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第8章 愛の行方は揺るぎなく
37話
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学校から徒歩十五分。比較的新しい家が並ぶ住宅街のはずれ。暖かい光を灯すカフェへ、岬は飛沙斗とともに吸い込まれた。
「甘いというより、もはや甘ったるいな」
しかし連れ添う厘は、慣れない空間に顔をしかめる。そういえば、彼は知っているのだろうか。今日が “聖バレンタインデー” という甘い祭日であることを、知っているのだろうか。
疑問とともに岬の脳裏に浮かぶのは、放課後の風景。さながらボディガードのように校門前で待ち呆けていた厘は、何人かの女生徒に囲まれていた。
目立つ風貌ゆえに、噂になるのも頷ける。『どうやら花籠岬の知り合いらしい』と広まった頃は囲まれることなど皆無で、しかし、バレンタインという “口実” はようやく彼女たちの枷をはずしたらしい。
厘は格好いいもの……仕方がない。でも、厘は私の———。
「岬。席が空いたらしい」
「あっ……うん」
店員に先導される厘の後ろで、岬は首を横に振る。
『岬ちゃんはあげないの?』
しかし浮かんだ雑念と独占欲は、なかなか手強く振り払えない。飛沙斗の言葉にドキリとしたのは、きっとそのせいだ。
「それは……」
『せっかく傍にいるのに。あげたらいいのに』
「……———」
正面。席に着いた厘を見据え、岬は押し黙る。中にいる飛沙斗には、すでに見透かされているらしい。おそらく、校門前で沸々と込み上げた嫉妬心も。
「岬、これはどういう仕組みだ」
「バイキングだよ。向こうのブースにあるスイーツ、好きなだけ盛ってきていいんだよ」
ほう、と顎に指を滑らせる厘。モダンな店内に包まれる和装姿も。珍しい白髪も。鈍色の瞳も。周りが必ず一瞥する彼の姿は、もはやすべてが日常で。だからこそ、自分が一番傍にいると思っていた。
傍にいるのに。近いのに、近づけないのはどうしてだろう———。
「一緒に行くぞ」
「え?」
「教えてくれ。段取りがよく解らない。……それに、女子ばかりで落ち着かない。お前が居れば、———いや。なんでもない」
厘は前髪をいじりながら耳を赤らめる。不意を突かれた信頼に心臓が貫かれる。自分以外、この店内の誰にも、厘が見えなくなればいいのに。岬は下唇を噛み締めた。
『意外と独占欲強いでしょ、岬ちゃん』
「っ……?!」
『あはは、図星~』
ブースへ向かう間、厘に聴こえないよう、囁くように笑う飛沙斗。岬は強くなる欲を覆い隠すように、スイーツを積み上げた。邪念の隙がなくなるよう、余白を懸命に埋めた。
「夕飯の分、腹残しておけよ」
「うっ……そうだった」
イチゴのショートケーキ。ザッハトルテ。フルーツタルト。エトセトラ。隙間なく埋め尽くされた皿に視線を落とし、岬は動揺と独占欲をいまさら恨んだ。
『あぁ~。久しぶりに味わえるのかぁ……嬉しいなぁ』
しかし中の声は、“後悔先に立たず” と落ちた岬に構わず、心のままに弾んでいる。
「お前、甘いものが好きなのか」
『そりゃあ、だって俺は』
蜜を吸う蝶だから───。 飛沙斗が続けた事実に「そういえば」と納得する。姿が見えない岬は、霊魂の生前の姿を忘れかけていた。やりとりをするうちに情報が溶け込んでいた。そして、命を宿すもの、像を取っ払えばすべて同じ魂なのだと思い知った。
『生前は、蜜が大好きでさ』
「蝶だしな」
苦笑。眉間を摘まむ厘。彼自身、蜜を吸いだされる側だったからだろう。精気を注いで貰っている私も立場が似ているな、と少しばつが悪くなった。
「どうした、岬」
「う、ううん……なんでもない。いただきます……っ」
これまで、精気を注ぐことに嫌悪感を示さなかったのは、使命だからだ。それ以上も以下もない。判っている。しっかり解っている。
岬は首を横に振った後、スイーツに手を伸ばす。口一杯に甘さが広がっているはずなのに、胸には棘が突き刺さるような痛みが走った。
「美味いか」
「うん、美味しい」
目を細めると、厘は安堵したように頬杖を突く。岬は思い伏せた。
どうか、気づかれませんように。笑みの奥で、貪欲な想いをひた隠していることにも。何気ない仕草にときめいてしまっていることにも———。
『岬。もっともっと』
「え……まだ食べるの……?」
『えー、俺は全然たりなぁい』
喉を通すのさえ億劫な胃事情のなか、飛沙斗のリクエストは容赦なく、答えている間に岬の胃は疾うに限界を超えていた。
「も、もう無理だよ……」
最後には逆流を予感した胃と口元を押さえ、呻いた。
「水を飲め。ほら」
「あ……ありがとう、厘」
差し出されたグラス。喉に流し込まれる冷水があまりにも心地よく、水分を欲する厘の気持ちが手に取るように分かった。
「あまり無理をするな。それと、無理をさせるな」
岬と飛沙斗は交互に返事をする。直後、厘は「最後にもう一つだけ」と席を立った。どうやら『女子だらけ』の雰囲気にも慣れ、スイーツも気に入ったらしい。それにしても———
「いいなぁ……厘は、いくら食べても太らなくて」
厘の皿に盛られた、彩り豊かなフルーツタルトに視線を落とす。しかし、瞳に映すだけでも胃は呻き、すぐさま視線を持ち上げた。甘いものは好きだけど、ここ最近は体型を気にせず食べられた試しはない。永遠に解決しないジレンマを浮かべながら、岬はその細い体を羨んだ。
「気にしているのか」
「今日食べた分は当分控えなきゃ……」
苦笑を浮かべると、厘は瞬きしながら首を傾げる。
「お前はもう少し、肉を付けても構わんだろう」
「そんなこと……だって、お腹もこんなに」
自分の脇腹をつねり、岬は落胆する。同時にまじまじと向けられる視線に、思わず俯く。しかし厘は、さらに首を捻って言った。
「そこに目立つ脂肪など、殆ど無かったがな」
……え———?
岬は目を丸くして、正面を見上げる。厘はしまった、とでも言いたげな様子で口元を覆う。そっぽを向いたせいで、赤く湖畔を作った首筋が露わになっていた。
なかった、って。なかった、って。厘は私の———。
「へ……?」
素っ頓狂な声で反応した岬に追い打ちをかけたのは、中の声だった。
『へぇー。なんだ、身体とか見せ合う関係なの?』
爪先から頭の先まで、みるみる熱が這い上がる。違う、と否定する言葉さえ出てこない。もはや否定以前、厘の言葉の真意を図れない。本当に体を見たかのような口ぶりが、頭のネジを熱して飛ばす。
「……岬。あとで話す……から、少し待っていてくれ」
歯切れ悪く言いながら、彼は目の前のタルトを一口、二口で食べ尽くす。心ここに非ずな彼の視線は、いつもより数段熱を持っていた。
「甘いというより、もはや甘ったるいな」
しかし連れ添う厘は、慣れない空間に顔をしかめる。そういえば、彼は知っているのだろうか。今日が “聖バレンタインデー” という甘い祭日であることを、知っているのだろうか。
疑問とともに岬の脳裏に浮かぶのは、放課後の風景。さながらボディガードのように校門前で待ち呆けていた厘は、何人かの女生徒に囲まれていた。
目立つ風貌ゆえに、噂になるのも頷ける。『どうやら花籠岬の知り合いらしい』と広まった頃は囲まれることなど皆無で、しかし、バレンタインという “口実” はようやく彼女たちの枷をはずしたらしい。
厘は格好いいもの……仕方がない。でも、厘は私の———。
「岬。席が空いたらしい」
「あっ……うん」
店員に先導される厘の後ろで、岬は首を横に振る。
『岬ちゃんはあげないの?』
しかし浮かんだ雑念と独占欲は、なかなか手強く振り払えない。飛沙斗の言葉にドキリとしたのは、きっとそのせいだ。
「それは……」
『せっかく傍にいるのに。あげたらいいのに』
「……———」
正面。席に着いた厘を見据え、岬は押し黙る。中にいる飛沙斗には、すでに見透かされているらしい。おそらく、校門前で沸々と込み上げた嫉妬心も。
「岬、これはどういう仕組みだ」
「バイキングだよ。向こうのブースにあるスイーツ、好きなだけ盛ってきていいんだよ」
ほう、と顎に指を滑らせる厘。モダンな店内に包まれる和装姿も。珍しい白髪も。鈍色の瞳も。周りが必ず一瞥する彼の姿は、もはやすべてが日常で。だからこそ、自分が一番傍にいると思っていた。
傍にいるのに。近いのに、近づけないのはどうしてだろう———。
「一緒に行くぞ」
「え?」
「教えてくれ。段取りがよく解らない。……それに、女子ばかりで落ち着かない。お前が居れば、———いや。なんでもない」
厘は前髪をいじりながら耳を赤らめる。不意を突かれた信頼に心臓が貫かれる。自分以外、この店内の誰にも、厘が見えなくなればいいのに。岬は下唇を噛み締めた。
『意外と独占欲強いでしょ、岬ちゃん』
「っ……?!」
『あはは、図星~』
ブースへ向かう間、厘に聴こえないよう、囁くように笑う飛沙斗。岬は強くなる欲を覆い隠すように、スイーツを積み上げた。邪念の隙がなくなるよう、余白を懸命に埋めた。
「夕飯の分、腹残しておけよ」
「うっ……そうだった」
イチゴのショートケーキ。ザッハトルテ。フルーツタルト。エトセトラ。隙間なく埋め尽くされた皿に視線を落とし、岬は動揺と独占欲をいまさら恨んだ。
『あぁ~。久しぶりに味わえるのかぁ……嬉しいなぁ』
しかし中の声は、“後悔先に立たず” と落ちた岬に構わず、心のままに弾んでいる。
「お前、甘いものが好きなのか」
『そりゃあ、だって俺は』
蜜を吸う蝶だから───。 飛沙斗が続けた事実に「そういえば」と納得する。姿が見えない岬は、霊魂の生前の姿を忘れかけていた。やりとりをするうちに情報が溶け込んでいた。そして、命を宿すもの、像を取っ払えばすべて同じ魂なのだと思い知った。
『生前は、蜜が大好きでさ』
「蝶だしな」
苦笑。眉間を摘まむ厘。彼自身、蜜を吸いだされる側だったからだろう。精気を注いで貰っている私も立場が似ているな、と少しばつが悪くなった。
「どうした、岬」
「う、ううん……なんでもない。いただきます……っ」
これまで、精気を注ぐことに嫌悪感を示さなかったのは、使命だからだ。それ以上も以下もない。判っている。しっかり解っている。
岬は首を横に振った後、スイーツに手を伸ばす。口一杯に甘さが広がっているはずなのに、胸には棘が突き刺さるような痛みが走った。
「美味いか」
「うん、美味しい」
目を細めると、厘は安堵したように頬杖を突く。岬は思い伏せた。
どうか、気づかれませんように。笑みの奥で、貪欲な想いをひた隠していることにも。何気ない仕草にときめいてしまっていることにも———。
『岬。もっともっと』
「え……まだ食べるの……?」
『えー、俺は全然たりなぁい』
喉を通すのさえ億劫な胃事情のなか、飛沙斗のリクエストは容赦なく、答えている間に岬の胃は疾うに限界を超えていた。
「も、もう無理だよ……」
最後には逆流を予感した胃と口元を押さえ、呻いた。
「水を飲め。ほら」
「あ……ありがとう、厘」
差し出されたグラス。喉に流し込まれる冷水があまりにも心地よく、水分を欲する厘の気持ちが手に取るように分かった。
「あまり無理をするな。それと、無理をさせるな」
岬と飛沙斗は交互に返事をする。直後、厘は「最後にもう一つだけ」と席を立った。どうやら『女子だらけ』の雰囲気にも慣れ、スイーツも気に入ったらしい。それにしても———
「いいなぁ……厘は、いくら食べても太らなくて」
厘の皿に盛られた、彩り豊かなフルーツタルトに視線を落とす。しかし、瞳に映すだけでも胃は呻き、すぐさま視線を持ち上げた。甘いものは好きだけど、ここ最近は体型を気にせず食べられた試しはない。永遠に解決しないジレンマを浮かべながら、岬はその細い体を羨んだ。
「気にしているのか」
「今日食べた分は当分控えなきゃ……」
苦笑を浮かべると、厘は瞬きしながら首を傾げる。
「お前はもう少し、肉を付けても構わんだろう」
「そんなこと……だって、お腹もこんなに」
自分の脇腹をつねり、岬は落胆する。同時にまじまじと向けられる視線に、思わず俯く。しかし厘は、さらに首を捻って言った。
「そこに目立つ脂肪など、殆ど無かったがな」
……え———?
岬は目を丸くして、正面を見上げる。厘はしまった、とでも言いたげな様子で口元を覆う。そっぽを向いたせいで、赤く湖畔を作った首筋が露わになっていた。
なかった、って。なかった、って。厘は私の———。
「へ……?」
素っ頓狂な声で反応した岬に追い打ちをかけたのは、中の声だった。
『へぇー。なんだ、身体とか見せ合う関係なの?』
爪先から頭の先まで、みるみる熱が這い上がる。違う、と否定する言葉さえ出てこない。もはや否定以前、厘の言葉の真意を図れない。本当に体を見たかのような口ぶりが、頭のネジを熱して飛ばす。
「……岬。あとで話す……から、少し待っていてくれ」
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