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「参考書が真っ白なままな理由」
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「おじゃまします」
理恵が里菜の家の玄関を開けた。里菜は理恵に上がるように言い、理恵が靴を脱ぎ終わるのを待った。理恵が靴を脱ぎ終えると、里菜は右手にある階段を登り始めた。それに里菜はついていった。
「里菜の家って凄く綺麗だね」
「そう?汚いと思うけど」
そんな他愛ない会話をしながら階段を上る。階段の途中途中には、カフェに飾ってあるかのような絵が飾ってある。恵里はそれを見ながら、感嘆をあげていた。
二階に上がると、里菜が上がってすぐに見える部屋を開けた。そこには可愛らしい部屋が広がっていた。その中に理恵が後ろにつくように入っていった。
部屋は全体的に白と黒で統一されていて、洗練された空間になっていた。そして、小窓の前に勉強机と思われるものがあった。それの近くの床には数多くの本達が積まれていた。
「この本見てもいい?」
理恵がそう尋ねると、里菜は頷きながらリュックを机のホックにかけた。理恵は床に座り、積んであった本の題名を一つ一つ見ている。里菜は机の上にある英単語帳を開き、理恵の周りを回りながらパラパラとページを開き、英単語と日本語を交互に唱え始めた。恵里はすっかり床にあった本に気を取られ、里菜が自分の周りを歩いていることにすら気がついていなかった。
床に大量に積んであった本は、数多くの参考書と、勉強法の本だった。それらのページは全てまっさらのまま保たれていた。理恵は、参考書には何かしら書き込むものだと思っていたから、とても驚いた。そのことを理恵が尋ねようとし、外部に注意を向けたことで、里菜の事に気がついた。里菜の目は横方向に何度も行き来し、念仏を唱えるかのように口を動かしていた。
「里菜、里菜、おーい」
「ん?ああ、ごめんごめん」
理恵が里菜の脚をつつくとやっと気がついた。凄まじい集中力だ。
「あのさ、なんで参考書真っ白なままなの?」
「あー、よし。丁度いいきっかけだし、それの理由から話そうかな」
そういい里菜は英単語帳を閉じ、恵里の隣に座った。そして、「参考書が真っ白なままな理由」を説明し始めた。
「まず最初に理恵よ、参考書とは何か分かるかい?」
「えっと、授業の復習に使うもの?」
「残念、不必要なものでした」
里菜がそう言うと、理恵は大きな?を浮かべた。床にこんなにも参考書が積まれているのに、そんなことを言っているからだ。軽く見ただけで十冊程度は積んである。
「最初に言っておくと、これは親が勝手に買ったものなの。勉強しろって。まあ、いつも放課後帰ってきてすぐに遊びに行くからそう言われちゃうんだけどさ」
理恵はまだ?を浮かべたままだ。
「さっき理恵は参考書を復習に使うって言っていたけど、復習に参考書は使わない」
「参考書だとまとまってて分かりやすいからいいじゃん」
「確かにそう。けど、それなら教科書でも良くない?何年も改訂されて洗練されたあの素晴らしき教科書で」
そういうと、理恵は電撃が走ったかのように、目を見開いた。
「た、確かに……」
「例えば参考書で勉強をするとする。教科は……分かりやすく社会で」
里菜はそういい、床に置いてある社会の参考書を手に取り、適当なページを開いた。
「まず参考書には、年表が載っている。その次に重要な単語と説明が書いてある。これを見て何か気がつく?」
「うーん、分からない」
「それじゃあ、教科書を見てみよう」
そういい里菜はリュックから歴史の教科書を取り出し、参考書と同じ内容のページを開いた。里菜の教科書はマーカーが引かれていた。だがしかし、それは普通の人とは違い青一色だった。
「まず年表、教科書の隅に大体載ってる。そして説明はというと、参考書と同じように載ってる」
「あ、どっちも内容は殆ど一緒ってこと?」
理恵がそういうと、里菜は「あたりー」と言った。
「参考書と教科書は似たようなもの。つまり、参考書じゃなくて教科書だけで事足りるってことだ」
「な、なるほど。今まで教科書だけだと物足りないと思って、参考書までしてたよ」
「勉強してるのに何で教科書と参考書の内容が変わらないってなんで気付かないかね。言い換えるとするならば、違う会社が出している教科書。教科書を二冊使って勉強しているようなものよ」
「そう考えると、参考書の存在意義が分からないよ……」
「言い方は悪いけど、買うことで自分を安心させるためのものだね。実際、参考書と教科書どっちも入念に勉強したこと無いでしょ?」
そういうと、理恵はつばを飲み込みながら頷いた。
