40 / 127
Mission1 前世を思い出せ!
40.モブ以下のモブ扱い
しおりを挟む
ライース・アドルミデーラとカルティ・アザの細かな設定は思い出せたのに……だ。
そこがものすごく、もどかしい。
しかも、あたしが知っているふたりには、微妙なズレがある。
それを言うなら、お父様――ジェルバ・アドルミデーラ侯爵――も、人前で号泣するようなキャラではなく、ちょっとやそっとのことでは動じない鉄面皮の厳つい父親だったはずだ。
キャラたちの性格もだが、それ以上にあたし――フレーシア・アドルミデーラ――の存在に問題があった。
カルティとライースの設定を思い出したとき、おまけっぽい感じであたしは、『キミツバ』でのあたしの役割に気づいた。
ゲーム本編では、ライース・アドルミデーラの『年の離れた異母妹』は登場していない。
ゲーム中の会話で、ヒロインに
「幼い頃に亡くなった妹が、今も生きていたらちょうど、あなたくらいの年齢だと思います」
とか
「妹が生きていたら、あなたのよき友となれたでしょうに……」
といったセリフで、ヒロインに語られるくらいだ。
つまり、その時点で死んでいるのだ。
それだけではなく、最後の最後までライース・アドルミデーラは『妹』の名を口にしなかった。
『妹』の名前は、前世のあたしが死んだ(と思われる)時点では、公開されていない。
実は、名前だけではなく、顔も公開されていないのだ。
謎の人物というよりは、それほど重要でもないから、こんな扱いになってしまったんだろう。
最初、目覚めたときに、自分が誰だかわからなかったのは、そういうゲーム設定に影響を受けたからかもしれない。
ライース・アドルミデーラの『妹』が重要キャラとして登場するのは、特別イベントの『ライース・アドルミデーラ 真夏の静養地編』だけだ。
そこでも、名前部分は伏せ字扱い。
容姿にいたっては、前髪が長くて、顔は髪の毛の影にかくれてしまって口元しか描かれないというキャラだった……。
だって、メインは若かりしライースのエピソードだからね。
あたしってば、刺し身のつまくらいな存在なんだろう。
演出上、意図的な表現だったのか、公開まで時間か予算が足りなくて、妹のデザインを断念したのか……。
ファンたちがライース・アドルミデーラの『妹』を想像したイラストをSNSに発表したり、薄い本をだしたりしていたから、今更、顔を公開できなかったのかもしれない。
モブの絵の方が、まだしっかりと描かれていたくらいだ。
モブ以下のモブ扱い。
あまりにも雑な扱われ方だ。
思い出したとき、さすがのあたしもショックを受けた。
あまりのショックに言葉を失ってしまったくらいだ。
そこがものすごく、もどかしい。
しかも、あたしが知っているふたりには、微妙なズレがある。
それを言うなら、お父様――ジェルバ・アドルミデーラ侯爵――も、人前で号泣するようなキャラではなく、ちょっとやそっとのことでは動じない鉄面皮の厳つい父親だったはずだ。
キャラたちの性格もだが、それ以上にあたし――フレーシア・アドルミデーラ――の存在に問題があった。
カルティとライースの設定を思い出したとき、おまけっぽい感じであたしは、『キミツバ』でのあたしの役割に気づいた。
ゲーム本編では、ライース・アドルミデーラの『年の離れた異母妹』は登場していない。
ゲーム中の会話で、ヒロインに
「幼い頃に亡くなった妹が、今も生きていたらちょうど、あなたくらいの年齢だと思います」
とか
「妹が生きていたら、あなたのよき友となれたでしょうに……」
といったセリフで、ヒロインに語られるくらいだ。
つまり、その時点で死んでいるのだ。
それだけではなく、最後の最後までライース・アドルミデーラは『妹』の名を口にしなかった。
『妹』の名前は、前世のあたしが死んだ(と思われる)時点では、公開されていない。
実は、名前だけではなく、顔も公開されていないのだ。
謎の人物というよりは、それほど重要でもないから、こんな扱いになってしまったんだろう。
最初、目覚めたときに、自分が誰だかわからなかったのは、そういうゲーム設定に影響を受けたからかもしれない。
ライース・アドルミデーラの『妹』が重要キャラとして登場するのは、特別イベントの『ライース・アドルミデーラ 真夏の静養地編』だけだ。
そこでも、名前部分は伏せ字扱い。
容姿にいたっては、前髪が長くて、顔は髪の毛の影にかくれてしまって口元しか描かれないというキャラだった……。
だって、メインは若かりしライースのエピソードだからね。
あたしってば、刺し身のつまくらいな存在なんだろう。
演出上、意図的な表現だったのか、公開まで時間か予算が足りなくて、妹のデザインを断念したのか……。
ファンたちがライース・アドルミデーラの『妹』を想像したイラストをSNSに発表したり、薄い本をだしたりしていたから、今更、顔を公開できなかったのかもしれない。
モブの絵の方が、まだしっかりと描かれていたくらいだ。
モブ以下のモブ扱い。
あまりにも雑な扱われ方だ。
思い出したとき、さすがのあたしもショックを受けた。
あまりのショックに言葉を失ってしまったくらいだ。
3
数々の作品あるなか、ご訪問ありがとうございます。
これもなにかの『縁』でございます!
お気に入り、ブクマありがとうございます。
まだの方はぜひ、ポチッとしていただき、更新時もよろしくお願いします。
ポチっで、モチベーションがめっちゃあがります。
↓別のお話もアップしています。そちらも応援よろしくお願いします。↓
勇者召喚された魔王様は王太子に攻略されそうです
生贄奴隷の成り上がり〜魂の片割れとの巡り合い〜
これもなにかの『縁』でございます!
お気に入り、ブクマありがとうございます。
まだの方はぜひ、ポチッとしていただき、更新時もよろしくお願いします。
ポチっで、モチベーションがめっちゃあがります。
↓別のお話もアップしています。そちらも応援よろしくお願いします。↓
勇者召喚された魔王様は王太子に攻略されそうです
生贄奴隷の成り上がり〜魂の片割れとの巡り合い〜
お気に入りに追加
103
あなたにおすすめの小説

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

悪役令嬢?いま忙しいので後でやります
みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった!
しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢?
私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為

出て行ってほしいと旦那様から言われたのでその通りにしたら、今になって後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
コルト第一王子と婚約者の関係にあったエミリア。しかし彼女はある日、コルトが自分の家出を望んでいる事を知ってしまう。エミリアはそれを叶える形で、静かに屋敷を去って家出をしてしまう…。コルトは最初こそその状況に喜ぶのだったが、エミリアの事を可愛がっていた国王の逆鱗に触れるところとなり、急いでエミリアを呼び戻すべく行動するのであったが…。

【完結】王太子殿下が幼馴染を溺愛するので、あえて応援することにしました。
かとるり
恋愛
王太子のオースティンが愛するのは婚約者のティファニーではなく、幼馴染のリアンだった。
ティファニーは何度も傷つき、一つの結論に達する。
二人が結ばれるよう、あえて応援する、と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる