俺の犬

また絡まれる

「あのやろー…よくもやってくれたな！」
ここはあるマンションの一角。
「紀伊に警察官の知り合いがいたなんてな…」
「あいつ許せねえ…」
「そうだ、もうやっちまわねえか？」
「やっちまうって？」
ボスが聞き返す。
「犯しちまえばいいんだよ。紀伊のケツを使えなくしちまえばいい」
「そうか、その手があったな。もう警察なんて怖くねえ」
「待て待て、あいつに復讐したいんだろ？ならあの警察官をやっちまわねえか？」
「え？何でだよ」
「あの時の紀伊の顔見なかったか？あれは恋してる顔だ」
「まじかよ」
「あいつゲイだからその可能性はかなりある」
「そうか、そうしよう。交番勤務だったよな？その帰り道を狙う。いいな？」
「「はい！」」
その頃紀伊は
「くそっ！」
ばんっと壁を蹴り上げる。
「ちょっと近所迷惑よ」
姉から苦情が入る。今俺は姉のところに来ていた。
「うえぇえええん！」
「ほら、あなたが蹴るから赤ちゃんが泣いちゃったじゃない」
「わ、悪い…」
「何があったか知らないけど、ここにいるなら手伝いなさい」
「はーい」
そして夜になり寝ようとすると一本の電話がかかってきた。
ぷるるる
「はい？」
「紀伊さんの携帯ですか？」
「あ？誰だてめぇ」
「今あなたの知り合いが倒れて病院に搬送されています」
それは同僚の警察官からだった。どうやら暴行を受けそしてその人たちの取り調べで紀伊が浮かんできたらしい。
「ま、まさか…」
「はい。悠希さんが搬送されました」