53 / 339
第10章
異世界の情報網は怖いです(4)
しおりを挟む
そうだよな。
なんだかんだあっても、結局、最後はここに行き着くんだよね……。
オレは寝台の上にそっと降ろされる。
大きくてフカフカなベッドは、リニー少年の手によって、常に真新しいシーツが用意され、いつ使ってもいいように、整えられている。
布団も枕も極上なほど柔らかい。そして、いい匂いがする。
ここでゴロンと横になると、とても気持ちがいいんだ。
だが、今のオレには、ベッドの心地よさを堪能している余裕はなかった。
王太子は勢いよく寝台に乗りあがると、オレの上に跨り、冷たい目でオレを見下ろした。
いつもとは違う表情の王太子と、いつもとは違う展開に、オレはとまどう。
なのに、このような状況でも、オレの下半身は条件反射的に、半勃ち状態になっていた。
「……えっと……。夕食は?」
「不要だ」
ドリアの硬く乾いた声にオレは驚く。
目が怖い。目が怖い……。
そんな恐ろしい目で、オレのことを睨まないで欲しいよ。
「不要って……いや、ちゃんと、食事をとらないとだめだよね?」
王太子から散々言われつづけていた言葉を、今度はオレが王太子に返す。
「王族は……始祖に近い力を持つ者ほど、食事を必要としない。わたしは、食事などせずとも、魔素があれば生きていける」
「はああああっ?」
この数日間の夕食と朝食は、いったいなんだったんだ!
(また騙された!)
「いい加減にしろっ!」
思いっきり叫ぶ。
パンツといい、ヒラヒラフリフリの夜着といい……。
異世界人のオレは、こっちの世界の常識を知らない。だからといって、弄ぶのもたいがいにしてほしい。
起き上がろうとするが、その前にドリアがオレに覆いかぶさり、寝台へとぬいつけられる。
「コラ、離せ! 嫌だ!」
手足、全身を使って暴れもがく。
王太子に組み伏せられたら、どうあがいても勝てないということは、この数日で学習したが、今日のオレは、かなり頭にきてたよ。
それこそ、魔法をぶちかましてでも、王太子の中から逃れたかったんだ。
「離さない」
なのに、ものすごく甘い声で、囁かれる。
それだけでオレの腰が震え、奥がジクジクしてくる。
悲しいかな……オレの抵抗しようという気持ちが萎えてくる。
オレの意思って、こんなに脆かったのかな?
「今日は、昼食とお茶の時間に、フレドリックの同席を許したんだな?」
「へ……? ああ。そうだけど?」
いきなり、なんの話をするんだろう? という疑問もあったが、真面目に受け答えしている自分が、本当に情けないね。
「とても楽しそうだった、という報告をうけたぞ」
(ええええええっ!)
誰がいつの間に、そんなことを王太子にチクったんだ!
なんだかんだあっても、結局、最後はここに行き着くんだよね……。
オレは寝台の上にそっと降ろされる。
大きくてフカフカなベッドは、リニー少年の手によって、常に真新しいシーツが用意され、いつ使ってもいいように、整えられている。
布団も枕も極上なほど柔らかい。そして、いい匂いがする。
ここでゴロンと横になると、とても気持ちがいいんだ。
だが、今のオレには、ベッドの心地よさを堪能している余裕はなかった。
王太子は勢いよく寝台に乗りあがると、オレの上に跨り、冷たい目でオレを見下ろした。
いつもとは違う表情の王太子と、いつもとは違う展開に、オレはとまどう。
なのに、このような状況でも、オレの下半身は条件反射的に、半勃ち状態になっていた。
「……えっと……。夕食は?」
「不要だ」
ドリアの硬く乾いた声にオレは驚く。
目が怖い。目が怖い……。
そんな恐ろしい目で、オレのことを睨まないで欲しいよ。
「不要って……いや、ちゃんと、食事をとらないとだめだよね?」
王太子から散々言われつづけていた言葉を、今度はオレが王太子に返す。
「王族は……始祖に近い力を持つ者ほど、食事を必要としない。わたしは、食事などせずとも、魔素があれば生きていける」
「はああああっ?」
この数日間の夕食と朝食は、いったいなんだったんだ!
(また騙された!)
「いい加減にしろっ!」
思いっきり叫ぶ。
パンツといい、ヒラヒラフリフリの夜着といい……。
異世界人のオレは、こっちの世界の常識を知らない。だからといって、弄ぶのもたいがいにしてほしい。
起き上がろうとするが、その前にドリアがオレに覆いかぶさり、寝台へとぬいつけられる。
「コラ、離せ! 嫌だ!」
手足、全身を使って暴れもがく。
王太子に組み伏せられたら、どうあがいても勝てないということは、この数日で学習したが、今日のオレは、かなり頭にきてたよ。
それこそ、魔法をぶちかましてでも、王太子の中から逃れたかったんだ。
「離さない」
なのに、ものすごく甘い声で、囁かれる。
それだけでオレの腰が震え、奥がジクジクしてくる。
悲しいかな……オレの抵抗しようという気持ちが萎えてくる。
オレの意思って、こんなに脆かったのかな?
「今日は、昼食とお茶の時間に、フレドリックの同席を許したんだな?」
「へ……? ああ。そうだけど?」
いきなり、なんの話をするんだろう? という疑問もあったが、真面目に受け答えしている自分が、本当に情けないね。
「とても楽しそうだった、という報告をうけたぞ」
(ええええええっ!)
誰がいつの間に、そんなことを王太子にチクったんだ!
10
数々の作品あるなか、ご訪問ありがとうございます。
これもなにかの『縁』でございます!
お気に入り、ブクマありがとうございます。
まだの方はぜひ、ポチッとしていただき、更新時もよろしくお願いします。
ポチっで、モチベーションがめっちゃあがります。
↓別のお話もアップしています。そちらも応援よろしくお願いします。↓
転生お転婆令嬢は破滅フラグを破壊してバグの嵐を巻き起こす
生贄奴隷の成り上がり〜魂の片割れとの巡り合い〜
これもなにかの『縁』でございます!
お気に入り、ブクマありがとうございます。
まだの方はぜひ、ポチッとしていただき、更新時もよろしくお願いします。
ポチっで、モチベーションがめっちゃあがります。
↓別のお話もアップしています。そちらも応援よろしくお願いします。↓
転生お転婆令嬢は破滅フラグを破壊してバグの嵐を巻き起こす
生贄奴隷の成り上がり〜魂の片割れとの巡り合い〜
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる