勇者召喚された魔王様は王太子に攻略されそうです〜喚ばれた先は多夫多妻のトンデモない異世界でした〜

第６章

異世界の媚薬は危険です（４）

「そんな……切ない顔で、扉を見るな。嫉妬で狂ってしまいそうだ」

　切なさを含んだ声で囁くと、エルドリア王太子は唇をオレの首筋に押し当てる。首筋を甘く吸われ、オレの息が止まりかける。

（かっ……噛まれるかと思った）

　全くもって、心臓に悪い。
　熱く濡れたエルドリア王太子の肉厚の唇が、首筋や耳に執拗に触れてくる。

（な、なにを、王太子は言っている？　そもそも、最初からコイツはおかしいじゃないか！）

　エルドリア王太子の荒い息が、オレの首筋をくすぐる。
　かっと頬が火照り、オレの内側を熱くする。この火はなかなか消えそうにもない。

「あっ……あああ……っ、ん！」

　腹の辺りをを弄っていたエルドリア王太子の大きな手が、ゆっくりと、下の方に下りていき……ついには、オレの股間へとたどり着いた。

　予想していなかった刺激に、オレの口から奇妙な叫び声がでる。

「やぁん……な、な、ん……なに……してる！」

　王太子の手は、オレの息子を包み込むようにして握りしめ、上下に扱きあげてくる。

　突然の刺激に、オレの身体が大きくのぞける。
　
「ああ……ん」

（なにをするんだ！）
　
　一喝してやりたいのに、声がでない。
　いや、でるにはでるのだが、信じられないくらい、色っぽい喘ぎ声しかでてこない。

「ひいいぃ……んっ」

　ゆるゆると、嬲るように前をなぞられ、そのたびに、オレの身体がびくびくと跳ね上がる。

　そのたびに湯がパシャパシャと音をたて、どれだけオレが乱れまくっているのかがわかる。
　息がだんだん荒くなり、身体が火照ってどろどろになっていく。

　はしたなく喘いでいるオレの姿に刺激されたのか、胸にあてられていたもう一方の手も、明確な意志を持って、さわさわと動き始め、オレを翻弄しはじめる。

「や……て。や……め……ろっ！」

　新たな刺激に、体内の奥底にあったなにかがふつふつと蠢き出す。
　大きく首を振り、オレはイヤイヤをする。

　前だけだなく、胸まで撫で回され、なんだかおかしな昂りに全身が支配される。躰がフワフワしはじめる。
　エルドリア王太子が触れるところすべてが、熱を持ち始めていた。

　涙がじんわりと浮かんできて、景色がぼやけはじめる。
　焦点が定まらないのは、涙のせいだろうか。

「マオは感じやすいのだな……」

　首筋から唇が離れた……と思ったら、今度は耳元で囁かれた。
　エルドリア王太子の掠れた声に、腰がびくびくと揺れ動く。

「ち、ち……ちがうっ……う」

　耳を甘噛され、舌でゆっくりと舐められた。
　同時に、オレの大事な場所を、手で強く握りしめられる。

　再び乱れた悲鳴が喉を震わせ、涙がぼろぼろとこぼれ落ちる。
　開かれた口は、漏れ出た唾液で濡れていた。

（オ、オレは、こんな……。男にくちゃくちゃされて、悦ぶような男じゃない！）

　反論したいのだが、やはり、開いた口からは淫靡な喘ぎ声しかでてこない。
　涙と涎でオレの顔がぐちゃぐちゃになる。

　堪らえようとするのだが、口を閉じようとすると、なにかしらの刺激が与えられ、オレは身体をよじり、嬌声をあげる。

「我慢してはだめだ。声も、悦びも……。我慢するな。隠さず、なにもかも、だしきらないと……」

（だ、だすって……ソウイウことなのか！）

「恥ずかしがるな……マオのすべてを見せてくれ」

　ゆっくりとなにかを探すかのように、蠢めいていたエルドリア王太子の右手が、オレの胸の尖りに触れた。先端をぐりぐりといじられる。

「ひゃぁぁぁん！」

　敏感になっていた乳首に指が触れ、くちゅくちゅといたぶられる。こねくりまわされ、引っ張られ、つきんとした鈍く鋭い刺激が、さらなる欲望を呼び覚ます。

「や、や、やん。い……いっちゃ……う。イク……っ」

　吐息混じりの喘ぎが止まらない。

「やだ。や……だ。そこ、そ……んな……ダメ。い、イク。イク……ダメえっっ」

　刺激が絶え間なく与えられ、快感がオレの全身を駆け巡る。
　アソコが硬く、はりさけそうなほど滾って苦しい。全身が震えだし、もう、我慢できない。

「イっていいよ。何回でも、何度でも。存分に、わたしを味わってイってくれ」

　耳元で響くその甘い誘惑に、オレは思わず息を呑む。
　淫らに揉み上げられた後、オレの中で、ナニかが弾け飛んだ。