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第一章 出会い
由紀の覗き見
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「ちょっと!どこに連れて行くつもりですか!帝先生!」
「お前、匂いが漏れてるぞ」
「はぁあ゛!?だから、抑制剤飲んでるんでそんなことな…」
あ、墓穴掘った…。
「抑制剤飲んでるから?何だ?」
「ええーっと、僕用事思い出したから帰ります」
だからどいてください、と言いかけた時だった。
バンっと音がして壁ドンされたことに気が付いた。
「な、何するんですか?」
「何って、キスだよ」
キス!やっぱこいつ変態だ!
「お前やっぱりオメガだろ。別に俺は偏見とかないから…」
「あなたにはわからない!」
「は…?」
僕の怒号のせいで一瞬ひるむ帝先生。
「あんたにわかるか…?親にオメガだからって虐待されて、信頼していた先生には子供を作る道具だって言われて…その時の僕の気持ちがわかるか!?わからないだろ!」
「そうだな。俺はアルファだからお前の気持ちは確かに分からない…だからどうしたらお前が救われるのかもわからない」
「ならほうっておいてくれ!」
僕の涙を見た先生は悲しい顔で
「泣くな…」
僕を抱きしめた。
「何でキスなんてするんですか…僕のこと好きなんですか?」
まるで嘲笑っているかのような顔で僕は言う。自虐的に。
「一目ぼれだ」
「は?」
「一目ぼれしたって言ってんだ」
「誰に…」
「お前にだ」
「はぁああ゛!?」
僕はすごい驚いた。そして頭に駆け巡ったのは…僕の主治医の言葉だった。
「その薬を飲めばヒートは避けられる。ただ、ヒート中はかなりの体調不良になる。それを覚悟してでも使うかい?」
「…大丈夫です」
「わかったよ。ああ、このことを覚えておいてくれ。もしも番になりたい人ができたらその人とすぐに番になりなさい。番になればヒートが来ても他のアルファには感知されなくなるはずだ」
「わかりました。でも僕みたいな人、もらってくれる人なんていないですよ」
「そんなことを言うんじゃない。自分のことは自分が一番大切にしなきゃいけない」
「でも僕は…」
「大丈夫だ。先生の言うことが信じられないかい?」
「信じたいです…」
「そうだろ?なら先生を少しでもいいから信じて好きな人を探すんだ。この薬は本当に注意しなければならない薬なんだ。寿命も縮んでいくかもしれないと言われている」
「わかってます。好きな人ができても両思いになれるかは別ですよ」
「そうだなー、でも先生は幸せになれたよ」
そうなのだ。先生はアルファではないのだ。オメガでずっと蔑まれてきたが、この病院の医院長に出会って番った。そして幸せになったのだ。
「僕という例があるんだ。大丈夫。きっと君にもいい人が見つかるよ」
「お前、匂いが漏れてるぞ」
「はぁあ゛!?だから、抑制剤飲んでるんでそんなことな…」
あ、墓穴掘った…。
「抑制剤飲んでるから?何だ?」
「ええーっと、僕用事思い出したから帰ります」
だからどいてください、と言いかけた時だった。
バンっと音がして壁ドンされたことに気が付いた。
「な、何するんですか?」
「何って、キスだよ」
キス!やっぱこいつ変態だ!
「お前やっぱりオメガだろ。別に俺は偏見とかないから…」
「あなたにはわからない!」
「は…?」
僕の怒号のせいで一瞬ひるむ帝先生。
「あんたにわかるか…?親にオメガだからって虐待されて、信頼していた先生には子供を作る道具だって言われて…その時の僕の気持ちがわかるか!?わからないだろ!」
「そうだな。俺はアルファだからお前の気持ちは確かに分からない…だからどうしたらお前が救われるのかもわからない」
「ならほうっておいてくれ!」
僕の涙を見た先生は悲しい顔で
「泣くな…」
僕を抱きしめた。
「何でキスなんてするんですか…僕のこと好きなんですか?」
まるで嘲笑っているかのような顔で僕は言う。自虐的に。
「一目ぼれだ」
「は?」
「一目ぼれしたって言ってんだ」
「誰に…」
「お前にだ」
「はぁああ゛!?」
僕はすごい驚いた。そして頭に駆け巡ったのは…僕の主治医の言葉だった。
「その薬を飲めばヒートは避けられる。ただ、ヒート中はかなりの体調不良になる。それを覚悟してでも使うかい?」
「…大丈夫です」
「わかったよ。ああ、このことを覚えておいてくれ。もしも番になりたい人ができたらその人とすぐに番になりなさい。番になればヒートが来ても他のアルファには感知されなくなるはずだ」
「わかりました。でも僕みたいな人、もらってくれる人なんていないですよ」
「そんなことを言うんじゃない。自分のことは自分が一番大切にしなきゃいけない」
「でも僕は…」
「大丈夫だ。先生の言うことが信じられないかい?」
「信じたいです…」
「そうだろ?なら先生を少しでもいいから信じて好きな人を探すんだ。この薬は本当に注意しなければならない薬なんだ。寿命も縮んでいくかもしれないと言われている」
「わかってます。好きな人ができても両思いになれるかは別ですよ」
「そうだなー、でも先生は幸せになれたよ」
そうなのだ。先生はアルファではないのだ。オメガでずっと蔑まれてきたが、この病院の医院長に出会って番った。そして幸せになったのだ。
「僕という例があるんだ。大丈夫。きっと君にもいい人が見つかるよ」
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