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さてと、まずは私の仕事を終わらせなければな

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「私の仕事を終わらせてさっさと家に帰ろう。調教が進まん」
独り言を言っていると
「あら、珍しいわね。ここに立ち寄るなんて」
「ええ」
そこはアダルトショップだった。
「仕事でね」
「仕事ー?」
本当に?っと少し怪しまれたが
「本当だ」
少し目をそらしながら答えると
「まぁいいわ。私行くわね。仕事があるから」
「まだ仕事をしているのか?」
「ええ」
実はこのお姉さん、お腹の中に赤ちゃんがいるのだ。
「もうすぐ産休よ」
「産まれたら会いに行っても?」
「嫌よー、赤ちゃんがあなたに一目ぼれなんてしたらパパがうるさそうだからね」
「一目ぼれって…」
「だってあなた…まさか、自分の魅力に気づいていないの!?はぁ…モテる男は違うわね」
じゃっと言っていなくなった。
「私が、モテる?」
はてなを浮かべながらアダルトショップの中へと入っていった。
「あら、お兄さん。何をお求めかしら。よかったら私が選んでさしあげるわよ?」
にこりと笑われたが
「いえ、実は仕事で来ているんです」
「ああ、そういうこと。なら値引きしてあげる」
「ありがとうございます」
私以外にも使っている人がたくさんいるのだろう。値引きは嬉しいな。
「それで、あなたが使うのかしら?」
「いや、攻めだ」
「そう、残念。あなたを縛ってここにある商品を使うのも楽しそうだったのに」
「受けの開発とお仕置きの時に使う物を探しに来た。あとご褒美にもなるものを」
「あなた…」
「何ですか?そんなじっと見て」
「いえね、あなたって鬼畜だって言われない?」
「たまに言われますが…、あの、私の顔怖いですか?」
「何で?まぁ、迫力はあるかしらね」
「部下からあまりいい印象を得られなくて…」
「そうなのね、ああ、人は恋をすると変わるって言うじゃない?」
「はい?」
「恋をしてみたらいいと思うわ。あ、これ。10点3万円でいいわよ」
「ありがとうございます」
結構したなぁと思ったが、まぁいいか。色々話せて楽しかったしな。
「ただいま」
すぴーすぴーすぴー
寝ている姿が目に入った。
「ミカミ、ミカミ起きろ」
「誰だよ、僕の眠りを妨げるやつ…」
「私だが」
「あ、あああ゛!」
「どうした」
「夢じゃなかった…」
「夢だと思っていたのか?ほら、お土産だ」
「お土産?」
渡したのはもちろんアダルトグッズではなく…
「チーズケーキ?」
「そうだ。仕事先でもらったんだ」
「一緒に食べようってか?」
「そうだが」
「別に、食べてやってもいいけど…」
「お腹すいていたんだな。悪かった。お金を渡しておくべきだった」
「あんた、素直なんだな」
見た目と違って、と付け加えられ私は
「は、はははっ!」
声を出して笑ってしまった。
「何笑ってんだよ」
「いや、そんなこと言うのはお前ぐらいだ。さ、食べよう。ああ、でも普通に食べさせるのは面白くないな」
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