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この先プラトニックにつき【誘惑編】
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しおりを挟む意を決して想いを伝えたのに、俺の言葉を聞いた爽は、これ以上ないってくらいの盛大なため息をつく。
「はぁああああ~~~~~…………」
「………え?爽?」
「……マジで、あきは勘違い常習犯すぎるって……」
「え?」
「人の話は最後まで聞けって……親から習わなかったのか?」
「………ど、どういうこと?」
爽は俺の肩をトンっと押して、座席に押し倒す。またこれ!?と思う間もなく上から覆い被さってきた爽に驚いていると、両手を頭上で拘束されてそのまま口付けられた。
「……ンッ…!な、に…!?」
「その前に…どこ、触られた?」
「……へ?」
「さっきの奴らに…どこ触られた…?」
「え……?あ、別にどこも…まだ、……あ、お腹だけ…少し…」
「へぇ…」
「……!ひゃっ…!」
爽は俺のパーカーに下から手を突っ込むと、お腹だけを優しく撫でる。その感覚が思っていたよりずっと気持ちよくて、ゾクゾクと身体に快感が駆け抜けた。
え…?なに……?
なんで…?
俺に触りたくないんじゃ…ないの?
「はぁ……、やらけー肌………なんだよコレ……かわいすぎかよお前は」
「そ、爽っ…?どういう…こと…?」
「………だから、何回も言ったろ?俺があきに触りたくないわけねぇじゃん」
「…?」
「俺があきに触らなかったのには…ちゃんと理由があんだよ」
「……え?…じゃあ、今のは?」
「…あーーー…消毒?」
「マジで意味わかんない」
俺が目をパチパチさせながら困惑していると、爽はクスリと笑って俺の首筋に顔を埋める。
「はぁーあ……内緒にしときたかったのに……」
「えっ…?なに…を?」
「もう……いいや、お前に隠し事すると絶対良くない方向に勘違いするって学んだ」
「…?」
爽がさっきから呟いている"勘違い"の意味が全くわからず、俺の混乱は増していく。
一体どういう………
「実はさ……来週……あきの実家に挨拶しに行くことになってんだよ」
「………は?」
「もちろん、2人一緒にな?」
予想外の言葉に、理解が追いつかない。
つまり……どういうこと?
「……え?それが、俺に触らなかった理由…?えっ?訳わかんないんだけど…」
「だから、最後まで聞けって!」
「あ……、ごめん…」
「……お前、まだ18だろ?」
「え?う、うん…」
「あきの親にはもう電話で付き合ってることは伝えてあるけど、でもな…大人の俺が18歳のあきと付き合うなら…それ相応のケジメが必要だろ?俺…まだケジメはつけてねぇからさ」
「け……ケジメ……?」
「そ……ちゃんと、面と向かってご両親に交際を許してもらってない」
「ハァ!!?」
全く予想していなかった言葉に、口を開けたまま爽を見上げる。
いや、嘘でしょ……?
いくらなんでも………
真面目すぎない………!!?
「だから、ちゃんとご両親の前で頭下げるまでは絶対あきとセックスしたくなかったんだよ…俺」
「……」
「あきにちょっとでも触ったら…そのままなし崩しで手出しちゃいそうで……だから……俺、ずっとお前に触るの………死ぬほど………我慢してた」
「なに、それ……」
「あきはマジでアホだ」
「はぁ!!?」
「お前と、セックスしたくないわけねーだろ俺がっ………今すぐ犯してーよ」
爽の瞳は間違いなく欲を含んだ色をしていて、ドクンと心臓が高鳴る。
なんだ…………
俺………ちゃんと求められてたんだ………
それどころか、死ぬほど愛されてるじゃん……
「はぁ~……こっちは必死に我慢してんのに、キスするたびにお前色っぽくなってくしさ……ちんこ勃ちすぎて毎日いてーし…終いにゃ背中に日焼け止め塗れとかどんな拷問だよ…!もうマジで本当にしんどいって……」
「わ……ほんとだ、今も……勃ってるね?」
「だからそういうこと言うなバカ」
爽はほんのり頬を染めて余裕がなさそうに俺を見る。
嘘みたい……
やばい、俺の王子様かわいすぎる……
さすがに、大好きすぎるってば!!!!
ちゃんと愛されていることも、俺のことを思って我慢してくれていたこともわかって……爽への気持ちが一層込み上げる。
……今なら………言える。
だって、爽も…本当の気持ち言ってくれたから。
「………我慢……しなくてよかったのに…」
「……え」
「俺ね…………ずっと爽に手出されるの待ってたんだよ?」
「だから、そういうことを…!」
「親のことまで考えてくれて…もちろん、嬉しいよ?でも……もう、良くない?」
「いや、だからそれは…!」
「俺………爽と、えっち…したい」
「あ……、き……」
「…………犯して?………爽」
ここが駐車場だとか、車の中だとか、そんなことは頭からすっ飛んで……俺たちは見つめ合い………
数秒後、獣の様に唇を重ね合った。
爽は理性が弾け飛んだ様で、完全に男の顔をして俺の首筋にむしゃぶりつく。
「アッ…!ひゃっ…!んっ…ンンッ…!」
「…ハァっ……もう、無理だっ…」
「んっ、あぅっ……ひゃっ…な、なにがっ…?」
「止め、られねぇっ…」
止めなくていい!!!!
と、心の中で叫びながら喘ぎまくる。
だって……気持ち良すぎるんだもん!!
ここを舐められたのは、爽が熱を出して寝ぼけた日以来……やっぱり、爽は首筋舐めるの大好きみたい。
俺も好きだから…win-winだね?
爽は首筋を舐めながら左手で俺の手を拘束し、右手を俺の海パンの中に突っ込んだ。
いや、器用すぎでしょ。
だがその指先が、すでに勃ち上がった俺の性器に到達するより先に……………
後部座席の扉が開いた。
ガチャッ
「「!!?」」
「……爽!暁人ー!今帰っ…えええええええええええええ!!!!!?」
「……………うーわ、お前らマジかよ…」
扉の外にはもちろん、恭ちゃんと要が立っていて……俺はあまりの羞恥に両手で顔を隠し縮こまる。
幸い、性器が丸出し…とかでは無かったのが救い。
せめてもの。
「………いや、確かに仲直りしろとは言ったけど……仲良くしすぎだろお前ら!!!!俺らに尻拭いさせておっ始めんなこんなとこで!!!!」
「………」
「ご、ごめんなさいっ!!!要っ恭ちゃんっ!!」
「コラーー!!!爽、お前も反省しろドスケベ!!!!」
「チッ…」
「おっ前…!舌打ちすんなアホが!!!!」
「まぁまぁ…かな落ち着いてよぉ~!状況的に、暁人の悩みは解決したみたいだし?良かったじゃん?」
「ああっ!?ふざけんなっ良くねーよ!!!!!お前らそこに直れっ!!!俺がモラルってもんを教えてやる!!!!」
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