれ。
っていうか、オレの腹の上から降りてくれ。
「オレだって、嫌なものは、嫌なんだ! 帰りたい! 帰してくれ! ここからだしてくれ!」
帰りたいと叫びながら、オレは一体、どこに帰りたいのだろうか? と疑問に思う。
オレはドリアの元に帰りたいのだろうか?
それとも、元の世界に帰りたいのか?
誰のところに帰りたいのか?
不意に、自分の居場所がわからなくなり、気持ちに隙が生じる。
それを見逃す聖女様ではないよ。
ギシッと寝台が音を立てて、聖女様の重みがオレの全身に加わった。
それでも頑張ってジタバタと暴れるが、オレの抵抗はあっさりと聖女様に封じ込まれてしまう。
「ゆうしゃサマ、抵抗しても無駄ですよ。ベッドの上では、わたしが最強です」
(うん、聖女様のおっしゃるとおり、全く、歯が立たない)
全裸で、オレの腹の上で誇らしげに最強宣言されてもな――と、普通は思うところなのだが、聖女様補正が入っているためか、世界中のなによりも神々しく見えてしまって、思わず食べたくなってしまうのだから始末がわるい。
これはもう、スキルというか、女神アナスティミアからのギフトだろう。これが聖女様の力なのか。
だとしても、抵抗をあきらめるわけにはいかないよ。
「それともまた、どこかに雷を落とされますか?」
「――――!」
色っぽくにっこりと笑われ、オレが怯んだすきに唇をちゅっちゅと吸われてしまう。
それがとっても柔らかくて、甘い味がして、オレはうっとりとその刺激を楽しみながら、続きを促してしまった。
聖女様の手がオレの後孔へと伸びていく。
その感触に、悲鳴にならない息がオレの口から漏れる。
「わたしのをココに挿れてもいいんですが、二番目は嫌です。わたし、九人兄弟の末っ子だったんで、なんでも一番後回しだったんですよね……おさがりばっかりで……」
「…………」
たしか、女神アナスティミアも九人姉妹の末っ子とか言ってたよな?
偶然だろうが、なんか、末っ子、怖いぞ。
「だから、一番がいいんです。だから、こっち」
と言いながら、聖女様はオレの徴をつかむと、腰を上げて、先端を己の後孔へと導き入れようとする。
「ゆうしゃサマの種を真っ先に、このナカにいただきますね」
(ひいいいいっ! なんだってぇ!)
「いや! やめ! だめ! やめろっ!」
聖女様の意図を察したオレは、懸命に足をばたつかせ、身体を捻って抵抗する。
なんてったって、勇者様って呼ばれているけど、ホントウは、オレは魔王なんだからね。
チョロい魔王じゃないぞ。
魔王がチョロかったら、大変じゃないか。
「ゆうしゃサマ、ゆうしゃサマがいらっしゃった世界と違って、この世界、特に『ハラミバラ』は多夫多妻が許される世界です。ゆうしゃサマがみなを等しく愛してくだされば、何人と交わろうと、何人を娶ろうと、なんら問題はありません。安心してください」
「いや、安心とかそういう問題じゃなく。そんなドロドロな状態で、みんなが納得して円満になるわけ……」
「大丈夫です! ゆうしゃサマをめぐって刺したり、刺されたりは、絶対に、わたしが許しませんから! しっかり管理します!」
(おい……刺したり、刺されたり……って言ったよな? やっぱり、あるんじゃないか!)
……っていうか、あのピンクな禁書庫のラインナップを知り尽くしているオレは、多夫多妻の王家のドロドロ愛憎劇を熟知しているんだぞ。
反論する前に、いきなり聖女様が動いた。
と思った次の瞬間、オレは横抱きにされて、ふかふかベッドの上にぽいっと放り投げられていた。
「え…………」
目の前の景色が一瞬で変わった。
これで空中を舞うのは二度目なのだが、あまりの早業になにがどうなったのか全くわからないよ。
オレはベッドに仰向けになって寝転がっており、オレの腹の上に聖女様が乗っかる体勢になっていた。
なんで……なんでなの?
どういうこと……なの?
オレの両手は頭上でひとつにまとめられて、聖女様に手首を握られている。
「ちょ、ちょ、ちょい、聖女様! とにもかくにも、まずは落ち着きましょう!」
「いやです。だって、ゆうしゃサマはやる気になっているのに、オアズケなんて、あんまりです」
そ、そんな悲しそうな目でオレを見ないでくれ。
っていうか、オレの腹の上から降りてくれ。
「オレだって、嫌なものは、嫌なんだ! 帰りたい! 帰してくれ! ここからだしてくれ!」
帰りたいと叫びながら、オレは一体、どこに帰りたいのだろうか? と疑問に思う。
オレはドリアの元に帰りたいのだろうか?
それとも、元の世界に帰りたいのか?
誰のところに帰りたいのか?
不意に、自分の居場所がわからなくなり、気持ちに隙が生じる。
それを見逃す聖女様ではないよ。
ギシッと寝台が音を立てて、聖女様の重みがオレの全身に加わった。
それでも頑張ってジタバタと暴れるが、オレの抵抗はあっさりと聖女様に封じ込まれてしまう。
「ゆうしゃサマ、抵抗しても無駄ですよ。ベッドの上では、わたしが最強です」
(うん、聖女様のおっしゃるとおり、全く、歯が立たない)
全裸で、オレの腹の上で誇らしげに最強宣言されてもな――と、普通は思うところなのだが、聖女様補正が入っているためか、世界中のなによりも神々しく見えてしまって、思わず食べたくなってしまうのだから始末がわるい。
これはもう、スキルというか、女神アナスティミアからのギフトだろう。これが聖女様の力なのか。
だとしても、抵抗をあきらめるわけにはいかないよ。
「それともまた、どこかに雷を落とされますか?」
「――――!」
色っぽくにっこりと笑われ、オレが怯んだすきに唇をちゅっちゅと吸われてしまう。
それがとっても柔らかくて、甘い味がして、オレはうっとりとその刺激を楽しみながら、続きを促してしまった。
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数々の作品あるなか、ご訪問ありがとうございます。
これもなにかの『縁』でございます!
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