「ま、取り敢えず参考書についてはこれくらいかな。それじゃあ次は……「勉強量」について話そうか」
理恵が里菜の家の玄関を開けた。里菜は理恵に上がるように言い、理恵が靴を脱ぎ終わるのを待った。理恵が靴を脱ぎ終えると、里菜は右手にある階段を登り始めた。それに里菜はついていった。
「里菜の家って凄く綺麗だね」
「そう?汚いと思うけど」
そんな他愛ない会話をしながら階段を上る。階段の途中途中には、カフェに飾ってあるかのような絵が飾ってある。恵里はそれを見ながら、感嘆をあげていた。
二階に上がると、里菜が上がってすぐに見える部屋を開けた。そこには可愛らしい部屋が広がっていた。その中に理恵が後ろにつくように入っていった。
部屋は全体的に白と黒で統一されていて、洗練された空間になっていた。そして、小窓の前に勉強机と思われるものがあった。それの近くの床には数多くの本達が積まれていた。
「この本見てもいい?」
理恵がそう尋ねると、里菜は頷きながらリュックを机のホックにかけた。理恵は床に座り、積んであった本の題名を一つ一つ見ている。里菜は机の上にある英単語帳を開き、理恵の周りを回りながらパラパラとページを開き、英単語と日本語を交互に唱え始めた。恵里はすっかり床にあった本に気を取られ、里菜が自分の周りを歩いていることにすら気がついていなかった。
床に大量に積んであった本は、数多くの参考書と、勉強法の本だった。それらのページは全てまっさらのまま保たれていた。理恵は、参考書には何かしら書き込むものだと思っていたから、とても驚いた。そのことを理恵が尋ねようとし、外部に注意を向けたことで、里菜の事に気がついた。里菜の目は横方向に何度も行き来し、念仏を唱えるかのように口を動かしていた。
「里菜、里菜、おーい」
「ん?ああ、ごめんごめん」
理恵が里菜の脚をつつくとやっと気がついた。凄まじい集中力だ。
「あのさ、なんで参考書真っ白なままなの?」
「あー、よし。丁度いいきっかけだし、それの理由から話そうかな」
そういい里菜は英単語帳を閉じ、恵里の隣に座った。そして、「参考書が真っ白なままな理由」を説明し始めた。
「まず最初に理恵よ、参考書とは何か分かるかい?」
「えっと、授業の復習に使うもの?」
「残念、不必要なものでした」
里菜がそう言うと、理恵は大きな?を浮かべた。床にこんなにも参考書が積まれているのに、そんなことを言っているからだ。軽く見ただけで十冊程度は積んである。
「最初に言っておくと、これは親が勝手に買ったものなの。勉強しろって。まあ、いつも放課後帰ってきてすぐに遊びに行くからそう言われちゃうんだけどさ」
理恵はまだ?を浮かべたままだ。
「さっき理恵は参考書を復習に使うって言っていたけど、復習に参考書は使わない」
「参考書だとまとまってて分かりやすいからいいじゃん」
「確かにそう。けど、それなら教科書でも良くない?何年も改訂されて洗練されたあの素晴らしき教科書で」
そういうと、理恵は電撃が走ったかのように、目を見開いた。
「た、確かに……」
「例えば参考書で勉強をするとする。教科は……分かりやすく社会で」
里菜はそういい、床に置いてある社会の参考書を手に取り、適当なページを開いた。
「まず参考書には、年表が載っている。その次に重要な単語と説明が書いてある。これを見て何か気がつく?」
「うーん、分からない」
「それじゃあ、教科書を見てみよう」
そういい里菜はリュックから歴史の教科書を取り出し、参考書と同じ内容のページを開いた。里菜の教科書はマーカーが引かれていた。だがしかし、それは普通の人とは違い青一色だった。
「まず年表、教科書の隅に大体載ってる。そして説明はというと、参考書と同じように載ってる」
「あ、どっちも内容は殆ど一緒ってこと?」
理恵がそういうと、里菜は「あたりー」と言った。
「参考書と教科書は似たようなもの。つまり、参考書じゃなくて教科書だけで事足りるってことだ」
「な、なるほど。今まで教科書だけだと物足りないと思って、参考書までしてたよ」
「勉強してるのに何で教科書と参考書の内容が変わらないってなんで気付かないかね。言い換えるとするならば、違う会社が出している教科書。教科書を二冊使って勉強しているようなものよ」
「そう考えると、参考書の存在意義が分からないよ……」
「言い方は悪いけど、買うことで自分を安心させるためのものだね。実際、参考書と教科書どっちも入念に勉強したこと無いでしょ?」
そういうと、理恵はつばを飲み込みながら頷いた。
「ま、取り敢えず参考書についてはこれくらいかな。それじゃあ次は……「勉強量」について話そうか」
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